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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム

セッション 8F  仮想環境(GN)
日時: 2007年7月6日(金) 10:50 - 12:30
部屋: 展望サロンA
座長: 由井薗 隆也 (北陸先端科学技術大学院大学)

8F-1 (時間: 10:50 - 11:15)
題名生体情報を用いた仮想環境における作業支援
著者*山本 翔太 (慶應義塾大学大学院/理工学研究科・開放環境科学専攻・岡田研究室), 宮田 章裕 (慶應義塾大学大学院/理工学研究科・岡田研究室), 林 雅樹 (慶應義塾大学大学院/理工学研究科・開放環境科学専攻・岡田研究室), 岡田 謙一 (慶應義塾大学/情報工学科)
Pagepp. 1670 - 1677
KeywordVR, 作業支援, 脳波, 呼吸, フィードバック
Abstract近年,大型のスクリーンを用いて強く没入する事が可能な仮想作業環境が増加してきている.この環境を個人作業へ応用させることで,作業空間に強く没入し,より集中した作業が可能になる.また,個人作業における作業効率は作業者の状態に大きく左右される.つまり,作業者の状態に合わせて作業を行うことで作業効率を向上させることが可能であると言える.ここで,作業者の状態を推定する手法として,本研究では生体情報に着目する.脳波情報や呼吸情報などの生体情報は,作業者が無意識に発し続けている情報であり,集中や負荷といった作業者の状態と関連が深い.生体情報を用いて作業者の状態を推定する手法や,作業環境に反映させる手法は提案されているが,仮想環境での個人作業の作業へと反映させているものは少ない.  そこで,本研究では生体情報を利用した仮想環境における作業支援を提案する.本手法では,脳波情報から頭の活発度をBA-Level という独自の指標で数値化する.このBA-Levelは,簡易脳波計を用いて前頭葉から得られた集中と関連の深い14〜27Hz周波数帯のデータを利用している.そして,この得られた脳波データの最高値と最低値を用いて,相対的に0〜100に数値化することで,脳波の強度に生じる個人差に対応している.また,呼吸情報から頭の活動状態と関連の深い指標を導出する.呼吸情報においては,サーミスタを用いて鼻息の温度変化を測定することで得られる呼気時間・吸気時間から,呼吸時間,呼吸回数を計算している.ここで,負荷のかかる状態ではリラックス時に比べて呼吸は乱れるという知見が得られているので,リラックス時との呼吸の割合を指標として用いる.これらの生体情報から得られた指標より,作業者の頭の活動状態を推定する.そして推定した作業者の状態を,仮想環境における作業の複雑さなど作業内容の難易度に反映させる.つまり,頭の活動状態が低調な時は難易度の低い作業,活発な時は難易度の高い作業をユーザに提供する.こうすることで作業者の頭の活動状態に合わせて作業の難易度を切り替え,作業効率の向上を目指す.本研究では,仮想作業環境としてヘルメット型のデバイスを採用している.このデバイスは,脳波計と呼吸センサで生体情報をセンシングし,HMD(Head Mounted Display)とノイズキャンセラ付きのヘッドホンで作業空間を提示することで,高い没入感の提供と,生体情報の容易な複合センシングを実現している.脳波情報を用いて作業者の状態を推定し,仮想作業環境に反映させている既存研究はあるが,複数の生体情報を複合的に扱って状態を推定し,作業内容へ直接反映させている点が既存研究との差異である. 提案概念を実現するために,脳波情報や呼吸情報から得られる指標の中から頭の活動状態と関連の深い指標を簡単な計算問題を長時間解き続ける予備実験より調査した.その結果,頭を働かせている程BA-Levelの値が大きい,リラックス時に比べて呼吸回数の割合が増える,ということが分かった.そして,予備実験によって決定したパラメータを用いて,作業者の状態に合わせた作業の難易度の切り替え手法について検討するために実験を行った.まず,作業の難易度と生体情報の関係を調査するために,3段階の難易度変化が可能なピッキングタスクを行った.この実験より,難易度の低すぎる,または高すぎる作業は集中力を持続させることが困難であることや,適切な難易度の作業を提供することで集中力は持続することが分かった.次に,ピッキングタスクの難易度を自動的に変化させた時に,生体情報がどのような影響を受けるのか調査した.その結果,難易度を緩やかに上昇させていくと,生体の状態も上昇しやすいことや,緩やかに難易度を下降させると生体の状態も下降すること,さらに急激に難易度を下降させると生体の状態は上昇しやすいことが分かった.そして得られた実験結果から,生体の状態を上昇させる手法や,作業の難易度に対して生体の状態がついてこなかった時にとる手法を考案した.このようにして作業者の状態を仮想環境の作業の難易度へ反映させるための知見を得て,仮想空間における作業の効率を向上させるための足がかりとした.

