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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 5G  位置情報アプリケーション (UBI)
日時: 2009年7月9日(木) 10:20 - 12:25
部屋: コスモス
座長: 井上 創造 (九州工業大学)

5G-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名距離測定に基づく利用者操作情報抽出とルール記述モデルの一提案
著者*佐藤 康二, 阪田 史郎 (千葉大学大学院 融合科学研究科)
Pagepp. 1102 - 1107
Keywordセンサネットワーク, 機器連携, 位置情報処理, 操作イベント記述言語
Abstract近年,インターネットやモバイル端末の発達により,いつでもどこでもサービスへアクセスできる環境が整備されつつあるが,映像機器あるいは家電機器の操作においては数多くのボタンを具備するリモコンでの操作がまだまだ一般的であり,利用者の利便性の面で未だ十分なものにはなっていない.様々な機器を操作するために機器あるいは機種によって異なるリモコンの操作に習熟する必要がある,あるいはメニューを使って対象となる操作を選択するためにも複数の階層を辿る必要があるなど使い勝手の悪さが大きな課題となっている.そのため,利用者に対し負担を強いることなく,簡素な操作にて所望の機器を制御することができる仕組みの実現が重要になってきている. 近年のネットワーク技術,特に近距離でのセンサネットワーク技術を用いて,ホームネットワーク内の複数の機器をアドホックに連携・制御させるための技術が検討されている.Bluetooth等ワイヤレス通信手段を備えたモバイル機器など利用者が使い慣れた機器を用いて部屋にあるAV機器を操作する例はその一つとして挙げられるが,対象機器の選択や制御指示決定のために多くのメニュー階層を経由して操作内容を選択する必要があるなど複雑な操作を必要とすることからよりシンプルで使い勝手のよい手法の実現が望まれる.加えて複数の機器を連携させる仕組みにおいて1対1通信を基本とする通信メカニズムでは複数機器間でのデータ伝送において効率的でなく,複数機器の連携において有効な通信手段を用いた機構の実現が鍵となる. 本稿では上記観点から,機器間での情報共有および連携スキームへの適用可能性に鑑み,距離センシングによるイベント発火機構とそれを利用者の操作情報抽出に利用するための操作イベント記述モデルに関する検討を行う.複数機器毎に制御用機器との距離測定を行うことで,利用者の操作に関する相対的な値を同時に測定できるメリットを活用し,各機器での測定情報を利用することによる機器間連携の可能性を探るとともに,距離変位測定情報に応じた発火ルールを記述可能な操作イベント記述形式であるManeuverXMLを定義し、それをUI操作手法へと適用した例を示す.

5G-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名位置情報を用いたウェブの事前キャッシュシステムと情報収集手法
著者*佐々木 威, 河口 信夫 (名古屋大学 工学研究科)
Pagepp. 1108 - 1112
Keyword事前キャッシュ, 位置情報, 情報収集, 非定型データ
Abstract近年,“いつでも,どこでも”ネットワークに接続し,オンライン上の情報を検索・利 用したいという要望が高まってきている.しかし,究極的に“いつでも,どこでも”ネ ットワークに接続できる環境を実現する事は難しい.よって,本稿では,ネットワー クに接続していなくとも,位置情報を用いることによって,事前にユーザが使いそ うなWeb サイトやアプリケーションから情報を集め保存しておき,オフライン時 に保存された情報を引き出すことによって,ネットワークへ接続できなくとも Web 上の情報・アプリケーションを利用できる仕組みと情報収集手法を提案する.

5G-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名歩行可能な簡易VRシステムを用いた 街中情報配信システムの設計と実装
著者*木村 眞吾 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科), 新井 イスマイル (立命館大学 総合理工学研究機構), 寺田 直美 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科), 河合 栄治 (情報通信研究機構), 西尾 信彦 (立命館大学 情報理工学部), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学 メディアデザイン研究科)
Pagepp. 1113 - 1119
Keyword街中情報配信, StreetView, VR, 位置情報, 没入
Abstractバーチャルリアリティ(Virtual Reality:VR)の研究が進歩し,シミュレータや エンターテイメントなど幅広い分野で高い成果が得られている.これらを実現するシ ステムの一つとして没入型装置が用いられている.しかしながら,既存の没入型装置 はコスト,設置場所などの面で大きな制約を受けるため,簡易に導入することが困難 であった.本研究では,一般に販売されている機器であるプラズマディスプレイ,バ ランスWii ボード,PC を用いて簡易的な没入型装置を構築した.そのシステム上に, Google StreetView を用いて現実の街並みを投影し,歩行による操作を実現した.同 時に,Web 上にある地理位置情報に基づくデータを重ね合わせて表示することにより, 街を歩行しながら情報を得られるようにした.本システムを用いて,「大阪・北ヤード ナレッジキャピタルトライアル2009」イベントにてデモンストレーションを行った.

5G-4 (時間: 11:35 - 12:00)
題名移動軌跡からの地点間関連性の自動推定とその応用に関する研究
著者*岡田 和也 (奈良先端科学技術大学院大学), 横山 輝明 (サイバー大学), 門林 雄基, 山口 英 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1120 - 1126
Keyword移動軌跡, 位置情報サービス, 地点間関連構造, 訪問履歴
Abstract人々の日常生活は動線が存在しており,そうした動線が定期的に訪れる地点を結びつけている. 地点間には,この動線によって結びつけられる暗黙の関連性が存在すると考えられる. こうした関連性を利用し,離れた場所間に広告や事故情報の掲示を行なっている. しかしながら,この地点間の関連性は,人々が経験的に持っているものや,固定経路に沿って定義されるもので自由に利用することができない. こうした地点間の関連性を得る事ができれば,人の移動傾向,頻度に基づいた情報提供が可能になる. 地点間の繋がりは,実世界での人の移動から得られる可能性がある. 本論文では,移動軌跡データから訪問地点を推定し地点間の関連構造の取得とその分析を行なう. さらに,地点間関連構造が持つ特徴のサービスへの応用について議論する.