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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 2B  情報システム
日時: 2011年7月6日(水) 15:55 - 17:35
部屋: トパーズ
座長: 市村 哲 (東京工科大学)

2B-1 (時間: 15:55 - 16:20)
題名知識創造のためのプロジェクトチームのための組織設計手法の提案
著者*清水 悟, 奥田 隆史, 井手口 哲夫, 田 学軍 (愛知県立大学大学院)
Pagepp. 212 - 217
Keyword知識創造, SECIモデル, マルチエージェントシステム, プロジェクトチーム, ソーシャル・キャピタル
Abstract企業が生き残るためには,知識創造に適したプロジェクトチームを編成する必要がある.このことは,個人の暗黙知を形式知化するような知識創造プロセスを表現するSECIモデルにおいて,知識変換サイクルを高速化することに相当する.これまで,プロジェクトチーム編成は,組織の管理者が自信の経験と勘に基づいておこなってきたので,今,これを科学的に決定する手法が求められている. そこで,本稿ではSECIモデルをマルチエージェントシステムで表現することで,科学的にプロジェクトチーム編成をおこなう手法を提案する.また,本研究では組織構成員の選考基準に新たにソーシャル・キャピタルを加味した.ソーシャル・キャピタルとは,社会関係資本のことであり,具体的には組織構成員の選考基準に人と人とのつながりを考慮するという意味である.本稿ではこれを表現するためにネットワーク科学の中でもランダムネットワークを利用し,組織構成員同士のつながり具合を紐帯の強弱として表現し,知識創造に影響を与えるものとした.ソーシャル・キャピタルを加味することで,より現実的なモデルとし,提案手法の評価・検討をおこなった.

2B-2 (時間: 16:20 - 16:45)
題名多言語問診票構築モデルの実環境への適用と評価
著者*福島 拓 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部), 重野 亜久里 (多文化共生センターきょうと)
Pagepp. 218 - 225
KeywordWebサービス, 用例対訳, 機械翻訳, 多言語問診票
Abstract現在,在日外国人数は年々増加しており,多言語によるコミュニケーションの機会は増加している.医療の分野では医療機関を訪れる外国人患者とのコミュニケーションのために多言語問診票が使用されている.しかし,多言語対応の紙の問診票は種類が少ないため各医療機関の要求を満たすことができていない.そこで我々は,用例対訳と機械翻訳を利用して診察に必要な基本情報である症状の伝達を支援する,多言語問診票作成システムの開発を行っている.今回,効率的な多言語問診票を作成するための多言語問診票構築モデルを提案した.本モデルでは,各医療機関に合わせた多言語問診票の作成や,患者が入力した文を元に,正確な多言語データの作成を可能としている.また,本モデルを実装し,問診票の質問を自由に構成可能とした問診票作成機能についての評価を行った.本研究の貢献は,医療機関ごとに自由な多言語問診票の作成を可能とした,多言語問診票構築モデルを提案し,実現したことである.

2B-3 (時間: 16:45 - 17:10)
題名センサデータを利用した経路推薦のためのデータベースシステム
著者*伊藤 嘉博 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 中村 嘉隆, 白石 陽, 高橋 修 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
Pagepp. 226 - 236
Keywordセンサデータ, 都市センシング, データベースシステム, 経路推薦
Abstract近年,多数のセンサを実世界に配置することで粒度の細かいセンサデータを取得できるようになり,この技術の応用として都市センシングが注目されている.都市センシングが実現によって,センサデータを利用した都市におけるパーソナルナビゲーションが可能となる.しかし,都市のセンサデータを用いて経路推薦を行う場合,道路データとセンサデータに対して様々な処理を行う必要があり,それらの処理をアプリケーション側で行うには負担が大きい.本稿では,空間補間を用いて道路データとセンサデータを対応付け,センサデータに基づいた経路推薦結果をアプリケーションに提供するデータベースシステムを提案する.また,そのシステムを設計し,提案システムの有効性について検討する.

2B-4 (時間: 17:10 - 17:35)
題名個人の行事や行動の段取り力を高めるワークフローシステム
著者*速水 治夫 (神奈川工科大学/大学院・工学研究科・情報工学専攻), 佐藤 仁美 (アシアル株式会社), 服部 哲 (神奈川工科大学/大学院・工学研究科・情報工学専攻)
Pagepp. 237 - 243
Keywordワークフロー, 段取り力, スケジュール管理, 推薦アルゴリズム, 個人作業
Abstract個人の仕事,行事や行動の作業を考えた場合,効率良く進める人とそうでない人がいる.これらの作業を効率よく進めるチカラは“段取り力”と呼ばれ,多くの人はその向上に努めている.段取り力の向上には,自己の経験の蓄積に加え,優れた段取り力をもった人の経験に学ぶことが重要である.段取りの作成・実行支援に,企業の業務支援で成功しているワークフローシステムが考えられるが,既存のワークフローシステムには他者の経験を取り入れる仕組みなどがなく,段取り力向上に結びつかない.そこで,著者らは個人の段取り力向上が可能となるワークフローシステムを研究開発している. 本論文では,以下の特徴をもつシステムを提案する.(1)段取りを行事や行動の具体的日程に依存しない段取りクラスとして作成・蓄積し,具体的日程(予定)が定まったときに,その予定に相応しい段取りクラスを選択して予定と結びつけた段取りインスタンスとする.(2)他者の段取りクラスを継承して蓄積したり,自己の段取りクラスを改善したりする等の機能により,段取り力向上を可能とする.