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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 5D  アプリケーション
日時: 2010年7月8日(木) 10:20 - 12:25
部屋: 如月
座長: 大内 一成 (東芝)

5D-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名マネーフローコンテキストを利用した携帯家計簿システム
著者*韮澤 賢三, 志築 文太郎, 田中 二郎 (筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻)
Pagepp. 1166 - 1174
Keywordコンテキストアウェアネス, 家計簿, プッシュ型提示, 位置情報, マネーフローコンテキスト
Abstract携帯電話やスマートフォンの普及に伴い, それらの携帯型情報端末上において動作する家計簿アプリケーション(以下携帯家計簿アプリ)が開発, 利用されている. 携帯家計簿アプリは, 外出先においても出金の情報を記入, 確認できるという利点と, プル型の情報提示を行うという特徴を持つ. しかし, どのような商品にどの程度金銭を使用(以下出金)しているか, という情報は購買を行う前に知っておきたい場合が多く, プル型の提示のみでは購買直前のタイミングでユーザに出金の傾向を知らせることはできない. また, 既存の携帯家計簿アプリにおいて主に取得, 利用する情報は費目, 金額, 日付である. 出金の傾向の分析方法は費目毎や月毎にまとめたグラフ表示を行うというものばかりで, 費目, 金額, 日付以外の情報が用いられていない. これら以外の情報を用いることによって, 分析の幅を広められると考えられる. そこで本研究では, 費目, 金額, 日付に加えて, 位置, 時刻, 残金, 天気, 気温, 購買の頻度という, 入金, 出金が行われた際の状況をマネーフローコンテキストと定義し, これを用いて出金の傾向のプッシュ型提示を行う機能と, 出金履歴を地図上で可視化する機能を提案, 実装した. また, これらの機能が, 出金の傾向をユーザが把握するためにどの程度有効であるのかを検証するため, 予備実験を行った.

5D-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名リアルタイム性の高い情報を対象とした地域情報共有システム
著者槙島 量, *田島 孝治 (東京農工大学大学院 工学府), 大島 浩太, 寺田 松昭 (東京農工大学大学院 工学研究院)
Pagepp. 1175 - 1182
KeywordリアルタイムWeb, モバイルアプリケーション, 地域情報共有
Abstract本論文では,リアルタイム性の高い情報を,価値を失う前に,その恩恵を受けられるユーザに伝える地域情報共有システムを提案する.提案システムは,(A)地域情報に対するユーザの閲覧動作,(B)情報の投稿時刻,(C)情報の投稿場所とユーザの現在地,(D)ユーザの設定に基づく受信レベルを考慮した情報整理を行う.地域情報に対するユーザの反応を4段階に分別して取得し,これに基づいて価値判断と,地域間の関係性の抽出を行う点に特徴がある. 提案システムをiPhoneOS上に実装し,動作を確認した.

5D-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名人が消える地下街パノラマビューアの開発
著者*新井 イスマイル (立命館大学総合理工学研究機構), 堀 磨伊也, 河合 紀彦 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科), 安部 陽平, 市川 昌宏, 里中 祐輔, 新田 竜規, 新田 知之, 藤井 陽光, 向井 政貴, 堀見 宗一郎 (立命館大学情報理工学部), 牧田 孝嗣, 神原 誠之 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科), 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部), 横矢 直和 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
Pagepp. 1183 - 1189
Keywordパノラマ写真, 位置情報, Wi-Fi測位
Abstractナビゲーションアプリケーションをより便利にするには地図だけではなく、背景写 真が閲覧可能になることが望まれている。従来の屋外のパノラマビュー撮影の位置情 報取得は GPS が利用できたため比較的容易に実現できたが、屋内では GPS が利用 できない問題がある。また、屋内公共空間は人が絶えずいるため、混雑エリアでは例 えプライバシーを考慮してぼかしたとしても、ぼかしの割合が多く風景写真としての 価値を損ねる。そこで我々は背景差分法を活用して人を消し、その撮影時間に人手で 正確な位置を入力する撮影手法を提案し、日本でも有数の混雑地域である梅田地下街 において、人のいないパノラマ写真を生成することに成功した。

5D-4 (時間: 11:35 - 12:00)
題名ヒューマンプローブ技術を利用した動的ストリート画像フロー生成手法の提案
著者*石塚 宏紀 (東京大学/JST CREST), 木實 新一, 戸辺 義人 (東京電機大学/JST CREST), 瀬崎 薫 (東京大学/JST CREST)
Pagepp. 1190 - 1202
Keywordユビキタスコンピューティング, 空間情報処理
Abstract現在,Google Street ViewやLocation Viewのような,全方位写真画像を用いて仮想的に街を散策できるサービスが認知されてきている.しかしながら,これらの既存サービスは,ある定められた時間に撮影された画像群を用いるため,季節,時間帯,個人の嗜好等の条件を考慮した多様な風景を再現できない.本論文では,こうした条件に応じて適切な風景を再構成できるサービスを実現するために,街にいる人々自身をセンサとして捉えるヒューマンプローブ技術を適応し,街を歩く人々が,さまざまなセンサデータと合せて撮影した写真をデータベースに蓄積し,道路に沿って必要な画像列を高速に検索できる動的ストリート画像フロー生成機構を提案する.本提案システムは,センサ情報付き写真を新たに提案するKDRN-Treeという多次元索引によって管理する.

5D-5 (時間: 12:00 - 12:25)
題名高齢者ドライバを遠隔地から見守るシステムの検討
著者*山岸 弘幸 (名城大学大学院理工学研究科), 鈴木 秀和, 渡邊 晃 (名城大学理工学部)
Pagepp. 1203 - 1209
Keyword高齢者ドライバ, センサデータ管理, テレマティクス
Abstract人,車両,道路を情報通信技術によって一体化したITS(Intelligent Transport Systems)が注目を集めている.特に,テレマティクスサービスは,国内・海外に関わらず各自動車会社が独自のサービスを展開している.しかし,これらのサービスはいずれもドライバ自身を支援するサービスであり,高齢化社会が深刻化している日本では,ドライバを見守る周囲の人々に対するサービスが重要になると考えられる.そこで,本稿では高齢者ドライバを抱える家族が遠隔地から安心して見守ることができるサービスを提供する.