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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 4E  分散処理(2) (DPS)
日時: 2009年7月9日(木) 8:30 - 10:10
部屋: カトレア
座長: 小口 正人 (お茶の水女子大学)

4E-1 (時間: 8:30 - 8:55)
題名ユビキタスコンピューティング環境のための分散型公開鍵認証基盤の設計
著者*武田 敦志 (東北文化学園大学科学技術学部知能情報システム学科/東北大学大学院情報科学研究科), 中山 誠也 (東北大学大学院情報科学研究科), デバシシュ チャクラボルティ (東北大学電気通信研究所), 北形 元 (東北大学電気通信研究所/東北大学大学院情報科学研究科), 橋本 和夫 (東北大学大学院情報科学研究科), 白鳥 則郎 (東北大学電気通信研究所/東北大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 774 - 779
Keyword公開鍵認証, ユビキタスコンピューティング, 分散ハッシュテーブル, P2P
Abstractユビキタスコンピューティング環境では,コンピュータネットワークを介してプライベートな情報の送受信を行うため,公開鍵暗号を用いて安全な通信を行うための仕組みが必要不可欠となる. しかし,従来の公開鍵認証基盤は利便性とスケーラビリティの点に問題があるため,従来手法をユビキタスコンピューティング環境のための公開鍵認証基盤として利用することは難しい. そこで,本稿では,利便性の高いスケーラブルな分散型公開鍵認証基盤を提案する. 提案方式の特徴は,分散ハッシュテーブルを用いてノード識別子の一意性を管理することにより,公開鍵証明書の確実な管理・配布を実現することにある. これにより,利便性の高いスケーラブルな公開鍵認証基盤を実現する. 本稿では,提案方式の設計と提案方式で使用するプロトコルを述べる. また,シミュレーション結果より提案方式のスケーラビリティが優れていることを示す.

4E-2 (時間: 8:55 - 9:20)
題名異種ネットワークプロトコルを利用した相互補完位置推定の提案と実装
著者*竹中 友哉 (静岡大学創造科学技術大学院), 峰野 博史 (静岡大学情報学部), 水野 忠則 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 780 - 787
Keyword位置推定, ローカライゼーション, センサネットワーク, 位置情報システム, 自律分散処理
Abstract近年注目を浴びているセンサネットワークでは,得られたセンサイベントがどこで発生したかを知るノード自身の位置情報の設定が重要となる.さらに,IEEE 802.15.4,IEEE 802.11 などの無線通信プロトコルの出現や,センサノードのマルチベンダ化など,今後ますます異種ネットワークプロトコルが混在した環境が想定される.この様な環境下では,単一のネットワークで自律的に相対的な位置座標を設定した際に,別のネットワークで生成された位置座標に互換性がないことが問題となる.本稿では異種ネットワークプロトコル混在環境下で,同じ座標点を共有するノードを利用することで互いの位置座標を利用可能にする相互補完位置推定を提案する.

4E-3 (時間: 9:20 - 9:45)
題名タイセットに基づいたネットワークの分散制御手法
著者*中山 清 (創価大学大学院工学研究科), 篠宮 紀彦 (創価大学)
Pagepp. 788 - 796
Keywordタイセット, グラフ理論, 分散アルゴリズム, ネットワーク管理, 経路制御
Abstract本研究では,ネットワークにおける局所的な制御を実現させるために,ループに着目した分散アルゴリズムの開発を進めている.ネットワークトポロジの木構造によって一元的に定まるループの集合を基本タイセット系という.ネットワーク上の各ノードが所属する基本タイセットを自律的に把握することによって,障害復旧やトラフィック制御等を局所的かつ効率的に実現できると考えられる.一般的にネットワークはリンク断等の障害に対処するために,代替リンクを用意し冗長構成を施している.冗長構成されたネットワークは必ずループ構造を保持する.ネットワークにおけるループは,それを構成するリンクの集合によって表されるが,そのリンクの集合はタイセットと呼ばれる.一般のネットワークにおいて,通信経路はツリー状に出力される.ネットワークを構成するリンク集合の中で,ツリーに含まれないリンクを補木と呼ぶ.基本タイセットとは,タイセットに補木を一つだけ含んでいるタイセットのことである.基本タイセットは補木の数だけ存在し,ネットワーク存在する全ての基本タイセットの組を基本タイセット系という.そこで本論文では,各ノードがネットワークの基本タイセット系を把握するための基本的なメッセージパッシング方式を紹介し,タイセットに基づいた分散制御の応用として障害復旧方式を提案する.

4E-4 (時間: 9:45 - 10:10)
題名ネットワーク実験の支援技術
著者*宮地 利幸, 三輪 信介 (情報通信研究機構), 篠田 陽一 (北陸先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 797 - 807
Keywordネットワーク実験, 実験支援技術
Abstract今やインターネットをはじめとしたネットワーク技術は我々の生活に浸透し, その重要性は高まり続けている. インターネットの成長は,新たな技術の導入によりもたらされており, そしてインターネットの成長が新たな技術の開発を促している. このような環境の中では, インターネットのような実運用ネットワークに導入する技術の検証が重要視 されるようになって来ており, 現在も数多くの検証のための技術が提案・利用されている. このような検証手法はそれぞれその目的などにより, 対象となる実験が異なる. 本論文では, まずネットワーク実験の性質についてまとめ, 既存のアプローチで支援が可能な工程および, 今後の研究開発の課題になる項目についてまとめる.