8F-2 (時間: 11:15 - 11:40)
題名仮想空間上のアバタを用いた遠隔相談対話支援に関する研究
著者*大西 達也 (東京電機大学大学院工学研究科情報メディア学専攻), 矢島 敬士 (東京電機大学工学部情報メディア学科)
Pagepp. 1678 - 1681
Keyword遠隔相談, 仮想空間, アバタ, 着席位置
Abstract現在,携帯電話やインターネットの普及により,遠隔地間でコミュニケーションを行う機会が増加している.遠隔コミュニケーションを行うツールにおいても従来の電話に加え,テレビ電話やパーソナルコンピュータなど,多様化している.近年,これらの遠隔コミュニケーションツールを用い,遠隔地間で相談業務が行われる機会が増加しており,そのサービス内容も商品の購入相談や,資金運用相談など,多様化してきている.  遠隔相談を行う上では,顧客が相談内容に対する回答をすぐに得ることができる同期型コミュニケーションを採用することが主流となっている.従来の電話や,それを発展させたテレビ電話などが挙げられる.  同期型コミュニケーションを遠隔地間で行う上での問題点として,話者の顔の表情や,話者同士の距離などの言葉以外の情報,すなわち非言語情報の不足が挙げられる.対人コミュニケーションにおいて,言語メッセージが占める割合は35%程度、残りの65%は非言語メッセージによる.実際に対面してコミュニケーションを行う場合は,相手の顔の表情や,相手の仕草などを見ながら会話を進めていく.これらの顔の表情などは会話を進めていく上で重要な情報となる.しかし,遠隔地間では非言語情報が伝わりにくいため,円滑なコミュニケーションが困難になる.遠隔相談を行う上でも,非言語情報が伝わりにくいことにより,顧客が相談にやりにくさを覚え,相談の非効率が生じる. 遠隔コミュニケーションにおいて非言語情報を補い,コミュニケーションの円滑化を図る手法として,コンピュータ上の仮想空間を用いたものがある.実世界の特定の場所や状況をコンピュータの画面上に表示させ,その中に話者の分身となるアバタと呼ばれるものを仮想空間上に存在させ,他ユーザとの対話を,複数のアバタが仮想空間上で会話しているという形式で実現する. ユーザがアバタに対して何かしらの操作をすることで,ユーザが自由に非言語情報を他ユーザに伝えることが可能になる.アバタに顔の表情などを表現させることで,ユーザの心情を伝えることが可能であり,また,アバタに仮想空間上を自由に動き回らせることにより,話者同士の距離や位置関係といった空間的な非言語情報を表現することも可能である. 仮想空間およびアバタは集団コミュニケーションを行うツールとしての研究がなされており,3者間のコミュニケーションに特化させ,頭部をはじめとする話者の一部の動作を再現したものや,人間の実世界の行動様式を対象とし,同じ仮想空間内で複数の集団を生成することが可能なものなどがある.それに伴い,デスクトップ会議システムの支援ツールとしての研究も行われている.これらは,遠隔地間での会議を円滑に行うことを目的としている,会議は通常,同じ立場の参加者が議論を交わす場であり,顧客と職員といった立場の異なる話者同士の会話である相談業務は会議とは異なるため,遠隔相談を円滑に行うことを考えると,相談業務に特化したシステムを構築する必要があると考える. 本研究では,仮想空間およびアバタを用い,円滑な遠隔相談業務を実現することを提案する.相談業務を行う上では,顧客の緊張感が重要な要素であると考え,それを仮想空間およびアバタによって意図的にコントロールした上で顧客と職員とが会話を行い,円滑な相談業務を行うことを提案する.実現方法として,話者同士の着席位置という空間に関する非言語情報を操作し,顧客の緊張感のコントロールをすることを提案する.これにより,相談全体の時間短縮,顧客の情報伝達効率の向上,顧客の相談に対する満足度の向上などの効果があると考える.  