(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 5H  センサーネットワーク(4)
日時: 2010年7月8日(木) 10:20 - 12:00
部屋: 緑風の間2
座長: 川原 圭博 (東京大学)

5H-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名エクサテイメント支援システムリモートケンケンの開発と適用
著者*山下 裕考, 伊藤 淳子, 宗森 純 (和歌山大学)
Pagepp. 1299 - 1308
Keywordエクサテイメント, ケンケン, 圧力センサー, ゲーム
Abstractセンサを利用して身体全体を使うゲームが普及している.しかし,既存のゲームは位置が固定されるといった問題がある.本研究では実際と同じように身体を動かすことができるシステム“リモートケンケン”を提案する.圧力センサを実際の“ケンケン”と同じように配置することで動きの制限を排除している.実験の結果,幅広い年代で楽しみながら運動できることが分かった.また,対戦を行うことで,ケンケンの実施結果を明確にでき,エンターテイメント性が高められた.

5H-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名複数ユーザの嗜好を推測し快適性を実現するスマートスペースの提案
著者*山本 眞也 (山口東京理科大学), 神山 直也, 安本 慶一, 伊藤 実 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1309 - 1317
Keywordコンテキストアェアネス, ユビキタス情報管理, 情報家電, スマートスペース, デバイス制御
Abstract近年,ユーザが意識的な操作を行わなくても,有用なサービスを提供することが可能なユビキタスシステムが注目されている.これまでに,家庭内など限られたユーザを対象とし,ユーザ毎に嗜好やルールを記述し設定することで,ユーザの嗜好に合わせて家電等のデバイスを制御するための研究がいくつか提案されている.しかし,これらの既存研究は,多種多様な嗜好を持つ不特定多数が集まる公共スペースなどには適用できない.本稿では,ユビキタスシステムが導入された空間(スマートスペース)において,多種多様な嗜好を持つ不特定多数のユーザが自由に出入りする空間を想定し,ユーザ満足度の最大化を目的としたデバイス制御手法及びそのシステムアーキテクチャを提案する.また,コンテキストのとりうる値の広大な範囲におけるユーザの好み情報を効率良く取得するため,コンテキスト間の距離を定義し,距離に応じて取得済みの満足度から補間することで,新規に出現したコンテキストに対するユーザの満足度を推測する方法を提案する.本稿では,提案する推測法の有効性を検証するために,アンケートをとり,その結果によるサンプルを基に本手法による推測の精度を評価した.その結果,提案手法は,4 段階中1 未満の精度で,ユーザの満足度を推測できた.

5H-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名ユビキタスセンサネットワークにおけるプライバシーを考慮したRDF活用の動的な空間管理とサービス制御の検討
著者*粟津 光一, 平島 大志郎 (創価大学大学院工学研究科), 加藤 弘一 (創価大学工学部), 勅使河原 可海 (創価大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1318 - 1325
Keywordセンサネットワーク空間, Resource Description Framework, 情報管理基盤, プライバシー保護, サービス制御
Abstractセンサネットワーク空間では,多種多様なセンサが周囲の情報を自動的に取得し,ユーザの状況に応じたサービス提供ができる.しかし,センサネットワークにおいて,プライバシー保護とサービス提供の両立は困難である.これに対し本研究室では,情報取得とサービス利用に関するユーザ要求を抽出し,その要求を基に使用センサを決定・制御する手法を検討している.しかし,センサ制御のみでは必ずしもユーザの要求を満足できない.本稿では,RDFを用いることで,空間内の情報を一元管理し,サービス提供者に必要最低限の情報を渡すことで,プライバシー保護と必要なサービスを実行可能にする手法を述べる.また,本手法を自動化するためのルール構築を試みる.

5H-4 (時間: 11:35 - 12:00)
題名資源制約下における複数タスクへのセンサ割当問題
著者*鳥海 晋 (東京大学), 本位田 真一 (国立情報学研究所/東京大学)
Pagepp. 1326 - 1334
Keyword無線センサネットワーク, 資源競合
Abstract複数のユーザが複数のタスクを投入する共有型無線センサネットワーク(WSN)においては資源競合問題を解消する必要がある.この問題はタスクに対しセンサを割り当てる問題として見なすことができる.既存の研究においては,単純なモデルを用いてセンシングに用いる電力のみをモデル化していたが,WSN のコンテクストにおいては通信にかかる電力が重要であることが知られている. 上記のような背景から,本論文では,通信が関わるセンサ・タスク間割当問題を定式化するとともに,割当ノードからベースステーションまでの通信路を考慮した分散アルゴリズムを提案する.我々は対象としているネットワークがクエリに応答するシステムであることを利用して,クエリに通信路の情報を上乗せする.観測データを送る通信路を考慮することによって,既存手法と比してよりネットワークを有効活用できることが期待される. ソフトウェアによるシミュレーション結果より,我々の提案した割当手法が通信路を考慮しない既存手法と比べて電力効率が良いことを示した.