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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム

セッション 1E  情報家電(UBI)
日時: 2007年7月4日(水) 13:10 - 14:50
部屋: 鶴・亀
座長: 今野 将 (東北大学)

1E-1 (時間: 13:10 - 13:35)
題名携帯電話端末のユーザインタフェースにおけるデータ利用量削減の一手法
著者*中西 正洋, 坂倉 健太郎, 天野 美樹, 財満 博昭, 畑山 尚毅, 片山 三千太, 小野 修一郎 (シャープ株式会社技術本部プラットフォーム開発センター), 尾上 孝雄 (大阪大学情報科学研究科)
Pagepp. 110 - 116
Keyword携帯電話, UI, XML, SVG, カスタマイズ
Abstract近年,携帯電話端末のユーザインタフェース(UI)が利用する画像のデータサイズは,(1)高解像度化(2)画像カスタマイズ範囲の広がり(3)高速レスポンス処理のための非圧縮画像の利用,という3要件により,増加の一途をたどっている.利用するデータサイズが増加するにつれて,大容量で高価格なメモリが必要となり,端末の製造コストが増大する.このため,UIが利用するデータサイズを削減することが強く望まれている.一方,組込み機器のUIをXML言語で記述する流れが広まってきている.これにより,開発者の裾野が広がり,開発コストが削減できるようになってきた.そこで本研究では,端末のUIにおける新しいデータ利用量削減の一手法を提案する.また,(1)UIをXML言語で記述可能で,(2)UIを利用中に瞬時にカスタマイズ可能で,(3)UIが利用するデータサイズの削減が可能という特長を持つUIシステムを実装し,提案手法の有効性の評価を行った.結果として,9種類のUIが選択可能である場合,従来手法と比較して67%のデータ利用量を削減できた.