認知心理学の分野において,話者同士の着席位置による心理状態の変化に関する研究が行なわれている.対人不安の高い者は話者同志が対面して着席したときに緊張し,90度の位置に着席したときに緊張感が低くなることが証明されている.  本研究では,相談を〜蠱娘圈文楜辧砲砲茲訃況説明,∪賁膕函平Π)と相談者による質疑応答,A蠱娘圓砲茲覯魴荳提示,という3つのフェーズに分け,それぞれのフェーズにおいて顧客が持つべき緊張感は異なると考える.相談者が状況を説明するフェーズ( 砲蓮ざ枋ゴ兇少ないほうが的確に説明や回答ができ,専門家が不足情報を質問し,相談者が回答するフェーズ(◆砲任蓮い笋箒枋ゴ兇鮃發瓠げまった雰囲気にすることで,相談者は回答しやすくなると考える.このように,相談のフェーズによって,顧客の緊張感をコントロールすることで,円滑な相談業務を行うことができると考える.これを実現するため,仮想空間上アバタの着席位置を相談のフェーズごとに操作し,顧客の緊張感をコントロールすることを提案する.これにより,円滑な相談を行うことを狙いとする.

8F-3 (時間: 11:40 - 12:05)
題名分散型部分空間の結合による共有仮想空間の構成法
著者*酒徳 哲, 黒田 貴之 (東北大学大学院情報科学研究科), 北形 元, 菅沼 拓夫, 白鳥 則郎 (東北大学電気通信研究所)
Pagepp. 1682 - 1689
Keyword仮想空間, 協調作業
Abstractコンピュータネットワークを利用した協調作業支援として,ソフトウェア開発におけるバージョン管理システムであるCVSやSubversionやグループウェアなど,ファイルベースのシステムが用いられるようになってきている.一方,3次元仮想空間ベースの協調作業支援システムも提案されており,として共同モデリングや製品組み立てシミュレーションなどに利用され,その有効性が示されている.しかしながら,従来の3次元仮想空間ベースの協調作業支援システムでは,複数の利用者によって共有仮想空間を動的に再構成することが困難であるため,各利用者の要求に柔軟に対応することが求められる協調作業支援システムでの利用には限界がある.そこで,本論文では,分散配置した複数の部分的な3次元仮想空間をシームレスに結合して共有仮想空間を構成することによって,複数の利用者による共有仮想空間の動的な再構成を容易に行うことが可能な,新しい共有仮想空間の構成法を提案する. 既存の3次元仮想空間ベースの協調作業支援システムに関する研究として,VR型共同利用設計システムがある.このシステムにおいては共有仮想空間を単一のサーバによって集中管理するため,利用者による共有仮想空間の構成の自由度には限界がある. また,複数の共有仮想空間を利用可能とする既存研究として,PalmPlazaがある.PalmPlazaでは利用者が作成した3次元仮想空間を容易に共有仮想空間として共有できる.また,各共有仮想空間をそれぞれ別のサーバに分散して配置することが可能である.しかしながら,各共有仮想空間はそれぞれ独立したものであり,複数の共有仮想空間の統合的な構成には限界があるといえる. そこで本論文では,上述の限界を解消するため,分散型部分空間の結合による共有仮想空間の構成法を提案する.提案する構成法では,各利用者が自由に3次元仮想空間を構成・再構成できるようにするため,各利用者が定義した部分的な3次元仮想空間(以降,部分空間と呼ぶ)を複数のサーバに分散的に配置し,それらを動的に結合することによって1つの共有仮想空間を構成する. ここで,部分空間を分散的に配置し,部分空間を各サーバ上で独立かつ動的に更新可能とするためには,部分空間を静的に結合して共有仮想空間を構成する方法は適さない.そのため,提案する構成法では,サーバ上での共有仮想空間の構成は行わず,部分空間の接続関係情報のみを保持し,実際の部分空間の結合,すなわち共有仮想空間の構成をクライアント端末上にて行う. また,クライアント端末上での部分空間の結合を実現するために,本研究では空間構造キャッシュと呼ぶ一時的な空間構造操作機構を新たに導入する.