(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム

セッション 4C  センサネットワーク制御1(MBL)
日時: 2007年7月5日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 砂子〜磯笛
座長: 義久 智樹 (京都大学)

4C-1 (時間: 8:30 - 8:55)
題名Clustering and In-Network Processing Routing Algorithm based on Time Division Transmission: CIPRA
著者*Eunhyoung Chu (九州大学大学院システム情報科学府知能システム学専攻), 峯 恒憲, 雨宮 真人 (九州大学大学院システム情報科学研究院知能システム学部門)
Pagepp. 698 - 705
Keywordsensor-networks, data gathering, clustering, routing
AbstractRecent advances in computing technology have led to the development of a new computing device: the wireless, battery-powered, smart sensors. Sensors which are capable of sensing, computing and communicating may be deployed in ad hoc networks without infrastructure and centralized control. Self-organizing and self-configuring capability are requisite for the sensor networks. In addition, activities of sensors are severely constrained by limited resources such as battery power, memory and computing capability available, which require sensor networks to be energy-efficient. Communication may occur via intermediaries in a multi-hop fashion because of limited power. Moreover because adjacent sensor nodes obtain similar or identical data, using in-network aggregation in a multi-hop communication is useful to reduce the volume of transmission data. A clustering technique which gathers data from several representative sensor nodes by clustering sensors provides scalability for the sensor networks composed of hundreds or thousands of nodes. Clustering is essential for applications requiring efficient data aggregation. Another advantage of clustering technique is to reduce energy consumption of the network. We discuss an energy-efficient method based on Clustering and In-network Processing Routing Algorithm named CIPRA, which prolongs network lifetime by distributing energy consumption, for data gathering in sensor networks. Given a collection of sensors and a base station, CIPRA groups sensors into a cluster that has a single cluster-head transmitting data to the base station and normal-sensors (non-cluster-head) sending data to the cluster-head and organizes a connected data routing-tree path based on a Ring Topology composed of adjacent several rings, where sensors are permitted to aggregate incoming data packets. CIPRA reduces energy required to construct a spanning tree using a new hybrid flooding which employs Time Division Transmission (TDT) which lets sensors communicate with other sensors only during their assigned time slots and sensors take a role either transmitter or receiver. TDT helps to reduce a mount of energy consumption resulting from collisions, overhearing, and idle listening in CSMA MAC layer. Overhearing which is an energy consumption source because of broadcast medium decreases for sensor to have sensor receive messages only for their receiving time slot. In other words, because waiting to hear messages during their receive-time slot, sensors consume the same amount of energy for radio listening regardless of the distance from sensors to the cluster head. In addiction, CIPRA reduces the energy load of a cluster-head and the volume of transmission data by aggregating data at each member node within a cluster. In CIPRA after sensing data, each node sends the data to its neighbor node instead of its cluster-head. Neighbor nodes aggregate data to reduce amount of data and transfer the aggregated data to their neighbor nodes or their cluster-head. Using local communication among neighbor nodes lessens the communication distance. In-network processing at each member node distributes the energy load of cluster-heads to the member nodes. Experimental results show that our data gathering mechanism outperforms the direct scheme protocol and the LEACH protocol on the point of view of the network lifetime.

4C-2 (時間: 8:55 - 9:20)
題名光知覚神経ネットワークにおけるTCPスループットの改善方式
著者*松岡 幸一, 阿部 伸俊, 篠宮 紀彦, 勅使河原 可海 (創価大学)
Pagepp. 706 - 713
Keywordセンサネットワーク, TCP制御
Abstract1. 背景 近年,FTTH(Fiber To The Home)に代表されるように,“光ファイバ通信”が注目されている.一方で,光ファイバ自体を,構造物の歪みや圧力などを環境情報として常時モニタリングする“光ファイバセンサ技術”にも関心が寄せられている.もし,同じインフラで通信とセンサの両機能を兼ね備えた光ファイバシステムが実現できれば,コスト効率が良く,障害の予兆検知などの応用も期待できる.我々は,この通信とセンシングを融合した光ファイバシステムを,光知覚神経ネットワークと呼び,開発を進めている. 2. 光知覚神経ネットワーク 本研究における光知覚神経ネットワークは,光のインターフェースを備えたイーサネットと,計測精度や価格など実用的観点からの評価が高いヘテロコア光ファイバを用いて構成される.通信技術としてイーサネットを用いる理由は,まず,ネットワーク機器が安価であり,機器をネットワークにつなげる際に特別な設定が不要で一般家庭やオフィスでも使いやすく,現在最も普及しているからである.さらに,光知覚神経ネットワーク環境においては,ノード間の相互情報交換や動画像情報等の伝送が頻繁に行われ,Multipoint-to-Multipoint接続や高速大容量データ通信が必要であるため,ギガビット伝送も可能なイーサネットが適していると考えられる. また,ヘテロコア光ファイバセンサとは,伝送路用光ファイバセンサを任意の位置で切断し,さらにコア径の小さい光ファイバを約1个ら数兪淨し融着したものである.このコア径の小さい部分をヘテロコア部と呼ぶ.このセンサは伝搬光の一部がヘテロコア部の境界面にてクラッド層へ漏れ,ヘテロコア部に曲げを与えるとクラッド層に漏れる光の量が変化するため,鋭敏に損失量の変化として測定可能である. 光知覚神経ネットワークでは,センシングによって空間の環境情報を取得し,同時に即応性の高いサービスを提供する.そのため,この空間では高信頼・高品質なデータ通信が必要とされるのは明白である.したがって,接続相手やデータ到着の確認,フロー制御,データ重複や抜けの検出などを行うことにより信頼性の高い通信を実現するTCPを使用する. 3. 光知覚神経ネットワークの通信特性に関する問題点 ヘテロコア光ファイバは,光を漏らす点を作為的に作ることによって曲げに対する感度を高め,センサとして機能させている.これは,通信の観点から見ると,光信号の強度が減少し,符号誤り率が増加することを意味する.符号誤り率が増加し,その影響が大きくなるとセグメントロスが発生してしまう.通常の有線ネットワークでは,セグメントロスが発生するのはネットワーク輻輳が発生した場合である.ゆえに,セグメントロスが発生すると,TCPはネットワークの輻輳が発生したと判断し,ロスしたセグメントの再送制御を行い,かつ輻輳ウィンドウを下げるようになっている.そこで本研究では,光知覚神経ネットワーク環境において,ファイバの曲げによるセグメントロスがTCP通信にどのような影響を与えてしまうのかをOPNETを用いたシミュレーション実験により明らかにした.結果として,TCPがセンシングによる一時的な通信断をネットワークの輻輳状態と勘違いして,不必要にウィンドウサイズを低下させ,RTO(Retransmission Time Out)も増加してしまい,スループットが大幅に低下してしまう現象を確認できた.つまり,光知覚神経ネットワークにおいては,ヘテロコア光ファイバの使用に対して,特にTCP通信特性に注意を向けなければならない. 4. センシングによるTCPスループット低下の回避手法 そこで,本研究では,上記シミュレーション実験により明らかとなったTCPスループットの低下を最小限に抑える手法を提案し,その効果を示す. 光知覚神経ネットワークと類似したリンク特性を持つものとして,無線ネットワークがある.無線ネットワークでは,フェージング等によりビットエラーが起こり,その影響でセグメントロスが発生する.これまで,無線ネットワークの環境に応じて,標準TCPをベースに改良された独自のアプローチが各種提案されているが,想定環境の違いにより完全には光知覚神経ネットワークに適用できない.しかし,一部の機能は有用であると思われるため,ファイバの曲げによる通信断の検知,通信断発生時における適切なTCP制御,通信回復通知の方法の3点について応用した新しい手法を提案する.