1E-2 (時間: 13:35 - 14:00)
題名ゲートウェイへの機能追加を必要としない埋め込みIPv6アドレスのためのアドレス管理手法
著者*黒木 秀和 (株式会社IRIユビテック ユビキタス研究所/静岡大学創造科学技術大学院), 井上 博之, 荻野 司 (株式会社IRIユビテック ユビキタス研究所), 石原 進 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 117 - 124
Keyword埋め込みアドレス, IPv6, NEMO, 機器管理, 情報家電
Abstract 従来ではIP機能が搭載されることのなかった様々な機器に対して新たにIP機能が搭載され、インターネットを介した機器の操作や保守、あるいは新しいサービスが実現されるようになってきている。  これらを容易に実現する方法の一つとして、機器の出荷時等に予め決められたIPアドレスを機器内部に埋め込み、機器とインターネット上の他のIPホスト間において、埋め込まれたIPアドレスを用いた通信を実現することが考えられる。この方法を実現することにより、複雑なIPアドレス設定機能や設置場所によって動的に変化する機器のIPアドレス管理を不要にし、機器の遠隔操作や遠隔保守を容易にすることが出来る。  しかし、一般的に機器に設定するIPアドレスが機器の設置されたネットワーク環境において割り当てられるIPアドレスではない場合、機器とは異なるネットワークに接続されたIPホストからこのIPアドレスへの経路到達性が確保されない。このため、このようなIPアドレスは通信に用いることの出来ない孤立したIPアドレスになってしまうという問題がある。  この問題を解決可能な既存の技術として、MIP及びMIP6や各種トンネル技術が存在する。これらの技術では、機器に対してIPアドレスの変換機能やIPパケットのカプセリング機能を実装することにより、機器と機器とは異なるネットワークに接続されたIPホストの間において、埋め込まれたIPアドレスを用いた通信を実現している。しかし、これらの機能の実装は機器の処理負荷を高めると共に、機器全体の実装を複雑にするという問題がある。  我々は、既存技術における問題を解決し、機器が自身に埋め込まれたIPアドレスで通信するため手法として、機器に埋め込まれるIPアドレスをIPv6アドレスとし、IPv6ネットワークのモビリティを実現するNEMO技術を応用した機手法を提案した。この手法では、機器に同一の/127のIPv6ネットワークプレフィックスに含まれる連続した2つのIPv6アドレスを埋め込み、この2つのIPv6アドレスをそれぞれ機器及び機器が接続されるネットワーク上に存在するゲートウェイの内側のアドレスとして利用する。そして、この2つのIPv6アドレスがそれぞれに設定された機器及びゲートウェイからなる/127のIPv6ネットワークをNEMOにおけるモバイルネットワークとして扱い、これをホームエージェントに登録するように動作する。  このように動作することで、機器と機器とは異なるネットワークに接続されたIPホストの間における埋め込まれたIPv6アドレスを用いた通信を実現する。また、機器が設置されるネットワーク上のゲートウェイがNEMOにおけるモバイルルータとして動作することにより、機器に対する負荷のかかるIP処理(IPアドレスの変換やIPパケットのカプセリングなど)の実装を不要にしている。さらに、機器の実装が簡単になることで、機器開発に要するコストの削減を可能にしている。  一方で、本手法を用いるには機器が設置されるネットワークのゲートウェイをこの手法に対応したモバイルルータである必要がある。このため、本手法を用いた機器を既存ネットワークに設置する場合、 ・ゲートウェイの取り替えに伴う一時的なネットワークの切断が発生 ・モバイルルータに上位ネットワークに対する接続情報の設定が必要 あるいは ・新たに機器のためのネットワークを構築する費用が発生 といった問題があった。  そこで本稿では、既存ネットワークに設置する場合にゲートウェイの置き換えや新たなネットワークの構築が発生しないように上記手法を拡張した手法を提案する。この拡張した手法では、既存ネットワーク上にネットワークインタフェースが一つのみからなるモバイルルータをゲートウェイとは別に設置し、モバイルルータはゲートウェイを介して外部ネットワークへの接続性を確保する。そして、同一の/127のIPv6ネットワークプレフィックスに含まれる連続した2つのIPv6アドレスが埋め込まれた機器は、既存のネットワークに接続され、このネットワークのゲートウェイではなくモバイルルータをデフォルトゲートウェイとして選択するように動作する。モバイルルータは、機器との間で構成される/127のIPv6ネットワークをNEMOにおけるモバイルネットワークとしてホームエージェントに登録するように動作する。  この拡張した手法により、既存ネットワークのゲートウェイの交換や機器のためのネットワークを新たに構築することなく、機器と機器とは異なるネットワークに接続されたIPホストの間における埋め込まれたIPv6アドレスを用いた通信を実現する。また、既存ネットワークのゲートウェイを有効に利用することで、本手法に対応したモバイルルータに対して、RS/RA以外の上位ネットワークに接続する機能(DHCP、DHCPv6、PPP、PPPoEなど)を実装する必要が無くなり、モバイルルータの実装が簡単になることで、モバイルルータ開発に要するコストの削減を可能にしている。

1E-3 (時間: 14:00 - 14:25)
題名グローバルネットワーク環境におけるUPnP機器連携の実現
著者*小川 将弘 (同志社大学大学院工学研究科), 早川 裕志 (九州大学大学院システム情報科学府), 小板 隆浩 (同志社大学工学部), 佐藤 健哉 (同志社大学大学院工学研究科)
Pagepp. 125 - 133
Keywordユビキタス, 情報家電, ホームネットワーク, UPnP

