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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2008)シンポジウム

セッション 6C  グループホーム・センサ活用(GN)
日時: 2008年7月10日(木) 13:50 - 16:00
部屋: シリウス
座長: 岡本 昌之 (東芝)

6C-1 (時間: 13:50 - 14:15)
題名アウェア技術を駆使した見守り中心の介護支援システムの研究
著者*國藤 進, 金井 秀明, 藤波 努 (北陸先端科学技術大学院大学), 中田 豊久 (新潟国際情報大学), 高塚 亮三, 三浦 元喜 (北陸先端科学技術大学院大学), 加藤 直孝 (石川県工業試験場), 山口 聖哉 (富士通北陸システムズ), 伊藤 禎宣 (東京農工大学大学院), 小柴 等 (国立情報学研究所)
Pagepp. 1316 - 1322
Keywordアウェアネス, 介護支援システム, 認知症高齢者, 位置情報, 見守り
Abstract文部科学省知的クラスター創成事業金沢地域における5ヵ年プロジェクト「アウェアホームのためのアウェア技術の開発研究」における最終年度の研究開発の現状と課題について述べる.グループホームの介護者の負担軽減を目的とし,そこに入居する認知症高齢者のためアウェア技術を駆使した“見守り”介護支援システムの研究開発と実証実験が前進した.またスリッパで入居者の室内位置を知るRFIDマットシステムなどの研究が進展し,見守り介護支援システムとの統合を試みている.

6C-2 (時間: 14:15 - 14:40)
題名音によるグループホームにおける入居者の状況把握支援システム
著者*金井 秀明 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学教育研究センター), 中田 豊久 (新潟国際情報大学情報文化学部情報システム学科), 半場 雄介 (リコーソフトウエア(株) ソリューション事業部), 國藤 進 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科)
Pagepp. 1323 - 1328
Keywordアウェアネス, ambient notification system
Abstract目的: グループホーム(認知症対応型共同生活介護施設)において,介護者が入居者の状況を常に把握する必要がある.入居者のプライバシの観点から,各部屋にビデオカメラ等を用いて視覚的に,入居者の状況を把握することはできない.我々は,ビデオカメラ等の視覚情報を用いずに,推定した状況に応じた音によって,グループホームでの入居者の状況把握を支援するシステムを提案する. メソッド:  この研究で,我々は,ビデオカメラ等の視覚情報を用いずに,グループホームでの入居者の状況把握を支援するシステムを提案する.提案するシステムでは,入居者の行動を予測し,その予測した行動を表す効果音を用いて,入居者の状況を介護者等に通知する.システムは,2つのユニット(状況推定部と通知部)からなる.状況推定部は,各種のセンサ情報を入力にしたベイジアンネットによって,入居者の状況を推定する.通知部は,推定した状況をその状況を代表する効果音によって,介護者等に知らせる.その際,推定した状況の確信度に応じて効果音にノイズをのせ,通知した状況をその確信度を含めて,介護者等に知らせる. 結果: グループホームでの実験を行う初期段階として,我々の実験室で,提案システムの各ユニットの動作や性能実験を行った. 状況推定部では,約90%の割合で,被験者の状況を推定できた.通知部では,選択した効果音によって,受信者が推定した状況を音で把握できる割合は,実験に用いた効果音によって,大きなばらつきがあった.したがって,利用する効果音の選択が重要であることがわかった.また,推定した状況の確信度に応じた効果音へのノイズの効果は,テレビ等の日常的な雑音がある場合には,ノイズをのせない場合に比べ,効果があった.しかし,深夜のような静かな環境では,ノイズによる効果はなかった.そのため,環境に応じてノイズの利用は考慮する必要がある. 結論: 結果で述べたように,提案システムは状況をモニタリングする点で有効であった.今後は,実際のグループホームでの実験のために,構築したシステムの改良を行っていく.

6C-3 (時間: 14:40 - 15:05)
題名グループホームにおける介護者支援のためのRFIDマットシステム
著者*三浦 元喜 (北陸先端科学技術大学院大学), 伊藤 禎宣 (東京農工大学), 高塚 亮三, 國藤 進 (北陸先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1329 - 1335
Keyword認知症高齢者介護, RFID, アウェアネス
Abstract我々はグループホームにおいて認知症高齢者介護を行う介護者を支援するため,RFIDアンテナを利用したマットシステムを構築し,実際のグループホームに導入して実験を行っている.介護者は個々の入居者の行動に常に気を配りつつ,個人にあわせた対応と介助を行う必要があるが,介護士の人数が少ないことから,特に夜間は介護士一人で6〜9 名の入居者に対応する必要があるなど,負担が多くなりがちである.提案システムはスリッパに埋め込まれたパッシブRFIDタグをマットが読み取ることにより,誰がいつ,どこに居たかを記録するとともに,必要に応じて介護者に音声で通知を行う.介護者が他の入居者に対応している間など,どうしても状況把握が困難な状況において,システムを用いることによりあとから状況を理解することができる.またそれぞれの入居者の夜間におけるトイレ利用回数や,1日の行動量(移動量)といったデータを蓄積することができ,介護記録を付ける際の参考とすることができる.

6C-4 (時間: 15:05 - 15:30)
題名ファイル管理機能を強化した戸下通信システムの実装と評価
著者山田 翔 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部), *川田 剛志, 藤原 康宏, 齊藤 義仰, 村山 優子 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 1336 - 1343
Keyword戸口通信, グループウェア, アクセス制御, システム評価
Abstract実世界における「戸」は,部屋の入り口としての役割の他に,部屋を訪れる訪問者と部屋の住人との様々な情報交換の媒体としての役割を持つ.本研究では,戸をメタファとしたコミュニケーションを戸口通信と定義し,ネットワーク上で戸口通信を行うシステムを構築してきた.本稿では,戸の下から書類を差し入れるコミュニケーション方法に着目し,ネットワーク上で実現するためのシステム設計と実装,評価について報告する.

6C-5 (時間: 15:30 - 15:55)
題名文献講読履歴を利用した研究支援
著者*鍵福 雅世 (東京工科大学大学院バイオ・情報メディア研究科コンピュータサイエンス専攻), 井上 亮文, 星 徹 (東京工科大学コンピュータサイエンス学部)
Pagepp. 1344 - 1349
Keyword知的生産, 研究活動支援
Abstract研究活動では,研究者は参照文献として挙げたもの以外にも様々な文献を講読する.そのような潜在的な文献や活動は,研究者の試行錯誤の過程を含んでおり,他の研究者が新しいアイデアを考え付くのに役立つと考えられる.本論文では,文献に関わる様々な履歴を利用した研究活動支援システムを提案する.提案システムでは,講読した文献の明示・暗示的な情報が共有データベースへ登録される.蓄積されたデータは時系列順に整理され,一覧表やグラフなど様々な形で他者に提示される.システムのプロトタイプを開発し,履歴の登録・提示機能について検討した結果,意識せずに履歴を記録できる仕組みや,履歴の流れをより詳しく把握できる仕組みが必要であることがわかった.