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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 8A  統一テーマセッション-ITS-
日時: 2011年7月8日(金) 10:30 - 12:15
部屋: サファイア
座長: 奥田 隆史 (愛知県立大学)

8A-1 (時間: 10:30 - 11:00)
題名(招待講演) 安心・安全・快適なドライブを実現するためのITS技術
著者*屋代 智之 (千葉工業大学)
Pagep. 1422
Abstract2011年7月にテレビジョン放送が地上波ディジタル放送になるのに伴い、700MHz帯の一部がITSに割り当てられようとしている。この周波数帯は従来、ITSでの利用が考えられてきた5.8GHz帯に比べると、電波が回折しやすく、見通し外(non Line-of-sight:NLOS)環境で効果を発揮することが予想される。 しかし、具体的にどのような通信システムを用い、どのようなアプリケーションを利用するのが最も効果が高いのか、という点がいまだに明確になっていない。 ここでは、この700MHz帯の利用がITSにおける「安全・安心・快適」を実現するためのキーテクノロジーであると考え、これに関連する技術動向と課題および展望を述べる。

8A-2 (時間: 11:00 - 11:25)
題名携帯プロジェクタを使ったコミュニケーション支援システム
著者*花田 雄一, 馬田 孝博, 守部 峰生, 森 信一郎 (株式会社富士通研究所/ITS研究センター)
Pagepp. 1423 - 1430
Keyword携帯電話, プロジェクタ, コミュニケーション
Abstractコミュニケーション技術はリアルタイム技術とアンタイム技術とにわけられる.前者は電話が相当し,後者はメールやブログなどが相当する.近年では,アンタイム技術に相手の限定性が付加されたSNSが広がりを見せている.アンタイム技術の特徴であった匿名性が変化し,より個人の情報を公開するようになりつつある.限定性がアンタイムコミュニケーションに影響を与えていると言える.従って,今後はより相手が限定されたコミュニケーションが望まれ,それらに対応したコミュニケーション技術が必要とされる.より限定的なコミュニケーションとして,同席者との会話がある.目前の人とのコミュニケーションは現実であり,より限定的であると言える.これまでのコミュニケーションの補間技術が距離を仮想化して実現してきたのに対し,これらの限定的なコミュニケーションを補間する技術は,人と人との理解度を仮想化する技術であると言える.本稿では,理解度を仮想化する技術として,共有画面と共有操作を持つ携帯端末を提案する.携帯電話に搭載されている小型プロジェクタと携帯カメラを使った端末を試作し,モバイル環境の外光の変化に対して正しく動作する事を示す.

8A-3 (時間: 11:25 - 11:50)
題名インターナショナルドライビングシミュレータの開発とそれを用いた車体感覚の学習
著者*斎藤 慎弥, 村田 嘉利, 高山 毅, 佐藤 永欣 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学研究科)
Pagepp. 1431 - 1437
KeywordITS, シミュレーション
Abstract海外での自動車運転は,車両仕様や交通法規の違いにより,円滑な運転は困難である.本研究では,海外での自動車運転をサポートするドライビングシミュレータを提案する.シミュレータ作成においては,Googleマップから道路データを抽出し,3D道路生成を行なう.また,基本的な交通法規の正誤判定を実装し,これを用いて,左ハンドルが走行に与える影響を検証した.その結果,シミュレータによっても車体感覚を習得することが可能であり,右ハンドルと比較して左ハンドルでは,円滑な運転を行なうことは難しいと分かった.また,シミュレータによって練習を重ねることで,左ハンドル時における車線からの逸脱や走行位置の改善が可能であると確認した.

8A-4 (時間: 11:50 - 12:15)
題名身障者も操作可能な自動車操縦インタフェースの研究
著者*村田 嘉利 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部), 斎藤 慎弥 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学研究科), 吉田 和広 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部), 鈴木 和浩, 高橋 大祐 (株式会社ジェーエフピー CG事業部)
Pagepp. 1438 - 1443
Keyword自動車, 操縦, 障害者, ドライビングシミュレータ, ジャイロセンサー
Abstract障害を持った人の多くが自立して生活したいと望んでいるにもかかわらず,自動車産業におけるこの分野の研究は,進んでいるとは言い難い.ホンダのフランツシステムのオリジナルは1980年代に開発されており,既存の自動車に補助装置を改造付加することで身障者の要望に応えるに留まっている.既存の自動車に補助装置を取り付ける方法では,障害内容によって個別に改造する必用があり,補助装置およびその取り付け工賃は高価になり,柔軟性に欠けるといえる.現在,自動車の制御は油圧から電子技術に移行しつつあり,電気信号によってステアリングやブレーキを含めてほとんど全ての操作は電子制御可能な状況にある.我々は,地磁気センサあるいはジャイロセンサを利用して人の動作を正確にモニタリングする技術,機器をコントロールする技術を開発している.この技術を自動車操縦インタフェースに応用することにより,障害内容に柔軟に対応可能な自動車操縦インタフェースを開発する.本論文では,上肢障害者向けの操縦インタフェースについて述べる.