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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 6F  履歴活用 (MBL)
日時: 2009年7月9日(木) 13:50 - 16:00
部屋: サクラC
座長: 荒川 豊 (九州大学)

6F-1 (時間: 13:50 - 14:15)
題名スケジュールを基点とした行動支援型レコメンドシステムの検証
著者*黒宮 寧, 内田 渉, 町田 基宏, 大野 友義 (NTTドコモ サービス&ソリューション開発部)
Pagepp. 1336 - 1343
Keyword行動モデリング, 行動支援, レコメンド, モバイル
Abstract近年,様々な情報が氾濫し,自分が必要となる情報を探し出すことが年々困難になっている.その解決手段として検索機能が提供されている.しかし,多様な個人のニーズを満足する検索には未だ多くの課題がある.なかでも,ユーザの行動を予測し,その行動をサポートするための情報の提示を目指した,様々な技術,サービスが検討されている.しかし,ユーザの未来の行動を予測することは難しい.本研究では,スケジューラにはユーザの未来が含まれていることに着目し,スケジューラ上にユーザが明示的に入力した“未来の予定”を元に,ユーザの次の行動・その時期を推定し,それに関連するレコメンド情報を提示するレコメンドシステムを構築し,その評価を実施した.

6F-2 (時間: 14:15 - 14:40)
題名空間位置情報を用いたユビキタスデバイスのウェアラブルモニタリングシステム
著者*植田 貴至, 藤田 直生, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1344 - 1349
Keywordウェアラブルコンピュータ, 情報提示, コンテクストアウェアネス
Abstract近年,大量の小型ノードを用いた無線センサネットワーク技術に注目が集まっており,環境モニタリングや物流管理などさまざまなシステムへの応用が期待されている. これらのシステムでは実環境とシステム環境をいかに連携させるかが重要になるが,リアルタイム性は強く求められておらず,トポロジーからノード間を連携させて管理されることが多い.そのため,実環境において無線センサのモニタリングを行う場合,リアルタイムでノード個々のセンサ情報と位置情報の連携がとれなければならない. そこで本論文では,ウェアラブルコンピュータを用い,リアルタイムでの無線センサネットワークのモニタリングを行うシステムを提案する. 提案システムでは,ユーザにセンサ情報表示装置としてウェアラブルコンピュー タと赤外線発光器を取り付け,センサノードには赤外線受光器を取り付ける. ユーザが,モニタリングしたい領域を向くことで赤外線がセンサノードに照射 され,センサノードは赤外線情報とセンサ情報を送信する. これにより,ユーザの行動とセンサノードの位置を連携づけることができ, 必要とする情報を選択して表示することができる. また,センサノードの位置情報は,ユーザの行動と位置情報と組み合わせるこ とにより取得することができることから,センサネットワークにおける センサノードの位置情報の構築も可能となる.

6F-3 (時間: 14:40 - 15:05)
題名音響情報と位置情報を用いたライフログデータのクラスタリング
著者*山野 貴一郎 (法政大学大学院情報科学研究科), 伊藤 克亘 (法政大学情報科学部)
Pagepp. 1350 - 1354
Keywordライフログ, 位置情報システム, 音響信号処理, ユビキタス情報処理, マルチメディアシステム
Abstract個人の生活や体験をカメラ,マイク,GPSなどのセンサを用いて収録し利用するための研究が行われている. 収録された個人体験記録はライフログと呼ばれる. ライフログは常時記録をしているためデータ量が膨大かつ冗長であり, 効率的に利用をするためには, データの検索や要約が必要となる. 本論文ではウェアラブルなマイクによって収録された,音響ライフログのクラスタリングや提示手法について述べる. 本研究では音響ライフログを場所,話者,時間で分類することを目的としている. 音響ライフログが収録された場所はGPSにより取得ができるが,建物内の部屋までは取得ができない. そこで,本論文では音響ライフログをセグメントに分割し,スペクトル包絡を用いて部屋のクラスタリングをする実験を行った. 実験はGPSにより場所を取得したと仮定した場合と,GPSを用いない場合の2つである. 結果,本論文の実験の範囲ではGPSの利用によりクラスタリングの精度が向上することがわかった. また,音響ライフログを効率的に扱うにために,GPSを用いた地図上でのブラウジングを提案した.

6F-4 (時間: 15:05 - 15:30)
題名代替行動誘導のため定常行動モデルとエージェント間通信方式
著者*佐藤 伸正 (創価大学大学院工学研究科情報システム工学専攻), 高見 一正 (創価大学工学部)
Pagepp. 1355 - 1361
Keyword行動モデル, 代替ルート, エージェント通信, 突発的事象, 電車遅延・事故
Abstractユビキタス社会の成熟に伴い、携帯端末には個人の行動を支援するエージェントが搭載され、乗換案内等のサービスとして提供されている。しかし、日々、人間社会が複雑、高度化している中で、個人ごとの状況(各自の行動計画、嗜好、位置、等)を理解し支援するエージェントはまだ研究途上にある。本稿では利用者の行動履歴から定常的な行動モデルを定義し、通常の行動モデルと違う状況に遭遇した場合に代替行動を提案、誘導できるエージェントの構成法について提案する。さらに、エージェント間通信方式としてTupleSpaceを適用し、Tuple形式で例外情報が取得できることを試作により確認した。

6F-5 (時間: 15:30 - 15:55)
題名ライフログ無線ネットワークにおけるデータ取得実験
著者*末永 俊一郎, 根本 恒 (日本ユニシス株式会社), 井上 創造 (九州工業大学), 千田 廉 (バイセン株式会社), 中島 直樹 (九州大学)
Pagepp. 1362 - 1369
Keywordライフログ, 予防医療, センサ, Bluetooth, Zigbee
Abstract人間の行いをデジタルデータとして記録し,そのデータを分析することによって人 間に有益な情報やサービスを提供するライフログの実現が期待されている.例えば, 人間の行動パターンを分析することによる,予防医療,マーケティング活動,人間の 体験の知識化などが期待されている.ライフログを実現する際のプロセスは大きく4 つに分類され,“情報の取得”,“情報の保存”,“情報の分析”,“情報やサービスの提 供” がある.本研究では,ライフログの事例として予防医療を取り上げ,“情報の取得” プロセスにおける無線ネットワークの適用可能性を検証した.本検証では,9 箇所の 実験現場において合計97 名の被験者から生体データを取得し,Bluetooth とZigbee で構成される無線ネットワークによって94%以上の精度でデータを取得することがで きた.ライフログの実現にあたり,無線ネットワークは十分に適用可能であることが 本実験より示唆された.