4C-3 (時間: 9:20 - 9:45)
題名Spatial-Correlation-Based Data Aggregation Scheme in Wireless Sensor Networks
著者*Huifang Chen (Shizuoka University), Yoshitsugu Obashi, Tomohiro Kokogawa (NTT Corporation), Hiroshi Mineno, Tadanori Mizuno (Shizuoka University)
Pagepp. 714 - 721
Keywordwireless sensor networks, data aggregation, spatial correlation, estimation

4C-4 (時間: 9:45 - 10:10)
題名データセントリックセンサネットワークにおける位置情報を必要としないルーティング方式の提案
著者*油田 健太郎 (熊本県立大学/宮崎大学), 佐藤 雄亮, 岡崎 直宣, 冨田 重幸 (宮崎大学), 朴 美娘 (三菱電機)
Pagepp. 722 - 732
Keywordセンサネットワーク, ルーティング, GPSR, HVGF
Abstract 近年,無線移動端末などを用いて固定のインフラがない場所にネットワークを構築するモバイルアドホックネットワークの研究が行われている.その中でも,ユビキタス環境を実現させる重要な技術としてセンサネットワークが注目されている.センサネットワークは,電力資源が乏しいセンサノード(以下,ノード)で構成されており,省電力化が重要な課題となる.そのため,ルーティングにおいても通信量の少ない方式が求められる.これまで位置情報を用いることにより通信量を抑えたルーティング方式が提案されているが,位置情報を取得するためには,各ノードに特別なデバイスを付与する必要があり,低コスト化,小型軽量化する上で妨げとなるだけでなく,位置情報を取得する際に電力を消費するという問題がある.そこで,本論文では通信量を抑えつつ,かつ位置情報を必要としないHVGF(Hop-Vector based Greedy Forwarding)ルーティング方式を提案する.ここでは特に,外部ストレージ方式で問題になるような通信の集中による電力消費の偏りが起こりにくいという特徴を持つデータセントリックストレージ方式のセンサネットワークを対象とし,そこで重要となる任意の2点間におけるルーティング方式について考察する.  提案方式では,n個(n>2)の基準点を設け,基準点からのホップ数を要素とするベクトルを作成する.ルーティングの精度を上げるために,基準点をそれぞれが互いになるべく離れるように指定する必要がある.そこで,基準点をネットワークの周辺に配置されているノード(以下,周辺ノード)の中から選択することとした.そのため,まず周辺ノードを判別し,それらの中から互いにできるだけ離れるようにn個の基準点を選択する.そして,基準点からのホップ数を要素とするベクトルをすべてのノードに作成し,そのn次元ベクトルをアドレスとして用いたGreedy Forwardingを行う.ここでGreedy Forwardingとは,各ノードが隣接ノードの情報を保持し,自分の隣接ノードの中で一番宛先に近いノードへ転送することを,宛先に届くまで繰り返す転送方式のことである.本提案方式では,平面上の2次元の位置情報の替わりにあて先やノードのアドレスとして用いるベクトル間の距離を,ユークリッドノルムとして定義した.  本提案方式の有効性を示すために,提案方式と既存の実際の位置情報を用いた方式をシミュレーションにより比較した.ここでは評価項目として,送信ノードから送られたパケットが宛先ノードに到着した割合を示す成功率と平均ホップ数の2つの基準を用いた.シミュレーション結果より,提案方式は実際の位置情報を用いた既存方式と同程度の性能と通信オーバヘッドであること,特にノード密度が低いネットワークに適した方式であることなどが分かった.  今後は,障害物や空洞がある場合などの現実的に起こりうる状況を想定したネットワークでのシミュレーションを行う予定である.