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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2008)シンポジウム

セッション 4C  モバイル端末と遠隔教育(MBL)
日時: 2008年7月10日(木) 8:30 - 10:10
部屋: シリウス
座長: 北須賀 輝明 (熊本大)

4C-1 (時間: 8:30 - 8:55)
題名モバイル環境における適応型e-ラーニングシステムの提案
著者佐藤 康二, 瀬川 慎介, *松原 剛 (シャープ株式会社/研究開発本部), Patrick Tschorn, Philip Edmonds (シャープ株式会社/英国研究所)
Pagepp. 818 - 821
Keywordモバイル, 教育, 適応型
Abstract近年、インターネットやモバイル端末の発達により、いつでもどこでも学習が可能な環境が整備されつつある。従来型のメディアである書籍やラジオ、CDなどによる学習から、Webを利用したインタラクティブ学習、電子辞書やiPod、ゲーム機端末を利用したモバイルでの学習スタイルなど幅広い学習スタイルが提供されており、通学や通勤の時間による学習やインタラクティブな学習が可能になってきた。 学習形態が多様化するにつれ、より個人に適した学習環境の提供、さらにはモチベーションを維持させるための仕組みが重要になってきている。学習者毎に習熟レベルが異なることに加え、異なる知識や関心へ対応するために画一的な情報提示に留まらず、個人にあわせた学習コンテンツ提供の仕組み、加えて学習を一過性のものに終わらせないためにモチベーションを維持し、積極的に学習に参加させるための仕組みが重要である。 一方、英語教育においては、単に文法を教えるだけではなく、ネイティブスピーカを講師としたスピーキングの能力や、リスニングの能力習得が重要視されてきた。身近な例では、大学入試センター試験においても、リスニング試験を取り入れるようになり、読解力のみならずリスニング力も重要となってきているものの相変わらずリーディング能力向上ニーズは高い。英語は現代社会においては無くてはならないコミュニケーションツールとして確立しており、社会人になっても学習を続ける人も数多い。 本稿では上記課題に鑑み、モバイル端末を用いたユビキタス環境下でのe-ラーニングシステム、特に英語学習において効果的な学習を可能にするための一手法を提案する。 利用者の語彙習得度を考慮した上で利用者に適切なレベルの学習コンテンツを提供し、かつ履歴や学習状況に応じて語彙学習の手法を変化させ、多様な語彙獲得アクティビティを提供、学習させることにより、効果的な語彙学習を可能にする。

4C-2 (時間: 8:55 - 9:20)
題名非接触ICチップ搭載携帯電話の権限モデルを考慮した電子チケット交換方法
著者*小倉 章嗣, 十河 卓司, 小池 雄一 (日本電気 サービスプラットフォーム研究所)
Pagepp. 822 - 829
Keywordモバイルコンピューティング, 電子チケット
Abstract電子チケットを利用者間で交換する際に、携帯端末間での直接通信を用いることで、操作性の高い交換処理が可能である。しかし、直接通信を用いた交換方法では、通信障害が発生した際に電子チケットの所在が不明確になり、復旧処理が困難であるという課題がある。この課題を解決する交換プロトコルが提案されているが、携帯端末が電子チケットへの全てのアクセス権限を持っていること、携帯端末内プログラムを介さずに電子チケットの状態が変更されないこと等の権限モデルを仮定している。しかし、商業サービスで広く使われているFeliCa 等では、この権限モデルに従わず、単純に適用することが出来ない。そこで我々は、FeliCa のような権限モデルを持つ端末を利用して電子チケットを利用者同士で交換する状況を想定し、その権限モデルを考慮した交換プロトコルを提案する。提案プロトコルでは、アプリケーションが書き換え可能なFeliCa 領域を用いた交換処理のロック、携帯端末のストレージ内への交換状態保存と電子チケットの遅延書き込みを行なう。これにより、FeliCa等の権限モデルに対応した上で、障害が発生した際でも復旧処理を容易に行なうことが可能である。我々は、プロトタイプ実装を通じて、提案プロトコルの耐障害性を確認した。