空間構造キャッシュは,サーバに配置された各部分空間と,それら部分空間の接続関係情報をクライアント端末上に保持・操作するための機構であり,クライアントが保持する部分空間とサーバ上の部分空間を同期させる機能を備えている.この同期は,サーバ上において部分空間が更新されたときにサーバが各クライアントに配信する更新情報を用いて行う. また,共有仮想空間を構成する部分空間が多量になると,すべての部分空間を保持することはメモリの制約上困難になる.このため,各部分空間について,クライアント端末上での処理に必要かどうかを動的に判断し,必要がなくなった部分空間はクライアント端末上から開放する. 以上のような機能を持つ空間構造キャッシュを介して部分空間を結合し,共有仮想空間を構成することで,複数の利用者が各部分空間の構成と動的な再構成を容易に行うことが可能となる. 提案する構成法の有効性を確認するため,プロトタイプシステムを実装し,動作実験を行った.実験内容として,部分空間を複数のサーバに分散配置し,複数のクライアントがウォークスルーする際の動作を検証した.その結果,各クライアントにおいて,空間構造キャッシュにより必要十分な空間情報がクライアント端末上に保持され,それらが動的に結合され正しく表示されることを確認した.また,このとき,部分空間内で3次元オブジェクトの配置が変更されると,各クライアントに変更が通知され,表示が更新されることを確認した.以上のことから,提案手法による共有仮想空間の構成と動的な再構成が実現できることを確認した. 結論として,本論文において提案する共有仮想空間の構成法を利用することにより,協調作業に利用する共有仮想空間を利用者が作業内容に合わせて自由に再構成を行うことが可能となる.このことから,本論文において提案する共有仮想空間の構成法は,より効率的な協調作業支援システムの実現に有効であるといえる.

8F-4 (時間: 12:05 - 12:30)
題名実空間と仮想空間におけるインタラクションを一般的なネットワーク環境で実現するためのフレームワークの提案
著者*山本 眞也, 村田 佳洋 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科), 柴田 直樹 (滋賀大学 経済学部 情報管理学科), 安本 慶一, 伊藤 実 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科)
Pagepp. 1690 - 1699
Keyword仮想環境, P2P, QoS制御
Abstract近年,様々な物体(以下,オブジェクトと呼ぶ)を,ユーザの目の前に,あたかも存在するように表示するMR (Mixed Reality)技術やAR (Augmented Reality)技術が注目されている.また,遠距離にいるユーザ同士がネットワークを介してインタラクションや協調作業を行うNVE (Networked Virtual Environment)やCSCW (Computer Supported Cooperative Work) に関する研究も盛んに行われている.これらの技術を用いることで,様々な社会活動(例えば,コンサート,ショッピング,展示会,スポーツ,ゲーム,旅行,講習会,会議,共同作業など)に,遠隔ユーザ(以下,仮想ユーザと呼ぶ)がネットワークを介して仮想的に参加することも可能になる.これらの実ユーザ・仮想ユーザ混合対話型アプリケーションにおいて,実ユーザおよび仮想ユーザが,円滑かつリアルにインタラクションできるようにするには,(1)実ユーザと仮想ユーザが同じ空間を共有できること,(2)ユーザが共有空間内を自由に移動でき,位置や向いている方向に応じて,実・仮想ユーザの区別なく同じように空間が見えること,(3)空間内へのオブジェクトの導入,および,各オブジェクトに対しアクション(移動や加工)を起こすことができ,かつ,そのリアクションが他のユーザに見えることが望ましい.