(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 4D  ユビキタス
日時: 2011年7月7日(木) 8:00 - 9:40
部屋: パール
座長: 井上 創造 (九州工業大学)

4D-1 (時間: 8:00 - 8:25)
題名複数ユビキタス機器を統合的に扱うためのマクロプログラミングモデルの設計
著者*長岡 佑典, 佐野 渉二, 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学)
Pagepp. 659 - 666
Keywordマクロプログラミング, 電飾アート
Abstract近年,発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode) からなるイルミネーションやディスプレイなどを用いた電飾アートが注目されている.大規模な電飾を光らせるためには大量のLED を多くのマイコンなどを用いて制御する必要があるが,1つ1つのマイコンのプログラムを書くような方法では,多大な労力を要するなどの問題がある.本稿では,複数のユビキタス機器を統合的に扱うマクロプログラミングモデルを設計し,これを電飾アートに用いることにより,各LED の位置を指定しながら光らせ方を制御したり,観客の動作により電飾アートの光らせ方を変える機能などを容易に記述できる環境を構築する.実際にいくつかの作品を作成することで,提案モデルを用いて電飾アート全体の光り方をマクロな視点で制御できることを確認した.

4D-2 (時間: 8:25 - 8:50)
題名効果的なライフログ閲覧のための柔軟な配置と協調表示可能な可視化システム
著者浜地 亮輔, *北沢 匠 (立命館大学情報理工学部), 榎堀 優 (名古屋大学), 新井 イスマイル (明石工業高等専門学校 電気情報工学科), 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部)
Pagepp. 667 - 675
Keyword可視化, ライフログ, 協調表示
Abstract携帯端末から得られる位置情報やセンサ情報などのライフログを蓄積・解析することで,ユーザの生活習慣分析や行動予測を行うといった研究が盛んに行われている. このような研究を行う際には,センサデータの解析やマイニングプログラムのデバッグといった工程が発生する. これらの工程において研究者はデータを可視化する必要があり, 場合によっては可視化システムそのものを開発しなければならず,負担となる. また,既存の可視化システムで複数のデータを可視化した場合,それぞれのグラフが独立しているため, 研究者自身がデータの対応付けを目視で行う必要があり,効率が悪い. 本研究では,そのような負担を軽減するためのライフログ可視化システムを実装した. このシステムでは,データベースに格納されたデータならば基本的に全て,コードを書くことなく可視化できる. また,時刻を指定できるスライドバーによって複数の可視化結果を協調させ, スライドバーの位置に対する時刻のデータをグラフ上に示すことで,データの対応付けを容易にした. 本システムで評価実験を行った結果,より効果的に複数のデータを対応付けできることを確認した.

4D-3 (時間: 8:50 - 9:15)
題名レシートログを用いたユーザ行動認識の支援機構
著者*鈴木 和希 (立命館大学情報理工学部), 堀見 宗一郎 (立命館大学大学院理工学研究科), 新井 イスマイル (明石工業高等専門学校電気情報工学科), 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部)
Pagepp. 676 - 683
Keywordレシートログ, ユーザ行動認識, スマートフォン, ライフログ
Abstract高機能な携帯端末から得られるセンサデータなどを利用することにより,ユーザの 行動認識の研究や,それを用いたコンテキストアウェアなサービスが実現されつつある.しかし,センサデータのみではユーザの具体的な行動を把握することは難しい.そこで近年,これらの研究・サービスの実現のために新たにレシートから得られる購買情報に注目が集まっている.しかし現状では,レシートから購買情報を得るためにはユーザの負担が大きい.そこで本研究では,ユーザの負荷軽減のためにOCR(光学文字認識)によるレシート解析結果の補完・修正補助機能を備えた,携帯端末で利用可能なレシート情報の収集・蓄積機構を提案し,プロトタイプの実装を行った.また,提案システムがどの程度有効であるのかを検証するために実証実験を行った.

8B-4 (時間: 9:15 - 9:40)
題名端末ローカル情報のみで実現するGPSセンシング省電力機構
著者武田 恭典, 安積 卓也, *西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部)
Pagepp. 1467 - 1475
KeywordGPS, 省電力, センサ, ライフログ, スマートフォン
Abstract近年,スマートフォンと呼ばれる様々な機能を搭載した携帯端末が普及してきている.スマートフォンには加速度センサやジャイロセンサなどのセンサから,GPS,Wi-Fiなどを感知する機能が備わっている.加速度センサやGPS,Wi-Fiなどから取得されるデータを蓄積し,ライフログとして利用することで,ユーザの状況に合わせたサービスが提供できるようになってきている.しかし,加速度センサやGPSなど,利用するセンサの数が増えるにつれ,消費される電力が増し,長時間ライフログのセンシングを行うことが困難となる.特にGPSは他のセンサよりも電力消費が大きく,最小の間隔でセンシングした場合バッテリーが半日も持たない.自宅や職場など屋内での生活が多い場合,GPSのセンシングを制御し電力消費を抑える意義は大きい.既存研究では,ユーザの状態に即し,段階的にセンサの電源を切り替えることによって,不要なセンシングによる電力消費を抑えることを試みた.この手法の問題点は,GPSのセンシングを切り替えるときに過去に蓄積されたライフログを利用することである.初めて訪れる場所では省電力機構は動作しない.そこで本手法は端末ローカル情報のみでGPSのセンシングをすべきかどうかを判定し,GPSのセンシングの制御・調節する手法を提案する.本手法によって,省電力が実現できたことが分かった.