1E-4 (時間: 14:25 - 14:50)
題名ワームホールデバイス:DLNA情報家電の遠隔相互接続支援機構
著者*武藤 大悟, 吉永 努 (電気通信大学大学院情報システム学研究科)
Pagepp. 134 - 138
KeywordDLNA, UPnP
Abstract1.研究の背景と目的 近年情報家電の普及はめざましく,なかでもDLNA[1]ガイドラインに準拠した機器はその相互接続性の良さからAV機器を中心に数を増やしつつある.一方で一般家庭のインターネット接続環境は広帯域・常時接続化が広く浸透してきた. これらの下で,家庭内に閉じている情報家電ネットワークをインターネットを通じて家庭の外へ拡張し,外部または異なる家庭間で相互に接続・操作を行うことは,情報家電のアプリケーションの応用を大きく広げる.本稿ではDLNAガイドラインの中核をなすUniversal Plug and Play (UPnP)[2]スタックを実装した機器を異なるドメイン間で相互に接続する機構を提案する.これにより既存の情報家電ネットワークに参加する機器を再編成せずとも,それらの機器からインターネット越しに遠隔相互接続することが実現する.以降,それらを実現するための相互接続網の構成とその通信方法を示す. 2.相互接続網とその要素 異なるホームネットワーク間でDLNA機器を接続するためには,グローバルネットワーク上での接続相手の位置解決問題や,NAT透過に関する問題を解決する必要がある.ホームネットワークではその特性からユーザからの設定支援がごく簡単なものに限られるため,それらの問題を半自動的に解決する必要がある.研究では,既存のDLNA機器によって構成されたネットワークに新たに提案するWormhole Device(WD)を投入して,それらの接続に関する問題の解決に必要な動作を行わせる.またグローバルネットワーク上にSIP Proxy Server(Proxy)[3]を配置し,情報家電ネットワークを結ぶ相互接続網を構成する.相互接続網には扱う内容に応じて異なる2つの経路,シグナリングチャネルとデータチャネルを設定する.データチャンネルは各UPnP機器が直接的に通信を行うために利用され,その接続の状態の制御をSIPで構成されたシグナリングチャンネルよって行う. 3.各要素間の通信 3.1.WD間の通信 相互接続の両端のホームネットワークに存在するWDの通信は,網上のProxyを中継して行う.Proxyに登録されたWDはSIP UIDによって一意に識別される.WDはシグナリングを行う際にSIPのMESSAGEメソッドを利用したリクエストを,UIDを指定した上で網へ送信する.リクエストのmessage-body にはXMLに整形されたRPC(Remote Procedure Call)メッセージを挿入し,これを受け取った受信側のWDはmessage-body にRPCに対する戻り値,エラーコード,エラーメッセージをXMLに整形された形で挿入したMESSAGEリクエストへ応答を送信する. 3.2.DLNA機器間の通信 DLNA機器は機器同士の通信にUPnPを利用するが,この通信は異なるホームネットワーク間で通常行えないため,それらをWDによって中継する. 通常UPnP Control Point(CP)は,同じドメインのUPnP Device(Device) を検出するためにSSDPを用いる.SSDPは同じドメイン内に限って有効であり,異なるドメイン間にこの処理を拡張しようとした場合これを適切に処理する必要がある.これに対してWDは,まず,それぞれのドメインのWDは同じドメイン内の DeviceをSSDPによって検出する.WDは検出したこれら同一ドメインにある機器についての要約を作成し,通信先のWDと交換する.こうすることでSSDPを直接送信することなく,遠隔ネットワークのDLNA機器を把握することができる.また,ユーザがWDのインターフェースから要約の中にある機器を指定し,公開することを選択すると指示を受けたWDは指定された機器を持つWDに対して指定された機器の公開を要求し,接続の後,遠隔にある実際のDeviceに代わって,ローカルネットワークに対してSSDPの通知を行う.これにより,DLNA機器は本来のSSDPの処理に従いながら異なるドメインのDeviceに接続し,UPnP通信を行うことができる. 4.実験と今後の課題・展望 WDをCプログラムで実装し,DLNA DMS/DMPを接続したホームネットワーク間でのコンテンツシェアの実験を行った.実験には複数のISPを用いてFTTHとADSLの相互接続を行った.それぞれの機能が期待された動作を行うことが確認できた. 今後の課題としては,セキュリティの強化や,この研究で得られたPear to pear 通信基盤を利用するDLNA情報家電向け応用アプリケーション基盤の開発などが挙げられる. 謝辞 本研究の一部は,電気通信大学と船井電機蠅両霾鷁氾鼎亡悗垢覿ζ姥Φ罅FUN-Xプロジェクト)の援助を受けて行われた. 参考文献 [1]DLNA, http://www.dlna.org/en/consumer/home. [2]UPnP Forum: "UPnP Device Architecture 1.0", Ver.1.0.1, p.73 (2003). [3]Rosenberg J., Schulzrinne H., Camarillo G., Johnston A., Peterson J., Sparks R., Handley M. and E. Schooler, "SIP:Session Initiation Protocol", RFC 3261, (2002).