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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2008)シンポジウム

セッション 5E  アドホックネットワーク(2)(MBL)
日時: 2008年7月10日(木) 10:20 - 12:00
部屋: コスモ(1)
座長: 古市 実裕 (日本IBM)

5E-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名実時間インタラクティブシミュレーションによる無線通信アプリケーションの性能試験
著者*前田 久美子, 中田 圭佑 (大阪大学大学院情報科学研究科), 梅津 高朗, 山口 弘純 (大阪大学大学院情報科学研究科 独立行政法人科学技術振興機構,CREST), 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科 独立行政法人科学技術振興機構,CREST), 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科 独立行政法人科学技術振興機構,CREST)
Pagepp. 1113 - 1120
Keywordシミュレーション, 無線ネットワーク, 設計・開発支援, 実時間, 実機
Abstract我々は,無線ネットワークアプリケーション開発支援環境TROWA の設計開発を行っている.TROWA はネットワークシミュレーションを実時間で進行させることにより,実機上の実際のアプリケーションと連動する機能を提供している.また,TROWA はシミュレーション中にノードの移動(モビリティ)などをユーザにより手動で操作できる機能を提供し,可視化ツールにより通信状態などを確認しながら評価対象とするシステムの実行環境を動的に再構成することで,効果的なデバッグや性能評価が可能としている.さらにTROWA ではより高精度な時間的正確性が求められるシミュレーションイベントを優先して処理することでシミュレーション進行の実時間との同期精度を向上させる手法を採用している.本研究では,TROWA の基本設計概念に基づき提案する機能を詳細設計した上で実装するとともに,これらを用いた無線通信アプリケーションの性能試験を行う.実験ではDSR ルーティングプロトコルを利用したマルチホップ通信シナリオにおいて,無効なルートキャッシュが経路再構築時間に与える影響を明らかにすると同時に,TROWA の動的な環境再構成機能の有用性を示す.

5E-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名A Study on Efficient Performance Tests of Wireless Networks by Finding Dominant Factors
著者*中村 雅俊, 廣森 聡仁, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学)
Pagepp. 1121 - 1134
Keywordアドホックネットワーク, センサネットワーク, 組み合わせ試験, ペアワイズ試験
AbstractPerformance of wireless networks is largely affected by depends on the protocol parameter settings, selection of functionalities in different protocol layers, and environmental factors like node density and mobility. Among these factors that possibly affect the performance to some or great extent, it is difficult to identify each “dominating set” of factors that together have great impact on the performance. We may apply some statistical strategies to find dominating sets, such as ANOVA, multivariable analysis and so on. However, most of them assume some restrictions that are too strong or not realistic. Also, we might have to prepare enough test cases to validate the analysis , however applying a considerable number of test cases consumes much time. In this paper, we propose a new test strategy based on the following ideas so that it can be used easily for performance analysis of wireless networks. (i) Pairwise method: it is used in a part of our procedure to generate test cases and reduces the number of test cases while keeping reasonable coverage. (ii) Stepwise strategy: test cases are generated based on analytical results obtained by former steps so that we can check iteratively whether a factor is included in a dominating set or not. (iii) Rank correlation coefficient: this is applicable to wide variety of measurements and helps us to grasp the trends relations between factors. Through a realistic case study, we have proved that we could find dominating sets in wireless network systems, which are probably hard to find in usual performance evaluations.

5E-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名時分割AWiMA Netにおけるデータ通信方式について
著者*明石 藍子 (静岡大学大学院情報学研究科), 西井 龍五 (三菱電機情報技術総合研究所), 萬代 雅希 (静岡大学情報学部), 渡辺 尚 (静岡大学創造科学技術大学院インフォマティクス部門)
Pagepp. 1135 - 1142
Keyword無線アクセスネットワーク, 非対称
Abstract本稿では非対称無線マルチホップアクセスネットワーク(AWiMA)をベースに,シングルホップ通信とマルチホップ通信それぞれのメリットを活かした時分割非対称無線マルチホップアクセスネットワーク(AWiMA Net)を提案する.APの出力を拡大して端末へ直接データ送信を可能にすることで下りデータ中継が解消され,端末にかかる中継負荷やデータ中継遅延を抑えることができる.また,出力の大きなAPが端末間の通信を阻害しないようにネットワーク稼動期間を上りデータ処理期間と下りデータ処理期間に分割することでスムーズな通信を行う.以上の提案方式の基礎評価として,AP1台と端末20台の設置を想定したシミュレーションを行うことで提案方式の有用性を示す.また,単一APでの性能を踏まえ,APを複数台設置した時分割AWiMA Netにおいて衝突が少ないデータ通信を行うためのAP協調型スケジューリングを提案する.複数のAPが存在する場合,サービスエリアが重複しているエリアにおいてデータ衝突や干渉が多発すると考えられる.スケジューリングを行って隣接APが端末情報を共有することで,重複エリアにある端末に対するデータ送信のタイミングをずらし,衝突を抑えたデータ通信を目指す.

5E-4 (時間: 11:35 - 12:00)
題名アドホックネットワークにおけるマルチキャストを用いたデータ転送方式の性能評価
著者*篠原 昌子, 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻)
Pagepp. 1143 - 1150
Keywordアドホックネットワーク, モバイルコンピューティング, 消費電力, データ転送
Abstractアドホックネットワークでは,移動体が自身のもつデータを他の移動体から要求された場合,通常,そのデータを要求した移動体までユニキャストを用いて転送する.この場合,頻繁に要求されるデータがネットワーク上を何度も転送されるため,移動体は多くの電力を消費してしまう.これまでに筆者らは,データの可用性を損なわず,移動体の生存時間を長くすることを目的として,マルチキャストを用いたデータ転送方式を提案した.この方式では,移動体が,複数の移動体から要求されたデータをマルチキャストを用いてまとめて転送することで,トラヒックを削減する. 本稿では,提案方式の性能評価のために行ったシミュレーション実験の結果について述べる.