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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 7E  応用・実用システム(2) (DPS)
日時: 2009年7月10日(金) 8:30 - 10:10
部屋: カトレア
座長: 横山 和俊 (NTTデータ 技術開発本部)

7E-1 (時間: 8:30 - 8:55)
題名埋込型ファイルトレース方式の実装と評価
著者*田中 豊, 加藤 弘一, 勅使河原 可海 (創価大学大学院 工学研究科)
Pagepp. 1516 - 1526
Keywordコンテンツ流通管理, トレーサビリティ, ファイルトレース, 追跡
Abstract音楽や動画などのデジタルコンテンツが普及し,ネットワークやリムーバブルメディアなど,様々な手段で流通されている.これに対し,デジタルデータの流通状況を管理することは,コンテンツ管理やマーケティング等に有益である.しかし,デジタルデータは複製が容易なため一端末から複数端末へ流通する,インターネットレベルでの流通が行われるなど,デジタルデータの流通を正確に把握することは難しい.そこで本稿では,デジタルデータの流通管理基盤を構築する方式について述べる.本方式は,実用化されている物流管理を応用し,ファイルに流通情報を埋め込むことで,流通を管理する.また,実装実験を行い,本方式がデジタルデータの流通管理基盤としての実現可能性があることを示す.

7E-2 (時間: 8:55 - 9:20)
題名地磁気・加速度センサを用いた作業トレースシステムの改善と評価
著者*佐藤 永欣 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部), 田島 玲, 高橋 俊博 (日本IBM東京基礎研究所), 小田島 昌一, 鈴木 潤, 石川 泰二 (関東自動車工業岩手工場), 村田 嘉利 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 1527 - 1536
Keyword地磁気センサ, モーションキャプチャ, 作業トレース, 品質保証
Abstract製品の品質は企業活動にとってきわめて重要であり,多くの企業が 製品の品質保証を重視している.工業製品の品質保証においては, 設計,部品,原材料も重要であるが,組立工程において定められた 手順どおりに作業が行われることも重要である. 通常,組立工程には前工程の結果を確認する工程が随所に組み込まれているが, 正しく行われたかを後工程で検出できない作業もある. たとえば,ある部品を複数のネジで固定する場合, 部品の取り付け精度などを保つためネジを締付ける順番が決まっている. しかし,締付け順序を守らなくても,ネジを十分締め付ければ 部品は固定され,見た目からは正常な製品との区別を付け難く, 作業手順逸脱を検出するのは難しい. この場合,取り付け精度の保証は無く,潜在的に不良品である可能性がある. そこで,地磁気センサ,加速度センサを利用し, ルーチン作業における作業員の動きをトレースすることで作業が正しく 行われたかどうかを判別するシステムを開発している. 本論文では,作業員の動作の判別を行う手法にLocal Outlier Factor (LOF)を 計算することに基づく手法を用ることを提案し,その判別手法と評価を述べる.

7E-3 (時間: 9:20 - 9:45)
題名変形擬直交M系列対を用いた光CDMAシステムの特性の検討
著者*田中 秀平, 宇佐見 庄五 (名城大学)
Pagepp. 1537 - 1543
Keyword光CDMA, 変形擬直交M系列対, 多重ユーザ間干渉, EWO信号方式
Abstract近年,光ファイバネットワークの普及に伴い,光通信に適した多元接続方式に関する研究が盛んに行われている.その中の1つの方式として,光符号分割多元接続(Optical Code Division Multiple Access: OCDMA)が注目を浴びている.光CDMAシステムでは,送信信号を各ユーザに割り当てられた拡散符号によって拡散し,情報変調方式に従って変調した後,波長・時間帯域を共有した多重化通信を行う.そのため,送信信号間において,多重ユーザ間干渉が発生し,これが誤りを引き起こす原因の1つとなる.情報変調方式として等重み直交(EWO)信号方式を用いた場合,その多重ユーザ間干渉の影響は取り除くことができるが,最大同時通信者数が符号語総数の半分になるという欠点がある.そのため,これを解決するために変形擬直交M系列対が提案された.しかし,この系列はエネルギー効率に問題がある.そのため,本稿では,変形擬直交M系列対をEWO信号方式に加え,パルス位置変調(PPM)信号方式も合わせて適用することにより,エネルギー効率を改善する方式を提案し,その評価を行う.

7E-4 (時間: 9:45 - 10:10)
題名機械読唇のための特徴的口形の導出方法
著者*宮崎 剛 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科), 中島 豊四郎 (椙山女学園大学 文化情報学部 文化情報学科)
Pagepp. 1544 - 1549
Keyword機械読唇, 聴覚障害者支援, 画像処理, 画像認識, インタフェース
Abstract近年,機械読唇に関する研究が進められている.従来の機械読唇の方法は,カメラ等で撮影した口唇周辺の画像から口形の変化に関する特徴量を取得しているため,特徴量を得るためには実際に発話を行うことが必要であった.そこで,著者らは読唇技能保持者が読唇の際に発話者の口形に着目していることからヒントを得て,いくつかの特徴的な口形にコードを割り当てて計算機で口形を処理する方法を提案した.本論文では,過去に提案した口形に着目する方法を機械読唇で利用するために,発話映像から特徴的口形を導出する方法を提案する.