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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 8D  コンテクストアウェアネス (UBI)
日時: 2009年7月10日(金) 10:20 - 12:00
部屋: サクラB
座長: 大内 一成 (東芝 研究開発センター)

8D-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名可変サンプリングとデータ補完を用いた低消費電力な行動認識システムの設計と実装
著者*中島 悠貴 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻), 村尾 和哉 (大阪大学大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻), 西尾 章治郎 (大阪大学大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻)
Pagepp. 1693 - 1700
Keywordウェアラブルコンピューティング, ウェアラブルセンサ, コンテキストウェアネス, 低消費電力, サンプリング制御
Abstract近年,計算機の小型化・軽量化によりコンピュータを装着するウェアラブルコンピューティングに注目が集まっている.ウェアラブルコンピューティング環境では,複数の装着型センサを用いてユーザの状況を認識し,さまざまなサービスが提供される.ユーザの細かい動作や状態を認識するためには複数のセンサを用いることが一般的であるが,従来のアーキテクチャは消費電力と認識精度の観点から見ると最適であるとはいえない. そこで,本研究では,装着型加速度センサのサンプリング周波数を制御することで行動認識システムの消費電力を低減する手法を提案する.提案システムではサンプリング周波数の低下によって生じる欠損データを補完し,サンプリング周波数を一定に保つ機構をもつため,認識精度を維持しつつ消費電力を削減する.

8D-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名歩行・停止情報を用いたユーザの移動経路推定手法
著者*寺田 努 (神戸大学), 宮下 浩一 (三菱総合研究所)
Pagepp. 1701 - 1709
Keyword位置推定, ナビゲーション, 万歩計
Abstract近年,ユーザの日常生活や体験をデジタル化し記録するライフログに関する研究が盛んに行われている.このライフログにおいて重要なコンテキストである位置情報の取得方法は多数存在しているが,消費電力が大きくウェアラブルコンピューティング環境の有限なバッテリでは長期間に渡る運用が難しい,測位精度が低い,使用できる環境が限られる,などいずれの手法も問題を有している.そこで本稿では,消費電力の小さな歩行認識デバイスを用いて,ユーザの2状態(歩行中・停止中)のみを認識し,その情報と地図情報を元にユーザの位置を推定する手法を提案する.提案手法では,ユーザが停止する地点は交差点であると仮定し,歩行時間から推定した歩行距離と,交差点間の距離が等しい経路を求める.評価実験により,本手法と既存の位置取得方法を組み合わせることである程度の精度で経路推定が行えることが明らかとなった.

8D-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名行動適応型省エネシステムBeHomeSにおける省エネシナリオと行動分析
著者*久保田 和人, 今原 修一郎, 熊澤 俊光, 田中 俊明 ((株)東芝 研究開発センター), 安村 明子, 金松 基孝, 橋本 圭介 ((株)東芝 ソフトウェア技術センター)
Pagepp. 1710 - 1716
KeywordHEMS, 情報家電, 省エネルギー, センサーネットワーク
Abstract我々は家庭内の居住者の生活行動を理解して機器の省エネを行う省エネシステムBeHomeSを開発している。BeHomeSの開発にあたっては、省エネのために理解すべき行動を明確にし、さらに、これらの行動をシステムが理解する技術を開発しなければならない。本稿では、これら二つのトピックについて報告している。行動の明確化では理解すべき行動を一覧表の形にまとめ、行動理解技術の開発ではセンサ情報から生活者の行動を推定するアルゴリズムを開発し精度評価を行っている。推定した行動は、部屋の在室の有無や食事、台所作業、入浴などであり、一連の行動に対して約80%の適合率と再現率が得られている。また、システムが動作した際の省エネ効果をシミュレーションしたところ、約12%の省エネ効果が確認されている。