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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム

セッション 6C  センサネットワークミドルウェア(MBL)
日時: 2007年7月5日(木) 14:30 - 15:45
部屋: 砂子〜磯笛
座長: 石山 政浩 (東芝)

6C-1 (時間: 14:30 - 14:55)
題名Live E!:センサストリーム制御機構および地理位置に基づくオーバレイネットワークを利用したセンサ情報共有基盤の構築
著者*松浦 知史, 洞井 晋一 (奈良先端科学技術大学院大学), 落合 秀也 (東京大学), 石塚 宏紀 (東京電機大学), 江崎 浩 (東京大学), 砂原 秀樹 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1161 - 1167
Keywordセンサネットワーク, オーバレイネットワーク, センサストリーム
Abstractセンサ技術やネットワーク性能の向上により、現在では大量のセンサを設置し、インターネットを通してセンサ情報を共有する事が可能となりつつある。産官学共同のプロジェクトであるLive E!ではセンサ情報を公共の資産と考え、誰でも自由にセンサ情報を利用できる情報基盤の構築に取り組んでいる。現在では主に水害対策や教育現場において利用されており、今後環境問題やビジネスへの応用などが期待されている。 現在Live E!ではクライアント・サーバ型のアーキテクチャを採用し、サービスを提供している。しかし、今後センサの増加を考慮すると負荷分散を考慮したアーキテクチャを構築することは必須である。センサから常時生成されるセンサデータストリームを柔軟に制御できる事ができれば、アーキテクチャの変更を円滑に進める事が可能となる。そのために専用のセンサゲートウェイを作成した。 センサゲートウェイはセンサを管理している団体ごとに設置され、センサデータストリームを受け付ける。センサゲートウェイは各種プラグイン対してデータストリームを受け渡し、各プラグインがデータストリームを制御する仕組みを取っている。例えばローカルのデータベースにセンサデータを蓄積するプラグインや降雨時にメールを送信するプラグインなど様々なプラグインが考えられる。センサゲートウェイにはデフォルトでLive E!ネットワークに対してセンサストリームを送信するプラグインが組み込まれている。このプラグインは専用のサービス解決サーバに対して問い合わせを行った後にそこで提示された宛先へセンサストリームを送信する設計になっている。このような構成をとる事で、サービス解決サーバの中身をアップデートすることで、新規にプラグインを追加・更新する事無しに、センサから生成されるセンサストリームを自在に制御することが可能となっている。 また分散環境を実現するために位置に基づくオーバレイネットワークを構築し、そのオーバレイネットワークにセンサストリームを送信する。温度や湿度などのセンサ情報はその値だけでは価値を持たず、データの生成された位置や時間といった付加情報と共に利用される。位置による範囲検索を実現するために、4分木を用いて地表の2次元平面を表現し、Z-orderingを利用したID生成方法を採用したオーバレイネットワークを提案し、構築する。オーバレイネットワークを構成するノードは動的に割り当てられた特定範囲の地理位置に関する情報を、データの生成時刻をインデックスとしたバイナリツリー状にデータを蓄積する。そのためユーザは特定の場所や時間を指定してオーバレイネットワーク上から情報を取り出すことが可能となる。 オーバレイネットワーク構成するノードを含めLive E!ネットワーク全体ではセンサデータのやり取りなどをWEB-APIを定義し、これを利用することで行っている。これはアーキテクチャを構成するコンポーネント間で疎結合を実現するためである。今回取り組んだシステムアーキテクチャの変更時などに効果を発揮し、システム全体を停止することなく移行作業を行うことが可能である。 本論文では上記で述べたLive E!全体のアーキテクチャとその変更の推移をセンサゲートウェイの仕組みと共に示す。またオーバレイネットワークの構成やアルゴリズムの詳細を述べ、実環境での性能評価も含めて説明する。

6C-2 (時間: 14:55 - 15:20)
題名KAOSによる無線センサーネットワークのための計測処理中間モデルの導出
著者*鄭 顕志 (早稲田大学/国立情報学研究所), 深澤 良彰 (早稲田大学), 本位田 真一 (国立情報学研究所/東京大学)
Pagepp. 1168 - 1179
Keyword無線センサーネットワーク, モデル駆動開発, KAOS, ミドルウェア
Abstract無線センサーネットワーク(Wireless Sensor Network:WSN)は,現実世界の状態に関するデータの提供基盤として 期待を集めている. しかし,複数のWSNを横断的に利用する場合, 計測処理を,それぞれのWSNを管理しているミドルウェアの計測記述言語ごとに記述しなければならず, 利便性が低くなってしまう. 本研究では,WSNの計測記述を各ミドルウェアに被依存の中間モデルとして記述し, その中間モデルから各計測記述言語に変換する,モデル駆動アーキテクチャの概念を導入することで,横断的なWSN利用の負荷を低減する. 中間モデルは,一般的な計測処理内容を記述できなければならず,さらに,既存の計測記述言語に変換可能でなければならない. 本研究では,十分な記述能力を持つ中間モデルを導出するために,ソフトウェア開発におけるゴール指向要求分析手法KAOSを用いる. KAOSを用いることで,計測処理内容と中間モデルの関係性や,中間モデルと各計測記述言語との関係性を整理し, 中間モデルの妥当性を網羅的に検証することが可能となる.

6C-3 (時間: 15:20 - 15:45)
題名経済市場モデルに基づいた無線センサーネットワークにおけるマルチアプリケーション間での資源共有
著者*清家 良太, 清 雄一, 本位田 真一 (東京大学)
Pagepp. 1180 - 1181
KeywordWSN, Market-base
Abstract無線センサネットワーク(WSN)とは,さまざまな場所の状態を計測できるセンサ類を搭載したノードを数多く配置し,防災や安全,監視,観測といった各種サービスを提供することを目的とする無線アドホックネットワークである.近年MEMS(Micro-Electro-MechanicalSystem)技術の発達によりセンサノードの小型化,低価格化が進み,幅広い分野において実用化への期待がたかまっている. このように、実用化への期待が高まっているWSNであるが、現状では一つのネットワークに一つのアプリケーションを想定した技術がほとんどである.しかし,実用的かつ商用的な無線センサネットワークを考慮した際,複数の管理者がそれぞれの目的をもって一つのネットワークを共有することが必要となってくる.例えば,そういったWSNの利用例として建物への利用がある.建物内では,温度や湿度といった情報から建物内の状況を監視するアプリケーション,建物の構造健全性を監視するアプリケーション,侵入者を追跡するセキュリティアプリケーション,危険を察知し,人々を安全な場所へ誘導するアプリケーションといった様々なアプリケーションが一つのWSNを共有するであろう\cite{1182822}.今後,WSNはこのような多様な要求にこたえる,オープンな実環境情報提供基盤となっていくものと思われる. よって,今後より実用可能なWSNを実現するためには、複数のアプリケーションが一つのネットワークを共有することを想定した技術がより重要になってくる.中でも,WSNでは計算資源が厳しく制限されてしまうので,複数アプリケーション間での資源共有は解決しなければならない重大な問題の一つである. 本研究では,WSNにおける資源と,それを使用するアプリケーションとの間に経済市場モデルを導入することによって,複数アプリケーション間での効率的な資源共有を実現する手法を提案する.