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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 3D  位置推定技術
日時: 2011年7月6日(水) 17:55 - 19:10
部屋: パール
座長: 渡邊 晃 (名城大学)

3D-1 (時間: 17:55 - 18:20)
題名Gaussian Process Particle Filterを用いた無線LAN位置推定手法
著者*伊藤 誠悟 (株式会社豊田中央研究所)
Pagepp. 439 - 448
Keyword位置推定, GaussianProcess, 無線LAN
Abstract無線LAN位置推定において精度の高い推定を行うためには,電波強度と対象環境内における位置を対応付けている電波地図を,正確に生成する必要がある.本論文では,無線LAN位置推定における電波地図の表現にGaussian Process(GP)を用いる.GPにより電波地図における電波強度平均に加え,分散(不確かさ)も表現できる.GPは分布に依存しないノンパラメトリックな表現モデルであるため,障害物などの影響により複雑に変化する実環境における電波強度を,事前サンプルデータに基づき柔軟に表現できる.本論文では,GPをParticle Filterに組み込んだGP-Particle FilterとGPによる電波地図を用いた,無線LAN位置推定手法を提案する.提案手法より,正確な電波地図に基づいた位置推定ができる.提案手法を実装し,実験環境において,約3m毎に事前サンプルデータを計測し,電波地図の生成と位置推定誤差の評価を実施した.その結果,対象実験環境全体の3分の1と少ない事前サンプルデータ計測の場合においても,位置推定結果の約66%が5m以下の誤差であった.

3D-2 (時間: 18:20 - 18:45)
題名GMMに基づく無線LAN位置推定精度と電波観測情報の関連性評価
著者*梶 克彦, 河口 信夫 (名古屋大学大学院 工学研究科)
Pagepp. 449 - 455
Keyword屋内位置推定, GMM, 無線LAN, indoor.Locky
Abstract我々は,無線LAN 観測情報をGMM としてモデル化し位置推定を行う屋内位置情 報基盤indoor.Locky を研究開発している.無線LAN 情報の観測には高い人的コス トが必要であるが,indoor.Locky では,多くの一般ユーザの協力によりデータ収集 を行うUGC のアプローチを採用することでこの問題に対処している.indoor.Locky を実社会で運用するためには,以下に挙げる点を明らかにする必要がある. 1.どの 程度の間隔で電波を観測すればどの程度の精度で位置推定ができるか, 2.無線LAN 基地局密度と位置推定精度の関係,3.代表値と位置推定精度の関係.これらの情報が 明らかになれば,一般ユーザが無駄な労力を払うことなく,必要最小限の観測で屋内 位置推定が利用可能になる.また,該当の建物がどの程度の精度で位置推定できるか を判断可能になる.我々は,indoor.Locky の実証実験を横浜のクイーンズスクエア で行い,収集した無線LAN 電波情報を用いて上記の点に関する検証を行った.

3D-3 (時間: 18:45 - 19:10)
題名位置推定されたノード群に対するユーザ視点を考慮した相対位置誤差の提案
著者木山 昇, *内山 彰, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 456 - 465
Keyword位置推定アルゴリズム, 相対位置誤差, 絶対位置誤差, ドロネー三角形分割
Abstract本稿では協調型モバイルアプリケーション向けの位置推定法における相対位置精度に着目し,位置推定法が対象物の特定にどの程度有効であるかを示す指標を提案する.このため近傍唯一性という基準を導入し,その性質をノード位置群に対するドロネー三角形分割で表す.相対位置精度の定量化は,実際の位置と推定位置それぞれのドロネー三角形分割の乖離度(DoD)を算出することで行う.さらにアプリケーションによって異なるユーザ視点を考慮するため,ユーザ視点を基にノード群の位置を別の平 面上に変換する手法を考案し,DoD を算出できるようにしている.性能評価の結果,絶対位置誤差が同じ場合でも提案指標ではアルゴリズム間で30%以上の差が生じ,アルゴリズムの特性に応じた数値が導出されることが分かった.またアンケートを用いた主観評価の結果,提案指標とノード特定誤り率の相関係数は0.9 となり,提案指標がノード特定における人間の直感を適切に表していることを確認した.