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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 8D  クラウド/センサーネットワーク管理
日時: 2010年7月9日(金) 10:20 - 12:00
部屋: 如月
座長: 市村 哲 (東京工科大学)

8D-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名クラウドコンピューティングにおけるQoEを考慮したリソース追加モデルの提案・評価
著者*藤田 直也, 奥田 隆史, 井手口 哲夫, 田 学軍 (愛知県立大学)
Pagepp. 1851 - 1856
Keywordクラウドコンピューティング, QoS, QoE, AHP
Abstractクラウドコンピューティングモデルが現在広がりつつある.このモデルを多数ユーザが利用することにより,クラウドを提供するサービスプロバイダは,「リソースをいつ・どのくらい提供するのか」という最適リソース.配分問題を解決しなくてはならない. 本稿では,この問題を,リソース追加に要するコストをできるだけ抑えたうえで,ユーザからみたサービスの品質を表す指標であるQuality of Experience(QoE)を最大にするという制約付き最適化問題とし,エージェントベースモデリングによるアプローチによって評価する.

8D-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名CO2センサを用いた学習環境の計測
著者*尾関 亮 (上智大学理工学部電気電子工学科), 高岡 詠子 (上智大学理工学部情報理工学科)
Pagepp. 1857 - 1866
KeywordCO2, 二酸化炭素濃度, 教育, 学習環境, センサ
AbstractNDIR(非分散赤外線)方式センサを3台用いて教室内のCO2濃度の測定を行った。10月22日〜12月10日の期間、センサ3台をそれぞれ「教室の後ろ」「給気口下」「排気口下」に設置し、特定の曜日で授業中に測定を行い、必要に応じて外気の測定や、1日測定など全部で24回測定を行った。このデータを用いて測定結果の全体像、曜日毎の比較、人数との相関関係、教室の位置による違い、1日を通したCO2濃度の変化などを解析した。これらの結果からCO2濃度と人数の間に相関関係は見られたのだが、人数が同じでも曜日や教室、時間帯によって結果に差が出ることが分かった。その他、外では人数がCO2濃度に影響することはほとんどない、換気回数の違いについては教室の容積に加えて、換気機能など他の原因が影響する、曜日によって換気効率に違いが見られるなどの現象が観察された。簡易センサを用いてCO2濃度を計測し、換気を促すことで学習環境向上に役立てることができる。また、学生の集中度、他の教室の環境データと併せて、より学生の学習環境を向上させることが可能である。Live E!ではセンサ情報をインターネットを介してサーバーに送る仕組みを開発している。今後、インターネットを利用することで様々な場所における屋内CO2濃度情報を集め、より詳細な解析を行い、その結果を学習環境向上に役立てることが可能である。

8D-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名仮想Linuxを活用したネットワーク構築演習のための自動評価システムの開発
著者*梅田 雅一 (近畿大学大学院総合理工学研究科エレクトロニクス系工学専攻), 井口 信和 (近畿大学 理工学部 情報学科)
Pagepp. 1867 - 1874
Keyword情報技術者教育, ネットワーク構築演習, 仮想Linux, 自動採点
Abstract本研究では,実機を用いることなく,ネットワーク構築の演習が可能なシステムを開発した.また,本システムでは学習者が実施した演習手順を自動的に評価できる.今回のシステムを開発するために,まず,学習者が実施した演習手順を自動的に採点する機能を開発した.そして,本機能を組み込むために,これまでに開発したネットワーク構築学習システムを一部改良した. ネットワークの構成要素には,実機ではなくネットワーク機器として動作させた仮想マシンを利用する.そのため,演習に必要な実機を確保する必要が無く,実機による演習と比較し,より手軽に演習できる.本システムでは,学習者が使用するPCで動作するOSをホストOSとして,仮想Linux環境であるUML(User Mode Linux)による仮想マシンを起動する.起動した仮想マシンをホストやルータとして動作させ,これらの仮想的なネットワーク機器同士を相互に通信させることで,1台のPC上に仮想的なネットワークを構築する. 自動採点機能では,学習者が構築した仮想ネットワークの設定内容を自動的に採点する.採点結果を参照することで,学習者は構築手順の誤りについて確認できる.これにより,演習と間違いの確認を繰り返し実施することで,学習した知識の習熟,実践経験による技術の習得が期待できる.さらに本機能を応用することで,ネットワークトラブルの対応演習にも利用できる.

8D-4 (時間: 11:35 - 12:00)
題名仮想Linux環境を活用したネットワーク構築演習システムと実ネットワークとの通信を可能とするゲートウェイ機能の開発
著者*西嶋 崇, 井口 信和 (近畿大学理工学部情報学科)
Pagepp. 1875 - 1882
Keyword情報技術者教育, ネットワーク構築演習, 仮想Linux
Abstract本研究は,仮想Linux を用いて実装した仮想ネットワーク機器と,実ネットワークとの通信を可能とする機能の開発を目的とする.開発する機能により,実ネットワーク機器と仮想ネットワーク機器を組み合わせた,ネットワークの構築演習が実施できる. ネットワークの学習では,講義によって取得した知識をネットワークの構築演習を通して実践することが重要である.しかし,実機を用いた構築演習には,構築するネットワークに応じて,実機のネットワーク機器を用意する必要がある.これに対して我々は,仮想Linux を活用することで,一台のPC 上に仮想的なネットワークを構築するネットワーク構築演習システムを開発してきた.開発したシステムにより,学習者は実機を用いた演習と比較して,より手軽にネットワークの構築演習を実施できる.しかし,仮想ネットワーク機器のみを用いて演習した場合,学習者は実機の操作を経験 することができない.また,仮想ネットワークを構成する仮想ルータは,実機のルータと比べて,扱えるコマンドや機能に制限がある. そこで,本研究では,実機ルータと仮想ネットワーク機器を通信させるためのゲートウェイ機能を開発した.今回開発した機能により,実機と仮想環境を組み合わせた複合環境でのネットワークの構築演習が実施できる.