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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム

セッション 2C  センサネットワーク2(UBI)
日時: 2007年7月4日(水) 15:00 - 16:40
部屋: 砂子〜磯笛
座長: 植原 啓介 (慶応義塾大学)

2C-1 (時間: 15:00 - 15:25)
題名センサネットワークを用いた分散計測システムの時間同定手法
著者*徳永 雄一, 稲坂 朋義, 平岡 精一 (三菱電機/情報技術総合研究所), 横田 裕介, 大久保 英嗣 (立命館大学/情報理工学部)
Pagepp. 269 - 276
Keywordセンサーネットワーク, 分散計測, 時刻同期
Abstract無線センサネットワークによる分散計測システムを構築する上で,各ノードの計測時間を正確に一致させる必要がある.一般的には,時刻同期プロトコルを導入することで,計測時間を特定する.しかし,高精度な同期を維持するためには,短い周期での時刻同期が必要なため,慢性的に通信帯域が消費される.そこで各ノードを時刻同期することなく,計測時間を特定する手法を提案する.本手法では,選択されたノードによるビーコン指示で計測を実施する.各ノードは,同期していない低精度のローカルクロックによるタイムスタンプを,計測情報とともに記録する.各タイムスタンプ情報を用いて,ビーコン指示のタイミング調整を行い,指定時刻の計測値取得を実現する.本手法による時間精度を,IEEE802.15.4準拠のセンサネットワークで評価した.その結果,±100μ秒以下の精度で計測時刻を特定できることを示した.

2C-2 (時間: 15:25 - 15:50)
題名ZigBeeを用いた無線信号強度による位置測定精度の検討
著者小松 祐也 (山形大学工学部電気電子工学科), *平松 孝規, 北島 雄一朗 (山形大学大学院理工学研究科電気電子工学専攻), 近藤 和弘, 中川 清司 (山形大学工学部電気電子工学科)
Pagepp. 277 - 280
Keyword位置情報システム
Abstract 近年ユビキタス社会の実現に向け,いたるところで位置情報を取得する必要がある.しかしながら屋内での位置情報の取得は確立されていない.  ZigBeeは他の近距離無線と比べて極めて低速である.しかしながら低コストで電力消費が少ないという特長がある.そのため建物内のいたるところに高密度で配置されると想定できる.そこで多くのZigBee端末を用いて屋内の位置情報の取得を目指す.  まずZigBeeで実測した距離に対する電波強度をもとに,Centroid測定をシミュレーションし,端末の密度と受信電波強度の関係を明確にし,位置測定の精度向上を目指す.  本来Centroid測定とは,受信電波強度を考慮しないものである.しかしながら本研究では,端末が十分近くにあり,受信電波強度を十分に強く受信した端末位置を用いることで精度の安定化を図った.そこで受信電波強度にしきい値を設けて,受信電波強度がしきい値以上の場合,端末が十分近くにあり,受信したものとみなす.  端末の配置場所はすべて極座標で表す.位置を知りたい受信端末は原点(0,0)に固定し,位置情報を既知とする送信端末はランダムで(r,θ)に配置する.ここでrは50cm以上400cm以下とし,θは端末の偏りを防ぐために象限毎に端末数を統一した.この条件下で受信電波強度のしきい値を何dBmにするかと,配置する送信端末の密度をどの程度にするかの2項目を検討した.それぞれの測定条件において500回試行した.この条件でそれぞれの端末から受信の可否を確認し,受信された端末が3端末以上であれば受信された端末の重心に測位結果を表示し,実際に受信端末が位置する場所と比較を行い誤差を算出する.このシミュレーションで用いる電波強度は,実測した値をもとに算出したものである.算出方法は以下に示す.  実測した距離に対する電波強度の分布を距離ごとに頻度グラフで観測したところ,Gaussian分布に類似した形をしていたため,主要なパラメータとして時系列で電波強度を測定したときの平均と分散を算出した.平均は距離ごとに平均をとり,最小二乗法の2次で近似した.分散は規則性がみられないため,全標本の平均とした.  シミュレーション結果より,端末を配置する密度が0.3個/m2以上で,しきい値がマイナス48dBm以下であれば,ほぼ100%測位可能である.測位可能とは3端末以上が受信されることと定義した.その他にしきい値がマイナス48dBmにおいて密度を0.318,0.398,0.477個/m2のように変化させたところ,誤差の平均が39.88,34.70,29.90cmとだんだん小さくなっている.端末の散らばり具合にもよるが,送信端末を高密度に配置するほど誤差の平均は小さくなることが確認された.  シミュレーション結果で,端末の配置密度が0.398個/m2,しきい値がマイナス48dBmのとき誤差が最大125cmと最小2.57cmの端末配置を比較したところ,端末の分布の様子に違いがあることがわかった.受信端末のまわりに送信端末がほとんどない上に,送信端末の配置も偏りがあった.よって端末を均等に配置することで誤差を小さくできる.  次に誤差が最大125cmと最小2.57cmの2パターンで端末の配置をまったく同じにして,実測で位置測定をしてシミュレーション結果と比較した.電波強度の差により受信されたとする端末に違いが出てくるため測位に誤差が生じた.実測での誤差は最大のとき141.91cm,最小のとき54.30cmとなった.実測での誤差はシミュレーションを行った誤差とほぼ同程度であることが確認できた. 今後以下を検討する. (1)Centroid測定は壁の近くで精度が悪くなるのでこの影響を考慮した測定方法を検討する. (2)本研究では障害物のない理想空間で研究を行ったが,実空間では壁以外にも障害物があるので,これも考慮して検討と行う.

2C-3 (時間: 15:50 - 16:15)
題名無線センサネットワークにおけるクラスタリングプロトコル向けスリープモードの検討
著者*鄭 懿, 陳 恵芳, 峰野 博史 (静岡大学情報学部), 爰川 知宏, 小橋 喜嗣 (NTT サービスインテグレーション基盤研究所), 水野 忠則 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 281 - 286
Keywordセンサネットワーク, スリープモード, スケジューリング