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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 2F  ネットワーキング
日時: 2013年7月10日(水) 14:50 - 16:50
部屋: 竹・梅
座長: 山井 成良 (岡山大学)

2F-1 (時間: 14:50 - 15:10)
題名Underwater Sensor Networkにおけるルーティングプロトコルの性能比較
著者*加藤 凌, 高野 敦弘 (早稲田大学 大学院 基幹理工学研究科 情報理工学専攻), 大木 哲史 (早稲田大学理工学研究所研究員 次席研究員), 甲藤 二郎 (早稲田大学 大学院 基幹理工学研究科 情報理工学専攻)
Pagepp. 410 - 414
Keywordセンサーネットワーク, 水中音波通信, ルーティングプロトコル, Geographicalルーティング, 消費電力
Abstract本稿では、水中環境での音波通信を前提として、Geographical型のルーティング手法の1つとして提案されているDBRの欠点の克服を目的としてノードの配置方法とネットワーク性能の関係についての調査実験を行なった後、ルーティングプロトコル(AODV、DSDV、DBR)によるネットワーク性能比較実験を行なった。実験には、ネットワークシミュレータns-3を利用した。また評価項目はパケット到着率、end-to-end遅延、ネットワーク全体のエネルギー消費量とした。本実験よりDBRの欠点の1つである冗長パケットの多さは、ノードの配置方法を工夫することにより、軽減することができることを確認した。さらにルーティングプロトコルによるネットワーク性能の差も確認することができた。パケット到着率とend-to-end遅延の面では、ノード移動がない場合や移動速度が小さい場合はAODVが良い性能を示し、ノード移動が大きい場合は、DBRが良い性能を示すことを確認した。またエネルギー消費の面からはノードの移動速度に関わらずAODVが最も良い性能を示すことを確認した。

2F-2 (時間: 15:10 - 15:30)
題名ユーザ間協調と異種無線メディア連携を特徴とするWi-Fi Access Point発見方式
著者*大島 浩太 (埼玉工業大学), 中井 悠人, 堤 智昭, 寺田 松昭 (東京農工大学)
Pagepp. 415 - 422
Keyword異種無線メディア連携, スマートフォンネットワーク, 無線LAN
Abstractスマートフォンに代表されるモバイル端末の普及に伴い、屋外で無線LANを用いたインターネット接続を利用する機会が増加している。無線LANは携帯電話網に比べ高速にインターネットに接続が可能であるが、電波が物理的に届く無線LANアクセスポイント(AP)のみ検知可能で、それ以外のAPの把握が難しいという課題がある。本論文では、スマートフォンユーザ同士の連携と異種無線メディアの連携モデルにより、無線LAN APの発見を支援する方式を提案し、提案方式を備えたプロトタイプシステムを開発する。提案システムは、APのインターネット接続性能など従来方式では提供が難しい有益な情報のユーザ間協調による共有、無線LAN APに接続していない端末に対する近距離無線通信を利用したAP情報の提供、ユーザにとって意味のある情報のみを提供するためのユーザ選択型フィルタリングと位置情報解析型フィルタリング、地図インタフェースを用いた情報の提示を特徴としている。プロトタイプシステムを用いた評価の結果、フィルタリングによる情報の表示速度の高速化、ユーザにとって有益なAP情報の提供率72.1\%、発見率78.6\%を達成し、提案方式の有効性と利便性を示した。

