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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 5E  モバイルコンピューティング
日時: 2011年7月7日(木) 10:00 - 11:40
部屋: ルビー
座長: 内藤 克浩 (三重大学)

5E-1 (時間: 10:00 - 10:25)
題名携帯端末向けプライバシ保護型操作履歴ミドルウェアの設計と実装
著者*太田 賢, 木南 克規, 中川 智尋, 土井 千章, 稲村 浩 (NTTドコモ 先進技術研究所)
Pagepp. 886 - 893
Keyword操作履歴, プライバシ保護, Android, 携帯端末, コンテキスト
Abstract携帯端末の多様な操作履歴データを活用するためのミドルウェア向けに、携帯端末のリソース制約に対応した2つのプライバシ保護方式を提案する。第一に、操作データの収集を必要最小限に維持するため、オンデマンド収集方式は複数アプリケーションからの収集の開始・停止・制限の要求に基づき、必要最小限の収集すべき操作種別の集合と保存期間を動的に決定し,収集制御とデータ消去を行う.さらに時空間ベースの収集ルールを利用した自動収集制御により、収集期間や頻度を限定し、プライバシ保護の向上とリソース消費削減をはかる.第二に、選択的暗号化方式は性能とセキュリティのバランスのため、操作履歴データベースの特定フィールドを部分的に暗号化する手段を提供する。性能評価の結果、ユーザ操作や端末状態の操作データ収集のオーバヘッドは小さいが、センサデータ収集のリソース消費は大きく、オンデマンド収集方式によるリソース消費削減が適用できることが分かった。また、選択的暗号化方式の操作データ記録における暗号化オーバヘッドは26ミリ秒以下に収まったが、クエリ時間は暗号化フィールドを参照する場合に実行される復号処理量の影響が大きいことが分かった.

5E-2 (時間: 10:25 - 10:50)
題名複数端末の協調による自動的な設定切り換え手法
著者*長堀 哲 (九州大学大学院システム情報科学府), 荒川 豊, 田頭 茂明, 福田 晃 (九州大学大学院システム情報科学研究院)
Pagepp. 894 - 900
Keywordコンテキストアウェア, 協調
Abstract携帯電話の普及に伴い,その利用マナーに関して敏感な社会になっている. 例えば,電車に乗車中では携帯電話の電源を切ることが推奨されている. また,映画館や会議中はマナーモードにしておくべきである. 一方で,家や歩行中,鞄の中に携帯電話がある場合は音を鳴らすモードにして携帯電話からの通知を聞き逃すことを防ぎたい. そこで,こうした端末の設定を自動的かつ適切に切り換える手法が求められている. 従来では,位置情報を用いることによりモードの自動切り換えが考えられている. しかし,これはモード切り換えの場所をあらかじめ登録しておく必要があり,未知の場所には対応できない. そのため,本研究では,周囲の端末で協調を行うことにより,自動的なモード切り換え手法を提案する. 提案システムでは,端末の位置情報や機器情報から周囲の端末を認知してそれらの端末間でモード情報を共有し,マナーモードの割合から自身のモードを判定する. 本論文では,この提案手法のシステム設計を行い,協調によるモード切り換えの簡単なプロトタイプを作成し,評価実験と考察を行った.

5E-3 (時間: 10:50 - 11:15)
題名片手用キーボードのための打鍵間隔を用いた入力単語推定手法
著者*片山 拓也 (神戸大学大学院工学研究科), 村尾 和哉 (神戸大学大学院工学研究科/日本学術振興会特別研究員PD), 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科/科学技術振興機構さきがけ), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 901 - 908
Keywordキーボード, 文字入力, 入力単語推定, ウェアラブルコンピューティング, 打鍵間隔
Abstract近年のコンピュータ小型化に伴い,ウェアラブルコンピューティングに関する注目が高まっている.ウェアラブルコンピューティング環境では,携帯性や装着性の観点から小型の入出力デバイスが望まれる.一般に,コンピュータへの入力デバイスとしてはキーボードが広く普及しており,多くのユーザがキーボードの入力に慣れ親しんでいる.しかし,ウェアラブルコンピューティングのためのキーボードの単純な小型化は,キータッチのしやすさなどのユーザビリティに影響をあたえるので限度がある.そこで本研究では,ユーザが既に体得しているキーボード入力の能力を活かすために,既存のキー配列をそのままにしながらキーボードを左右に分割し,どちらか一方のみを装着して用いる手法を提案する.提案手法では,単語の切れ目毎にキーボード半分の打鍵情報から入力単語を推測する.提案手法を用いることで,従来のキーサイズと入力動作を最大限に保ったままキーボードの大きさを半減できる.

5E-4 (時間: 11:15 - 11:40)
題名条件付きユーザ参加型センサネットワークにおける効率的なユーザ選択手法の提案
著者*石塚 宏紀, 岩井 将行 (東京大学 生産技術研究所), 戸辺 義人 (東京電機大学 未来科学部), 瀬崎 薫 (東京大学 空間情報科学研究センター)
Pagepp. 909 - 914
Keywordモバイルコンピューティング, センサネットワーク, ユビキタスコンピューティング
Abstract携帯電話の発展に伴って,街を往来する人々の携帯電話からセンサデータを収集す るユーザ参加型センサネットワークの研究が行われている.ユーザ参加型センサネッ トワークの性能は,センサネットワーク管理者の複雑な要求に応えうる参加者の選択 に左右される.既存の参加者選択手法は,管理者が指定したデータ収集領域内で活動 する候補者の行動を分析することで最終的に参加者を選出する.しかしながら,候補 者の携帯電話を利用した継続的な行動分析は,端末の電池を著しく浪費するため現実 的ではない.そこで我々は,候補者が日常的に利用しているソーシャルメディアによっ て行動分析を行い,さらい投稿内容から日常的な観測習慣を推測することで参加者を 効率的に選択可能なプラットフォーム KEIAN を提案する.本論文は,KEIAN のシ ステム設計とそのプロトタイプ実装について詳しく述べる.