また,普及性のためには,(4)特殊な装置や高性能・高価なサーバやネットワークを使うことなく上記(1)-(3)を実現できること,(5)多数のオブジェクト(ユーザを含む)が同じ空間に同時に存在できること,も望まれる. これまで,MMOGのための通信アーキテクチャや遠隔協調作業のための様々なNVEが提案されている.これらには,多数のユーザによる仮想空間の共有をP2P技術を用いてスケーラブルに実現しているものも存在し,上記(1)-(5)を部分的に満たしている.しかし,仮想的な空間・オブジェクトの共有のみを対象としており,実ユーザや実オブジェクトをリアルに共有することはできない.一方,既存のMR技術やAR技術を用いることで,実ユーザと仮想ユーザが,実オブジェクト・仮想オブジェクトを含む空間を同じように観測可能にできるため,上記(1)-(3)を満たすことは可能である.しかし,AR,MR 技術を実現するには,現状では特殊な装置や特別なサーバ,ネットワークを必要とするため,上記の(4),(5)を満たすことは難しい. 本研究では,多数の実ユーザ・仮想ユーザ混合対話型アプリケーションを普及したコンピューティング環境で実現するための新しいフレームワークFAIRVIEW (FrAmework for InteRaction between VItual and rEal Worlds)を提案する.FAIRVIEWでは,上記(1)-(3)を満たすため,アプリケーションの舞台となる実空間と,実空間に対応する仮想空間を用意し,両方の空間を重ね合わせる.重ね合わせた空間では,実ユーザは仮想オブジェクトとその動作を,仮想ユーザは実空間の実オブジェクトおよびその動作を,それぞれ観測できる仕組みを実現する.上記(4)を満たすため,仮想ユーザはインターネット接続可能なPCのみを使用し,実ユーザは,無線通信機能を持つウェアラブルコンピュータもしくは携帯端末を所持し,無線AP経由でインターネット上の仮想ユーザのPC と通信できる環境を想定する.実オブジェクトの空間における位置,向きなどの情報(以下,AR情報と呼ぶ)は,既存のAR技術を用いて短い周期で計測し,ユーザ端末間でリアルタイムに交換することで,ユーザ毎の視界をそのユーザの端末のディスプレイに3Dグラフィックスを用いて再現する.上記(5)を満たすため,AR情報を実時間でユーザに配送するための機構(AR情報配送機構と呼ぶ)を考案した.AR情報配送機構には,ユーザノード間で利用可能な帯域の範囲内で,オブジェクトとそれを観測するユーザのペア毎にAR情報の送信間隔を制御するため,ユーザの視野およびオブジェクトとの距離に応じて,どのオブジェクトがユーザにとってより重要であるかを自動判定することでオブジェクト間の重み付けを行い,より重要なオブジェクトの動作をより滑らかに表示できるよう,AR情報の送信間隔を決定するようなQoS適応機構を組み込んでいる. 提案するAR情報配送機構の効果を評価するため,FAIRVIEW が利用される典型的な環境を想定し,空間内のオブジェクト数に応じた必要トラフィック量を見積もるとともに,実際の普及ネットワーク環境の下でどの程度のオブジェクト動作の表示精度が実現されるか解析を行った.その結果,トラフィックを閾値以下に抑えつつ,均等な重み付けによるQoS制御を行った場合,実ユーザが見るオブジェクトの更新頻度は,それぞれ6fps,仮想ユーザが見るオブジェクトの更新頻度は,それぞれ9fpsであるのに対し,提案する5段階の重み付けによるQoS制御を行った場合,実ユーザが見るオブジェクトは,重要な順に10fps,2fps,1fps,1fps,1fpsとなり,仮想ユーザが見るオブジェクトは,重要な順に47fps,14fps,4fps,1fps,1fpsとなった.これにより,提案手法を用いることで,より効果的な視界をユーザに提供できると言える.