2F-3 (時間: 15:30 - 15:50)
題名Rackインターフェースに対応した高速なウェブサーバの実装・評価
著者*野田 弘毅, 沼尾 雅之 (電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・通信工学専攻沼尾研究室)
Pagepp. 423 - 428
Keywordネットワークアーキテクチャ, ウェブサーバ
Abstractオブジェクト指向プログラミング言語Rubyは,近年その使いやすさから様々な用途で広く使われている.現在は,その応用事例としてRuby on RailsをはじめとしたWebアプリケーションフレームワークの充実によってウェブアプリケーション開発に広く利用されている. RubyではサーバとアプリケーションフレームワークをつなぐインターフェースとしてRackと呼ばれる規格が存在する.RackはHTTPリクエスト/HTTPレスポンスをRubyのオブジェクトに置き換える際に抽象化の仕組みを共通化するための統一規格である.Rackのような統一のインターフェースを用いることのメリットとして,サーバとフレームワークが規格を守っているものであれば自由に載せ替えが可能である点があげられる.これらのRackの仕様に対応したウェブサーバは既にいくつか存在するが,いずれもパフォーマンス的な部分で問題を抱えている.これは既存のサーバが移植性を重視していることに起因する. しかし実用の現場ではウェブアプリケーションスタックとしてLAMP(Linux, Apache, MySQL, PHP)というものが広く使われており,Linux以外の環境でウェブアプリケーションを構築するケースが少ない.そこで本論文ではLinux環境のみに特化することで高速なサーバを実現することを目的として実装し、実際にapache benchを用いたベンチマーク計測を行って既存のRubyウェブサーバと比較実験を行った結果,既存のRuby製ウェブサーバに比べ約200%のリクエスト/レスポンス性能を実現した.

2F-4 (時間: 15:50 - 16:10)
題名デスクトップ画像共有システムのための、トーナメントアルゴリズムを使った負荷分散機構
著者*山之上 卓, 杉田 裕次郎, 小荒田 裕理, 小田 謙太郎, 下園 幸一 (鹿児島大学)
Pagepp. 429 - 434
KeywordP2P, Binary tree, Load balancing, tournament algorithm
AbstractHTML5を使ったデスクトップ画像共有システムにおいて, 大量のWebクライアント間で短い遅延を保ったまま, 画像共有を実現するための, 負荷分散機構について述べる. この画像共有システムは複数のWebサーバと大量のWebクライアントによって実現されている. この負荷分散機構はトーナメントアルゴリズムを用いて実現している. 80台の端末を用いて本システムおよびアルゴリズムの有効性を確認した.

2F-5 (時間: 16:10 - 16:30)
題名東大寺内におけるネットワーク整備について
著者*辻井 高浩 (奈良先端科学技術大学院大学 総合情報基盤センター), 山内 正人, 秋山 寛子 (慶應義塾大学 メディアデザイン研究科), 猪俣 敦夫, 藤川 和利 (奈良先端科学技術大学院大学 総合情報基盤センター), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学 メディアデザイン研究科)
Pagepp. 435 - 441
Keyword東大寺, 世界遺産, WiFi, メッシュネットワーク, 偏波
Abstract東大寺は,奈良県奈良市雑司町にある華厳宗大本山の寺であり,金光明四天王護国之寺ともいい,奈良時代(8世紀)に聖武天皇が建立した寺である.「奈良の大仏」とし盧舎那仏を本尊とし,「奈良の大仏」として有名である.1998年に古都奈良の文化財の一部として,ユネスコより世界遺産に登録されている. NAIST情報科学研究科とKMDが開催したシンポジウム「歴史・文化と情報学」では,現在の東大寺境内の様子を撮影した映像上に,過去に存在した東塔のCGモデルを合成提示し,体験者はHMDを装着することで,東塔が合成された遠隔地の映像を自由に見回すことができるデモ等を実施した.このようなデモを実施するには,ネットワークの利用は不可欠である.一方で,世界遺産である東大寺のように歴史的価値がある建物や境内にネットワーク整備をすることは慎重に行わなければいけない. 本論文では,世界遺産である東大寺のような環境でのネットワークを整備するために必要な歴史的事情・景観への配慮,およびネットワーク構築における技術的対応や問題点等について報告する.

2F-6 (時間: 16:30 - 16:50)
題名映像配信サービス向けメモリ常駐型メタデータ管理システムの設計と実現
著者*柿沼 弘員 (NTTぷらら(元:NTTサービスエボリューション研究所)), 堀口 恭太郎 (NTTソフトウェアイノベーションセンタ), 深津 真二, 大橋 盛徳, 阿久津 明人, 鈴木 英夫 (NTTサービスエボリューション研究所)
Pagepp. 442 - 448
KeywordIPTV, TV-Anytime, メタデータ, メモリ常駐型データベース