4C-3 (時間: 9:20 - 9:45)
題名携帯電話向け表示デバイス制御プロトコルの設計と実装
著者*小佐野 智之, 石川 憲洋 ((株)NTTドコモ), 北川 和裕 (慶應義塾大学), 長坂 文夫 (セイコーエプソン(株))
Pagepp. 830 - 835
Keyword情報家電, オーバーレイネットワーキング, モバイルネットーワーク
Abstract近年、ディスプレイデバイス技術の高度化により、液晶、PLDといった従来のディスプレイデバイスに加え、電子ペーパー、有機ELディスプレイなども製品化されている。また、それらの表示デバイスの中には、LAN、Bluetooth、赤外線などのネットワークインタフェースを持つものが有り、携帯電話から街頭情報ディスプレイが発行する電子クーポンを取得するといったデジタルサイネージ等の広告ディスプレイによる市場が形成されつつある。 本研究では、上記背景を鑑み、携帯電話からプロジェクタや液晶ディスプレイ等の表示デバイスを制御する表示デバイス制御プロトコルについて検討を行った。本研究で提案する表示デバイス制御プロトコルでは以下の要求条件を定義した。1.表示デバイスのサポートするデバイスの情報、機能を携帯電話から取得できること、2.携帯電話上で画像や映像のプレイリストを作成することができ、プロジェクタはプレイリストに従ってスライドショーを実行すること、3.表示デバイスが備える無線LAN、Bluetoothなどのネットワークインターフェースに依存しないこと、4.携帯電話向けの軽量なプロトコルであること、5.表示デバイスは再生するコンテンツを携帯電話もしくは、コンテンツサーバーから取得する。 本研究では、上記の要求条件を満たすために、下位レイヤのネットワークの差異を吸収するオーバーレイネットワーキングプラットフォームを用いた。また、オーバーレイネットワーキングプラットフォーム上で要求条件1、2、4、5の機能を提供するXML形式の表示デバイス制御プロトコルを設計した。設計したプロトコルでは、3つのメソッドを定義している。1つめのメソッドは、プロジェクタのデバイス情報、機能を携帯電話から取得するメソッド。このメソッドでは、製品名、メーカー名、メモリ容量などのデバイス情報の他に、表示可能なコンテンツ、サポートするコマンド(ページ送り、戻り等)を携帯電話から取得することが可能である。2つめのメソッドは、携帯電話上でプレイリストの作成を行うメソッドである。プレイリストはコンテンツのURLをリスト形式で表現している。このメソッドにより、プロジェクタに本体メモリ内のコンテンツをすべて表示してしまう恐れがなく、携帯電話上でプロジェクタ表示するコンテンツをユーザーの手で限定できる。また、本メソッドで定義するプレイリストのフォーマットに従うことで、コンテンツプロバイダなどの第三者がプレイリストを作成することも可能である。また、プロジェクタはプレイリスト内に記述されたコンテンツのURLをもとに、表示するコンテンツをHTTPやOBEX等を用いてダウンロードする。 3つめのメソッドは、表示制御を行うためのメソッドである。本メソッドでは、スライドショーの再生開始/停止、ページ送り、戻りなどの制御コマンドを記述することができる他、メーカーによる独自定義を可能としている。 設計したプロトコルを評価するために、携帯電話からプロジェクタの表示制御を行う試作システムを構築した。試作システムは無線LAN対応の携帯電話、市販の無線LAN対応のプロジェクタ、ゲートウェイ、コンテンツサーバーによって構成される。携帯電話とゲートウェイ上にオーバーレイネットワーキングプラットフォームおよび表示デバイス制御プロトコルを搭載した。ゲートウェイは本研究で提案するプロトコルメッセージと市販のネットワーク対応プロジェクタの制御メッセージの変換する。試作システムでは、携帯電話で撮影した画像リストや、携帯電話本体メモリもしくはコンテンツサーバー上に保存したパワーポイントやPDFといったドキュメントを、プロジェクタでスライドショー表示させることが可能である。

4C-4 (時間: 9:45 - 10:10)
題名携帯端末S/W更新における高速プログラム圧縮方式
著者*清原 良三 (大阪大学大学院 情報科学研究科), 三井 聡 (三菱電機(株)), 松本 光弘 (大阪大学大学院 情報科学研究科), 沼尾 正行, 栗原 聡 (大阪大学産業科学研究所)
Pagepp. 836 - 843
Keyword携帯端末, 圧縮, 差分, 更新