(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 6F  センサネットワーク・ルーティング
日時: 2011年7月7日(木) 16:00 - 17:40
部屋: ダイヤモンド
座長: 石原 丈士 (東芝 研究開発センター)

6F-1 (時間: 16:00 - 16:25)
題名トリアージネットワークにおける双方向探索を利用したロバストな経路構築手法の提案
著者*田村 寛樹, 戸口 裕人, 斎藤 卓也 (慶應義塾大学大学院 理工学研究科), 重野 寛 (慶應義塾大学 理工学部)
Pagepp. 1146 - 1155
Keywordトリアージ, センサネットワーク, ロバスト性, ルーティング, 双方向探索
Abstractトリアージは,災害時に傷病者の重症度に応じて治療の優先度を決定する救急救命方式である.このトリアージで使用されるタグを電子センサにし,災害現場でセンサネットワークを構築することで,傷病者情報を収集・監視するトリアージネットワークの研究が活発となっている.トリアージネットワークではノードの参加・離脱が頻繁に発生し,これによるトポロジーの変化によって経路切断が頻繁に発生する.よって,経路切断の可能性が低いロバストな経路構築が必要となる.また,各傷病者は治療優先度に応じてネットワークへの参加時間が異なるため,各傷病者に要求されるライフタイムの達成が必要となる.さらに,治療優先度が高い傷病者のデータ到着率向上が必要となる.本稿では,各ノードのライフタイムと治療優先度を考慮し,双方向探索を利用したロバストな経路構築手法R2S(Robust Route Search in Triage Network)を提案する.計算機を用いたシミュレーションにより,本提案の有効性を示す.

6F-2 (時間: 16:25 - 16:50)
題名オブジェクトの監視・追跡を行う無線マルチメディアセンサネットワーク の稼働時間延長およびQoS確保のためのルーティング手法
著者*藤本 恭平, 安本 慶一, 孫 為華 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科), 山内 由紀子 (九州大学大学院システム情報科学研究院), 伊藤 実 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
Pagepp. 1156 - 1166
Keyword無線センサーネットワーク, マルチメディア, ルーティング, オブジェクト追跡, QoS
Abstract本稿では,移動オブジェクトを追跡し,ユーザ端末に動画をリアルタイム配送する無線マルチメディアセンサネットワーク(WMSN)において,配送される動画のQoSを保証し,WMSN全体の稼働時間を最大化することを目指したデータ配送経路制御手法を提案する. 対象WMSNでは,常に最短経路での動画配送を行うと,ノード間でのバッテリ消費に偏りが生じ,WMSNの稼働時間を縮めてしまうという問題がある. さらに,追跡すべきオブジェクトが多い場合には,動画配信によるトラフィックの増加のため,ネットワークの輻輳が起こりやすい. 本稿では,移動オブジェクトとユーザの地理的距離が大きいほど動画の許容配送遅延時間を長く設定可能なWMSNのアプリケーションを想定する. 提案手法では,最短経路を含む複数の経路候補について,許容配送遅延時間と動画配送に必要な帯域の制約を満たし,動画配送終了後におけるバッテリ残量最小のノードのバッテリ残量を最大化するような経路を選択することで,WMSN の稼働時間を最大化する. 本手法の有効性を示すため,典型的な例を用いて,提案手法と最短経路手法によるWMSN の稼働時間を比較する.

6F-3 (時間: 16:50 - 17:15)
題名有線/無線相互補完通信のためのハイブリッドルーティングプロトコルの実装と評価
著者*中野 裕貴 (岩手県立大学), 澤田 尚志, 栗山 央 (静岡大学院情報学研究科), 峰野 博史 (静岡大学情報学部), 水野 忠則 (愛知工業大学), 齊藤 義仰, 村山 優子 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 1167 - 1174
Keywordセンサネットワーク, プロアクティブ方式, オンデマンド方式, ハイブリッド方式, 相互補完通信
Abstract近年,各種HEMS(Home energy management system) 技術が注目されている. HEMSに用いるネットワークには様々な通信が存在するが,本稿では有線通信のPLC(Power Line Communication)と無線通信のIEEE802.15.4を使用する有線/無線相互補完通信プロトコルに注目した. 現在,有線/無線相互補完通信プロトコルにはルーティングプロトコルとしてプロアクティブ方式とオンデマンド方式が実装されている. この2つの方式は遅延や通信の信頼性が異なるプロトコルである. 本稿では上り通信と下り通信で2つの方式を使い分けるハイブリッド方式を実装,評価した.

6F-4 (時間: 17:15 - 17:40)
題名移動型ノードを用いたセンサデータ収集における予測値配信による通信量削減手法
著者*清野 航 (大阪大学大学院情報科学研究科), 義久 智樹 (大阪大学 サイバーメディアセンター), 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 1175 - 1182
Keywordセンサネットワーク, モバイルシンク, データミュール
Abstract近年,街中の環境把握や気象予測のため,移動型ノードを用いたデータ収集方式が研究されている.移動型ノードがセンシング領域を移動して各センサから直接データを収集することでセンサネットワークを構築する場合に比べて通信量を削減できる. しかし,ほとんどの手法では,通信できるすべてのセンサからデータを収集しており,通信量が多くなって他の通信の妨げになるという問題があった.そこで本研究では,予測値配信を用いた通信量削減手法を提案する.提案手法では,移動型ノードが各センサが所持するデータの予測値を配信し,予測値が許容誤差以上外れているセンサのみデータを返信することで,冗長な通信を削減できる.性能評価の結果,提案手法の有効性を確認した.