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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 3B  アドホックネットワーク(1)
日時: 2010年7月7日(水) 17:20 - 19:00
部屋: 朝陽の間1
座長: 神崎 映光 (大阪大学)

3B-1 (時間: 17:20 - 17:45)
題名固定ノード環境におけるMANETルーティングプロトコルの評価
著者*遠藤 零始 (公立はこだて未来大学大学院), 白石 陽, 高橋 修 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 620 - 628
KeywordMANET, 無線LANメッシュネットワーク, ノード配置
Abstract無線LANメッシュネットワークやセンサネットワークなど固定されたノード間でMANETのルーティングプロトコルを用いることがある.従来の研究からノードが高速移動時する場合にパケット到達率の低下や遅延時間の増加が発生し通信性能が低下するということは分かっているが,ノードが移動せずに固定されている環境における評価はほとんど行われていない.また,無線LANメッシュネットワークの規則的に配置することを前提に研究をしており,配置を条件とした研究は行われていない.筆者らは無線LANメッシュネットワークにおいてアクセスポイントが不規則に配置された環境を想定して研究を行い,規則的に配置された環境と比べ通信性能が低下することを認識していた.本稿では,ノードの配置条件を変えた環境のシミュレーション評価を行うことで,ノードが固定された環境でMANETルーティングプロトコルを適用した際の発生する問題を明確にし,パケット到達率と遅延時間を基準として性能評価を行う.

3B-2 (時間: 17:45 - 18:10)
題名無線メッシュ網における動的メトリック下でのループ削減手法LMRの提案
著者*吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 629 - 636
Keyword無線メッシュ網, アドホックネットワーク, 経路制御, 経路ループ, リンク状態型ルーティングプロトコル
Abstract近年、固定ノード間で無線通信を用いてマルチホップ通信を実現する無線メッシュ ネットワークの研究が盛んである。無線メッシュネットワーク上でOLSRのような リンク状態型ルーティングプロトコルが動作する場合に、動的にリンクメトリックを変更することで、ネットワーク上のトラフィックを適応的に通信帯域の余裕があるリ ンクに誘導し、ネットワークのスループットを向上する動的メトリック計算法が多数 提案されている。しかし、動的メトリック環境では、一時的な経路表の不整合により パケットのループが発生する問題があり、これを解決することが安定した無線マルチ ホップインフラを実現するための重要な課題の一つになっている。本研究では、動的 メトリック環境において各リンクのメトリックの変動量を一定以内に抑えることで、 ループの発生を削減する手法を提案する。

3B-3 (時間: 18:10 - 18:35)
題名アドホックネットワークにおけるゾーン重複のない複数経路構築手法の提案
著者*油田 健太郎, 江藤 大 (大分工業高等専門学校), 岡崎 直宣 (宮崎大学), 朴 美娘 (神奈川工科大学)
Pagepp. 637 - 644
Keywordアドホックネットワーク, 複数経路構築, ロバスト性
Abstract近年,モバイル端末のみで構成されるアドホックネットワークが注目されており, 様々なルーティングプロトコルが提案されている.我々は,これまでネットワークを 重なりのない正方形のゾーンに区切り,ゾーンレベルで重複のない複数経路を1回 のフラッディングのみで構築することができるZDMR(Zone Disjoint Multi-path Routing)を提案している.しかしながら,ZDMR については従来方式と比較した特 性に基づく評価は行っているが,定量的な評価ができていない.本論文では,シミュ レーションによりパケット到着率やパケット量などに関する定量的な評価を行う. その結果,提案方式は従来方式と比較して,ネットワークの接続性が高いことを示す.

3B-4 (時間: 18:35 - 19:00)
題名通信状態を考慮したアドホックルーティングプロトコルの検討
著者*森崎 明, 渡辺 晃 (名城大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 645 - 651
Keywordアドホック, MANET, OLSR, 通信状態, トラヒック
Abstract無線LANを標準搭載した携帯端末の普及に伴い,無線端末のみでネットワークを構築するモバイルアドホックネットワーク(MANET:Mobile Ad-hoc Network)の研究が期待されている.MANETで提案されている多くのアドホックルーティングプロトコルは,経路生成の際にTCPやUDPのトラヒック状況が考慮されていない.そのため,最短経路が複数存在する場合にはどの経路を選ぶかは実装に依存したものとなっている.本論文ではOLSR(Optimized Link State Routing)を拡張することにより,TCP,UDPそれぞれの特性を活かした経路選択が可能なアドホックルーティングプロトコルを提案する.