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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 1F  WSN−通信制御− (MBL)
日時: 2009年7月8日(水) 13:40 - 15:20
部屋: サクラC
座長: 渡邊 晃 (名城大学)

1F-1 (時間: 13:40 - 14:05)
題名優先制御を考慮したセンサネットワークにおける省電力MACプロトコル
著者*高橋 淳, 後藤 康宏, 阪田 史郎 (千葉大学大学院融合科学研究科)
Pagepp. 125 - 132
Keywordセンサネットワーク, QoS, 省電力, IEEE 802.15.4
Abstract無線装置を備えたセンサが構築するセンサネットワークに関する研究が盛んに行われている.センサノードの用途は多岐にわたり,例えば温度・湿度といった環境モニタリングのようなセンサデータや,心拍・血圧といった生体モニタリングのような緊急性の高いセンサデータの収集が想定されている.そのため,QoS制御や,確実にデータを届けるための信頼性の確保が重要な課題である.また,センサネットワークでは,バッテリ駆動での動作が想定されているため,低消費電力で動作することが求められる.一般にシンクノードに各センサのデータが集約されるため,シンクノード付近に輻輳状態となるボトルネックノードが出現する.そのため,バッファオーバーフローや衝突を引き起こし,省電力での動作が困難になる.そこで本稿では,センサネットワークにおけるQoS制御と輻輳制御を備えた省電力MACプロトコルを提案する.提案方式はバッファ使用量に応じて,優先度別の送信抑制,自律的な衝突回避と送信機会の獲得,一定期間の送信権の付与,の3つの制御を適応的に行う.シミュレーション評価により,提案方式が従来方式と比較して省電力かつ高い信頼性を確保することを示す.

1F-2 (時間: 14:05 - 14:30)
題名マルチホップセンサネットワークにおけるスロット予約を利用したパケット衝突回避方式
著者*朱 旭穎 (千葉大学), 川本 良太 (アルファシステムズ), 高橋 淳, 後藤 康宏 (千葉大学), 江守 拓実, 宮崎 伸夫, 原 誠一郎 (アルファシステムズ), 阪田 史郎 (千葉大学)
Pagepp. 133 - 140
Keywordセンサネットワーク, IEEE802.15.4, パケット衝突回避, スロット, スケジューリング
Abstractセンサネットワークでは,センサノードはバッテリやCPUの性能などに制限があるため,消費電力を極力抑えることが重要課題である.センサネットワーク向けの省電力を実現する通信プロトコルを用いることで,スリープ制御を適切に行うことで大幅に電力を削減することが可能である.しかし,隠れ端末問題やトラフィックの増大などによりパケットが衝突する.無駄な消費電力を削減し,省電力化を実現する有効な手段の一つとして,パケットの衝突を回避し再送を減らすことが考えられる.本研究では,MACプロトコルであるIEEE 802.15.4のノンビーコンモードにおいて,親ノードによるブロードキャストで送信されるデータ送信要求に対し,子ノードから一斉に応答がユニキャストにより返信されるため,データの送信が集中し,パケット衝突によるパケットロスが生じやすい.その結果,配信率が低下し消費電力が増大する.本稿では,タイムスロット予約を利用し,子ノードによるユニキャスト応答のタイミングを分散させることで,パケットの衝突を減らし,高到達率を維持しながら電力を抑制する方式を提案する.シミュレーション評価により,提案方式の有効性を示す.

1F-3 (時間: 14:30 - 14:55)
題名電波環境を考慮したバックオフアルゴリズムの最適化に関する実証的考察
著者*渡辺 正浩 (三菱電機(株)先端技術総合研究所), 許 涛, 萬代 雅希, 渡辺 尚 (静岡大学情報学部)
Pagepp. 141 - 149
Keywordバックオフ, キャリアセンス, CSMA/CA, メディアアクセス, アドホックネットワーク

1F-4 (時間: 14:55 - 15:20)
題名高密度配置センサノードの参入成功率および通信成功率向上のための一手法
著者斎藤 隆, *清原 良三 (三菱電機(株)情報技術総合研究所)
Pagepp. 150 - 155
Keywordセンサーネットワーク, アドホックネットワーク, 高密度配置, 参入成功率, 通信成功率
Abstract近年,アドホックネットワークを導入した無線センサノードを数多く設置してセンサネット経由で情報を収集する無線センサネットワークシステム(WSN)を応用したシステムや製品が市場に登場している.こういったシステムの普及にはコストが下がることが重要である.コストを下げるためには普及が進むことにより,量産が可能になることも重要だが,設置する状況ごとに設定をするな どの設置コストと電池の交換などの保守のコストも重要となる. 本論文では設置のコストや保守のコストを考慮した上で,製品としての保証も考えた場合に避けられないセンサノードの高密度配置時の課題として(1)ルート構築直後のデータ通信失敗,(2)通信ルートループ,(3)二重参入の3つに関して簡単な実装での解決手法を提案するとともに,ZigBeeに準拠したセンサノードを用いた実証実験による評価結果を報告する.