(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 6C  ナビゲーションシステム
日時: 2011年7月7日(木) 16:00 - 17:40
部屋: エメラルド
座長: 梅津 高朗 (大阪大学)

6C-1 (時間: 16:00 - 16:25)
題名屋内環境モデル化と柔軟な歩行経路生成手法
著者*町田 直哉, 柳澤 政生, 戸川 望 (早稲田大学)
Pagepp. 1057 - 1064
Keywordナビゲーションシステム, 歩行者, 屋内環境, 経路探索, 嗜好判別
Abstract現在,移動通信網の発展や計算機の小型化・高性能化により携帯通信サービスが急激に成長して いる.携帯電話の多くはGPSを搭載しておりGPSを利用したサービスが発展し未知な場所において 周りの情報を得るための現在地を示す地図表示や,目的地への移動を補佐するナビゲーションシ ステムを利用することができる. しかしながらこのような携帯通信サービスで展開されている対 象は屋外環境が主である.屋内環境である駅などは改装工事のため複雑化し,屋内ナビゲーショ ンシステムの必要性は高まっている.しかしながら屋内環境における歩行者向けナビゲーション というのは位置追跡システムが難しい点や屋外環境と異なり道路ネットワークが存在しない点が 問題となり停滞している.本稿では屋内空間を対象とした歩行者ナビゲーションシステムに関す るモデル化手法を示し,それを用いた柔軟な歩行経路生成手法を示す.屋内空間の障害物に対し 各頂点をノードとし各ノードから障害物を挟まない可視枝をリンクとしたモデルを構成しユーザ の嗜好の一つである階層移動手段の選択をDijkstra法の重みづけに反映させた探索を行う.提案 手法の有効性を示すため8種類のシミュレーション実験を実施し柔軟な歩行経路生成を示す.

6C-2 (時間: 16:25 - 16:50)
題名歩行者ナビゲーションのための屋内環境での空間認知
著者*杉岡 基行, 柳澤 政生, 戸川 望 (早稲田大学)
Pagepp. 1065 - 1079
Keyword歩行者ナビゲーション, 屋内環境, 空間認知, ヒューマン・エラー, アンケート調査
Abstract近年,大型ショッピングモールなどの屋内環境は巨大迷路のように複雑化し続ける一方,屋内環境での空間認知に関する研究は少なく,屋内環境特有の行動や思考が一般化されていない.本稿では,空間認知能力の低い歩行者がナビゲーションに基づき移動する際,道に迷ったり,不安やストレスを感じたりするという問題の原因を明確にする.まず,屋内及び屋外に対する既存研究の成果を整理する.既存研究の成果として,屋内における移動距離や移動時間の過大評価,曲がり角の誤った直角評価などが明らかとなった.ただし,屋外で通用する成果が屋内でも適用する保証はなく,正確性に欠けため,アンケート調査を実施した.アンケート調査によって得られたデータを性別や到着時間などの6 つの軸を利用し,統計的に分析することで,一般化された屋内に特有な空間認知情報を得る.性別という軸では,男性より女性の方が目安となる時間内に目的地へ早く到着することがわかる.また,到着時間という軸では,目安時間が10 分程度の場合,空間認知能力を測定する簡易テスト(SDQ-S) の低得点者は,平均得点者より26.9% 到着時間が早いことが統計的にわかる.データ分析によって得られたデータを用いることで,有用性の高い屋内ナビゲーションを設計可能となる.

6C-3 (時間: 16:50 - 17:15)
題名画像・GPS等のセンサ統合による屋内外視覚障害者歩行支援システムの評価
著者*湯瀬 裕昭, 石川 准, 青山 知靖 (静岡県立大学), 亀田 能成 (筑波大学), 青木 恭太, 村山 慎二郎 (宇都宮大学), 蔵田 武志, 興梠 正克, 石川 智也 (産業技術総合研究所)
Pagepp. 1080 - 1083
Keyword歩行支援システム, 視覚障害者, 評価
Abstract筆者らは、視覚障害者歩行支援システムの位置方位計測の精度向上、及び適用範囲の拡大を目指して、画像・GPS等のセンサ統合による日常利用可能な屋内外視覚障害者歩行支援システムの開発を行った。本論文では、筆者らが開発した屋内外視覚障害者歩行支援システムの概要と開発したシステムを評価するために行った実証実験とモニタ実験などについて報告する。

6C-4 (時間: 17:15 - 17:40)
題名通信および地図情報が不要なナビゲーションシステム
著者*五百蔵 重典 (神奈川工科大学 情報工学科)
Pagepp. 1084 - 1090
Keywordナビゲーションシステム, 2次元バーコード, 携帯電話, 地図情報不要, 通信不要
Abstract本研究では、クライアントが地図情報を持たず、かつ通信も必要としないナビゲーションシステムを提案する。本ナビゲーションシステムは従来の連続したナビゲーションシステムではなく、離散的なナビゲーションシステムである。離散的である代わりに、現在地の測位誤差が全くないシステムになっている。測位誤差が無いため、従来測位が難しかった屋内でのナビゲーションに適していると思われる。 本システムの実現の一形態として、タグとして2次元バーコード(以下、バーコード)を使用し、ナビゲーション装置としてカメラつき携帯電話を使用することができる。このような実現形態が可能なので以下のような利点を持っている。(1) 目的地に貼るバーコードは紙製なため安価に実現可能である、(2) ナビゲーション端末として現在ほとんどの人が持っているカメラつき携帯電話を利用することができるため特別なハードウェアを用意する必要がない、(3)ナビゲーションソフトは地図情報を持たないため、汎用的であり、ソフトの容量も非常に小さく、携帯電話にインストールすることもできる。