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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 2G  コンシューマデバイス
日時: 2013年7月10日(水) 14:50 - 16:50
部屋: 松
座長: 清原 良三 (神奈川工科大学)

2G-1 (時間: 14:50 - 15:10)
題名常駐起動アプリケーションの監視モジュールを組み込んだAndroid OSの提案
著者*猪狩 知也, 鈴木 浩, 服部 哲, 速水 治夫 (神奈川工科大学)
Pagepp. 449 - 452
KeywordAndroid, OS, 常駐起動アプリケーション
Abstract近年,Androidにおいて常時起動しているアプリケーションが増加している.例えばセキュリティ,盗難対策アプリケーションやTwitterクライアントの通知機能やRSSリーダーアプリケーションで常に最新情報を収集しているアプリケーション等が挙げられる. しかし一方で,常時起動を妨げる要因は多く存在する.問題が発生してアプリケーションが常時起動しなかった場合常駐起動アプリケーションの恩恵をユーザは受けられなくなる. Androidではアプリケーションの終了は使用しているユーザに通知されない.すなわち,特定のアプリケーションが常時起動していると思っていたにも関わらず終了していた場合はその常時起動の停止を発見する事が困難である. また,アプリケーションがどのような処理を持っているのかはアプリケーションの利用ユーザは知る事が出来ず,アプリケーションの終了の際に適切な処理を行うようなプログラムが書かれているかどうかを知ることが出来ない. 上記の問題を解決する為に,あらかじめ常駐起動させておきたいアプリケーションをユーザが選択し登録しておき,アプリケーションの起動確認やアプリケーションの常駐維持支援,アンインストール防止を行い第三者による意図的な停止を防ぐことができる機能を持ったモジュールを試作した. 本論文では,これらのモジュールをAndroid OSへの追加モジュールとして試作し評価した結果を報告する.

2G-2 (時間: 15:10 - 15:30)
題名カーネルトレース機構を利用したシステムトレース機能の設計と実装
著者*攝津 敦, 増田 大樹, 落合 真一 (三菱電機(株)情報技術総合研究所リアルタイムプラットフォーム技術部)
Pagepp. 453 - 459
KeywordTRACE, LINUX
Abstract情報通信システムの高度化、複雑化に伴い、そこで発生する不具合は、OS、ミドルウェア、およびアプリケーションが複雑に絡み、解析を困難にしている。ソフトウェアの振る舞いを時系列に記録するイベントトレース機能は、従来、アプリケーション(およびミドルウェア)とOS(カーネル)のイベント情報が別々に記録されていたため、アプリケーションとカーネルとが連動するソフトウェア全体の振る舞い解析が容易ではなかった。そこで今回、アプリケーションの関数実行イベントをカーネルのイベントトレース機構にて記録するシステムトレース機能の設計を行い、LinuxOSにて実装を行った。また、本方式におけるアプリケーションの実行遅延について評価を行った。評価の結果、本方式は、同様な機能を持つSystemTapの1/5の処理時間であり、アプリケーションの実行に対し1%程度の遅延で済むことが判明した。

2G-3 (時間: 15:30 - 15:50)
題名証拠性確保を重視したケース指向電子記録管理のためのパッケージ構造の業務適用評価
著者*宮崎 一哉 (三菱電機株式会社/情報技術総合研究所), 木村 道弘, 前田 陽二 (一般財団法人日本情報経済社会推進協会), 辻 秀一 (東海大学)
Pagepp. 460 - 465
Keyword記録管理, パッケージ, ケース管理, 長期署名, ASiC
Abstract電子記録管理とは,組織による事業継続,発展,リスク回避,権利保護,説明責任などを達成し,それを長期間維持することを目的とした,電子記録の取得,維持,活用等の仕組みであり実践であり,電子化の進展する社会におけるこれからの組織運営にとって極めて重要となると目されている. パッケージとは記録とメタデータを一体化するためのデータ構造である.パッケージは記録とメタデータとの関係を維持した状態で流通あるいは移管されるときに用いられる. 我々は電子記録管理において最も重視される要件を証拠性の確保であると捉え,更に,個々の電子記録のみでなく複数の電子記録が含まれる"ケース"を対象としたパッケージ構造の標準形式を提案する.提案形式をソフトウェアシステム請負製作業務に適用し,既存技術との比較による机上評価を行った結果,提案形式の定性的な有効性が確認できた.

2G-4 (時間: 15:50 - 16:10)
題名マルチディスプレイ・レスポンシブウェブシステム
著者*坂井 成道, 峰松 美佳, 川添 博史, 会津 宏幸 (東芝 研究開発センター)
Pagepp. 466 - 470
KeywordWeb, HTML5, マルチディスプレイ, 分散協調, プロキシ
Abstractスマートフォンやスマートテレビをはじめ,ネットワークに接続可能なディスプレイ搭載機器が普及し,ユーザはそれらを複数種類所持するようになった.今後,ユーザがそれぞれの機器の特色を活かしながら同時に組み合わせて利用することが想定される.一般に,複数の機器を連携させるアプリケーションは単体の機器上で動作するアプリケーションよりも設計や実装が難しい.我々は,複数の機器のブラウザが連携して動作する新しいWeb体験「マルチディスプレイ・レスポンシブウェブ」を提案する.本稿では,マルチディスプレイ・レスポンシブウェブシステムの実現における課題と解決を示し,試作したシステムについて述べる.

2G-5 (時間: 16:10 - 16:30)
題名面を返すことにより機能を切り替える多面体スイッチの基礎検討
著者*有賀 玲子, 宮田 章裕, 浦 哲也, 定方 徹, 佐藤 隆, 小林 稔 (NTTサービスエボリューション研究所)
Pagepp. 471 - 476
Keyword操作インタフェース, インタラクション, センサネットワーク
Abstract本研究では,システムを操作するのが簡単で,操作を覚える必要がなく,生活シーンの中に馴染みやすい操作インタフェース「多面体スイッチ」を構築することを目的とする.多面体スイッチでは,システムに与えたい命令が文字や図で筐体に書かれた操作インタフェースを用いて,与えたい命令が表にくるように筐体の面を返すことで対象機器を操作する.システムがどのような状態にあるか明示的なので操作方法を覚える必要がないことと,様々な形状で実装が可能なので,機械らしさがなく生活の中に馴染みやすいことを特徴とする.本稿では,マグネット型の裏表スイッチと,キューブ型の多面体スイッチの提案と実装を行う.

2G-6 (時間: 16:30 - 16:50)
題名双方向インタラクション可能なハンガー型デバイス
著者*羽田 久一 (東京工科大学 メディア学部)
Pagepp. 477 - 482
Keywordモノのインターネット, Webサービス, タンジブルインターフェース
Abstractあらゆる日用品をネットワーク化する Internet of Things(IoT)という言葉の広まりと ともに,従来ではインターネット化することが困難であったモノをネットワーク化する 動きが生じている.このようなネットワーク化によって,さまざまな物体はインターネッ トを介した情報検索,情報提示のためのデバイスとして利用することが可能となる. 本研究では日常だれもが利用するモノとして衣服をとりあげ,衣服のネットワーク化 のためのデバイスとして双方向インタラクション可能なハンガーを提案し実装を行った. 単方向の通信が主であった従来の研究とは異なり,ハンガーを双方向通信を行えるデバ イスとして構成することでハンガーを通して衣服の情報の提示・検索・ログの取得といったさまざまな用途に利用することが可能となる.