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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム

セッション 2H  インターネット2(DSM)
日時: 2007年7月4日(水) 15:00 - 16:40
部屋: 回転スカイラウンジ
座長: 藤村 直美 (九州大学)

2H-1 (時間: 15:00 - 15:25)
題名端末の機能追加が不要なNAT越え方式の提案
著者*宮 悠 (名城大学), 鈴木 秀和, 渡邊 晃 (名城大学 理工学研究科)
Pagepp. 409 - 413
KeywordNAT, NAT越え, DNS, STUN, AVES
Abstractユビキタス社会の到来に向けて,いつでもどこからでもネットワークにアクセスしたいという需要が高まっている.そこでは外出先からでも家庭内や企業内の端末に自由にアクセスしたいというニーズが考えられる.しかし,家庭内や企業内のネットワークはプライベートアドレスで構築される場合が一般であり,通信経路上に必ずNATが存在する.このような環境ではインターネット側の端末からプライベートアドレスの端末に対して通信を開始するためにNAT越え問題を解決する必要がある.本稿では,DNSサーバとNATルータを改造し,両者を協調させることによりNAT越えを実現する方式を提案する.

2H-2 (時間: 15:25 - 15:50)
題名非常時における通信確保のためのBGP接続手法の提案
著者*渡里 雅史, 屏 雄一郎, 阿野 茂浩 (株式会社KDDI研究所), 山崎 克之 (長岡技術科学大学)
Pagepp. 414 - 419
KeywordBGP, 耐故障性, マルチホーム, 経路制御
Abstractインターネットは,非常時における緊急通信確保のための重要な社会インフラとなった一方で,インフラを支えるBorder Gateway Protocol 4 (BGP)の仕様は,標準化から10年以上経った今もほとんど変更されてない.一般的なBGPを用いたインフラの安定化・高信頼化手法としてマルチホームがあるが,予め代替経路を確保する手法は運用コストが高く,インターネット全体の経路数を増加させることが問題となる.本課題を解決するため,本稿では,新たな高信頼化手法として,予め代替経路を確保せず,障害時にオンデマンドでドメイン内外の他のBGPピアを自律的かつ動的に探索し,接続性を確保するオンデマンド型BGP接続手法を提案する.提案手法は,代表BGPスピーカ間でAS番号を変換することで,ドメイン間の収容変更を可能とする.本稿では,提案手法のBGP拡張に関わる詳細設計ならび既存ネットワークへの適用性について述べる.

