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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 8B  位置情報と省電力 (MBL)
日時: 2009年7月10日(金) 10:20 - 12:00
部屋: 末広
座長: 山口 弘純 (大阪大学)

8B-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名コグニティブ無線クラウドにおける無線基地局位置推定法
著者*糸賀 優樹, 村田 嘉利, 高山 毅, 佐藤 永欣 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科), 刈田 秀人 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部), 石津 健太郎 (情報通信研究機構)
Pagepp. 1645 - 1651
Keywordモバイルネットワークアーキテクチャ, コグニティブ無線クラウド, 位置推定, 無線LAN
Abstract次世代の無線通信ネットワークアーキテクチャの一つとして提案されているコグニティブ無線クラウド(CWC)は,通信事業者が提供する通信システムだけでなく,個人や企業が提供する通信システムの中から,その時々の状況に応じて最適な通信システムを選択する点が大きな特徴である. このような特徴を持つCWC では,複数の通信事業者および通信システムを跨って基地局の位置を把握する必要があるが,適当な手法が無いのが実情である. 本論文では,端末が受信した周辺基地局の識別子とRSSIのみから各基地局の位置を推定する手法を提案する. 実環境における評価を行うため,通信システムとして無線LAN を用いてRSSI データを測定および収集し,このデータを用いて本手法による基地局の位置推定を行った. その結果,ある程度の誤差はあるものの,基地局の位置関係が把握できる程度に位置推定が可能であることを確認した.

8B-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名地磁気センサを使った高精度測位技術
著者*森 信一郎, 奥山 鏡子 (株式会社富士通研究所ITS研究センター), 峰野 博史, 水野 忠則 (静岡大学 情報学部 情報科学科)
Pagepp. 1652 - 1659
Keyword方位センサ, 歩数計, GPS, 消費電力
Abstract近年、携帯電話へのGPSモジュールの実装の普及が進むにつれ、個人の位置情報を使ったサービスの活性化が進んでいる。しかしGPSは今後の常時測位サービスにおいて必要とされる十分な消費電力削減を実現できていない。そこで、我々は加速度センサと地磁気センサという低消費電力なセンサをGPSと併用した低消費電力な位置測位技術の開発に着手した。その結果、今後の常時測位サービスにおいて端末が身体に固定され、これにより端末が帯磁した場合の地磁気値の誤差補正を行うキャリブレーションが働かず、大きな方位誤差が発生する可能性があることがわかった。そこで、地磁気センサが出力する方位からユーザの直線運動を捕らえてユーザの移動経路を直線に分割し、間欠測位したGPS測位値で直線の方位を補正することで、GPSと同等の測位精度を実現するとともに全体の消費電力を大幅に削減する事に成功した。

8B-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名使用状況の履歴を利用したモバイルコンピュータの動的電力制御
著者*水谷 晶彦 (レノボ・ジャパン株式会社)
Pagepp. 1660 - 1667
Keywordモバイルコンピュータ, 電力制御
Abstract本論文では使用状況の統計データに基づき消費電力の予測を行い,設定されたバッテリ駆動時間の中で最大限のパフォーマンスを提供する動的電力制御ThinkPowerの実装と評価について述べる. 最初に,パフォーマンス指標を重回帰分析して消費電力を推定する方法を解説し,その性能の評価を行った.次にこれに基づく動的電力制御ThinkPowerの動作とその実装について述べる.ThinkPowerは,指定したバッテリー時間を保証しつつ最大のパフォーマンスを提供する制御を行う.これをノートブックコンピュータで動作させたところ,数分以内の誤差でバッテリ駆動時間を制御できることを確認した.

8B-4 (時間: 11:35 - 12:00)
題名内蔵カメラによる画像認識を用いたLCDバックライト制御による省電力効果の検証
著者*杉山 潤 (レノボ・ジャパン)
Pagepp. 1668 - 1672
Keywordモバイルコンピューティング, 省電力
Abstract従来、LCDバックライトの省電力制御は、アイドルタイマーを用いた物が一般的であり最近新たに人感センサーを使用するものが一部実用化されている。本論文では、ノートPCの省電力手法として、最近主にLCD上部に内蔵されるようになったWebカメラを活用し、既存技術よりもさらにユーザビリティと省電力効果のバランスが取れたLCDバックライト制御の方法として、画像認識を用いたLCDバックライト制御を提案し、その効果について検証する。