2H-3 (時間: 15:50 - 16:15)
題名インターネット上の名前解決の可用性を向上させるDNSLXPの提案
著者*渥美 清隆 (鈴鹿工業高等専門学校), 岡田 卓也, 増山 繁 (豊橋技術科学大学知識情報工学系)
Pagepp. 420 - 428
KeywordDNS, 名前解決, 可用性, 地域IX
Abstractキーワード: Domain Name System, Local eXchenge Point, Alternate Root Server, 可用性, P2P アブストラクト: インターネットではFQDNと呼ばれるコンピュータに付与された名前から, そのコンピュータに付与されたIPアドレスに変換するサービスとしてDNS(Domain Name System)が定着し、このサービスが利用できなければ、事実上インターネットを利用できない状況である。ここで言う事実上というのは、当該コンピュータ間のIP到達性があり、当該コンピュータのIPアドレスを知っていれば、当該コピュータのサービスを利用できるにも関わらず、IPアドレスを知ることが 出来ないために、サービスが利用できないということである。 あるクライアントがDNSを使って名前解決を行なうためには、まず、キャッシュサーバと呼ばれる名前解決を再帰的に行なってくれるサーバに名前解決の要求をする。キャッシュサーバはルートサーバと呼ばれるコンテンツサーバに名前解決を要求する。ルートサーバは要求された名前を知らないので、当該名前を含むドメインの権限が移譲されているコンテンツサーバAに要求せよと返信する。更に、キャッシュサーバはコンテンツサーバAに名前解決を要求すると、当該名前を含むドメインの権限が移譲されているコンテンツサーバBに要求せよと返信する。そのため、これらの名前解決に必要な全てのサーバへのIP到達性がないと、当該コンピュータの名前解決ができないことになるが、インターネットは相当スパースなグラフ構造をしており、ある辺で故障すると大規模に名前解決が行えなくなる可能性があり、極めて脆弱な体質であることが分かる。現在の解決策としては、権限移譲を複数のコンテンツサーバ(セカンダリサーバ)に持たせる方法や、キャッシュサーバの一時記憶を頼りにするなどが行なわれており、一時的な障害であればそれなりに動作する。 本論文では、一時的解決ではなく、IP到達性がある限り、必ず名前解決ができるよう、現在のDNSに拡張を行なうDNSLXP(Domain Name System Local eXchenge Point)提案をする。DNSLXPとはIP到達性上の近隣のコンピュータ同士の名前解決については、局所的に解決しようとするものである。DNSLXPを構成するものは、ルートサーバの振りをするコンテンツサーバ(alternate root server, AltRS), AltRSを唯一のルートサーバとするキャッシュサーバ, AltRSにnsレコードを登録したり、あるいはAltRS自身をセカンダリサーバとして設定するコンテンツサーバから成る。 キャッシュサーバは、ユーザからの要求に対して指定されたAltRSにユーザからの要求を送る。キャッシュサーバはAltRSからの返事がどのような返事であっても信頼することとする。下位ドメイン名となっているnsレコードに付けられたグルーAレコードは一般に信頼するが、そうではない場合のFQDNのnsレコードの場合はグルーaレコードを信頼してはならないことに注意する。AltRSからの返信はこの場合でも信頼することとする。 AltRSでは、IP到達性的近隣のDNSコンテンツサーバ(以下、コンテンツサーバ)の情報を常に最新の状態で保持していることとする。このとき、以下の2つのパターンが考えられる。いずれの場合も、どのように信頼できる形でレコードを保持できるかが課題である。 1. コンテンツサーバのnsレコードのみを保持する。 コンテンツサーバは近隣にないが、コンテンツサーバに保持されているaレコードに記録されているサーバのIPアドレスは近隣にあり、IP到達性がある場合に問題となる。 2. あるコンテンツサーバのセカンダリとしての振る舞いをする。 1の問題は解決するが、保持するデータをどのように管理するかが、1の場合よりも顕著になる。 AltRSは、ICANNが管理するroot server群のIPアドレスについて、常に最新のものを保持していると仮定する。AltRSは、自らが管理する範囲のコンテンツについては権限保持者として要求に対する返信をする。また、管理する範囲のコンテンツではない場合、ICANNの管理するroot server群を返し、その後は、通常のDNSの振る舞いと同じである。ただし、この場合、遅延時間が増えるので改善の余地があるかもしれない。 AltRSと直接関連付けられるnsレコードについては、その妥当性が常に検査され、異常がある場合は、関連付けから外すようにするとともに、各ドメイン管理者に通知するという機能を持たせれば、権限移譲の不整合、存在しないコンピュータのIPアドレスをnsレコードやmxレコードに記述したり、TTLの設定間違いなどで、一見動作しているかのように見える危うい設定等の内の一部の問題を同時に解決することができる。 AltRSはIP到達性的に近隣の他のAltRSの持つコンテンツと交換可能である。交換する場合は、pgp的電子署名をすることを前提とするので、事前に公開鍵の交換を信頼できる形で実施していることが条件となる。 本研究の有用性を調査するため、まずはシミュレーションをする。インターネットはいくつかの木の頂点同士がスパースなグラフで結ばれているようなグラフと仮定する。ただし、各木の中では節点同士を結ぶ短絡辺がいくつか存在するため、完全な木とは異なる。節点の内、辺を1本しか持たない節点を葉とする。葉はサーバやクライアントとなる。辺を2本以上保持する節点をルータとする。DNSを演じるプレイヤーは全て葉となる。 ドメイン空間は完全な木と仮定する。しかし、木の接点を管理するコンテンツサーバに付けられる名前が木に付けられる名前とは違う場合があることに留意する。 いくつかの辺をランダムに切り取った場合の可用性の変化をシミュレーションで調査することにより、提案する手法が可用性を上げることを説明する。

2H-4 (時間: 16:15 - 16:40)
題名地理的位置依存情報のマルチキャスト配信手法の設計と実装
著者*垣内 正年 (奈良先端科学技術大学院大学), 久保 力也 (株式会社東芝), 戸辺 論 (株式会社インターネットイニシアティブ), 砂原 秀樹 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 429 - 437
Keywordインターネット, モバイルネットワーク, 位置情報システム
Abstract携帯電話・PDA等のモバイル端末とGPSなどを利用した測位技術の融合により,情報受信者の地理的位置に依存した情報配信が可能になってきた. 本研究では,情報受信者の増加に伴うスケーラビリティを考慮し,マルチキャストを利用して情報受信者の地理的位置に依存した情報を配信する手法を提案する. 多数のクライアントに対して動画像配信などのストリーム配信を行う場合,一般的にマルチキャストを利用することがサーバの負荷軽減,ネットワークの使用帯域削減に有効である. しかし,通常地理的位置とネットワーク的位置は異なる属性であるために,配信サーバ,もしくはマルチキャスト経路上のルータが地理的位置を識別することは困難である. 本研究では,情報サービスの種類,および情報配信対象となる地理的位置毎に異なるマルチキャストグループを構成する. このマルチキャストグループに対して,配信サーバは情報配信を行い,受信クライアントはグループ参加して情報受信を行うことで,地理的位置に依存した情報配信を行う. 配信サーバと受信クライアントにおいてマルチキャストグループを関連づけるために,位置情報サーバを導入する. 位置情報サーバは地理的位置属性を追加した Session Description Protocol (SDP) のデータベースを保持し,受信クライアントの要求に基づいて情報サービスの種類,地理的位置に対応するセッション情報を返す. 受信クライアントはセッション情報に記述されたマルチキャストグループに参加することにより,地理的位置に対応する情報の受信が可能となる. 本提案に基づいた情報配信システムのプロトタイプを実装し,評価実験を行った. これにより,受信クライアントの地理的移動,ネットワーク移動において,地理的位置に応じた情報受信が行えることを確認した. また,移動時の応答時間を測定し,受信クライアント数の増加に伴う変化をユニキャストとマルチキャストにおいて比較した. その結果,受信クライアント数の増加に対して本提案が有効であることを明らかにした.