(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 1B  マルチメディアシステム(1)
日時: 2010年7月7日(水) 12:45 - 14:50
部屋: 朝陽の間1
座長: 木原 民雄 (NTT)

1B-1 (時間: 12:45 - 13:10)
題名環境適合型高品位ライブ映像中継システムの設計
著者*河野 康裕 (岩手県立大学大学院/ソフトウェア情報学研究科), 橋本 浩二, 柴田 義孝 (岩手県立大学/ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 31 - 37
Keywordマルチメディア通信, 分散協調
Abstractブロードバンドネットワークサービスの普及やコンピュータの処理能力向上, および音声や動画圧縮技術の進歩に伴い, 一般に普及しているコンピュータを通信端末とした映像の中継が実現しやすくなった. しかしながら, HD(High Definition)クラスの高品位な映像ソースを扱う場合, 中継先の利用者の通信環境に応じて映像フォーマットを変換する機能や, 中継パスを変更する機能が必要であり, これらの機能を適切なコンピュータ上で動作させる仕組みも必要となる. そこで本稿では, 利用者の通信環境にライブ中継処理を適合させるための中継パス選択手法を提案する. 中継パス候補リストと通信資源の利用状況に応じて, ライブ中継処理を適切な端末上で動作させる仕組みを設計し, 中継パス選択シナリオを示す. また, プロトタイプシステム構成を通して, 高品位映像を考慮した環境適合型ライブ映像中継システムについて概説する.

1B-2 (時間: 13:10 - 13:35)
題名民生用ハイビジョンカメラを用いた立体視映像伝送システムの構築と遠隔教育への適用
著者*近堂 徹, 相原 玲二 (広島大学情報メディア教育研究センター), 藤木 卓 (長崎大学教育学部), 津村 英幸 (長崎大学大学院教育学研究科), 柳生 大輔 (長崎大学情報メディア基盤センター)
Pagepp. 38 - 43
Keyword立体視映像, リアルタイムハイビジョンIP伝送, 遠隔講義
Abstract近年,臨場感・没入感の向上を目的とした立体視(3D)映像技術の開発が進んでおり,様々な分野での応用が期待されている.3D映像による立体的で奥行きのある映像はコミュニケーション向上のための有効な手段になり得ると考えられる.しかしながら,遠隔講義など実環境での適用例もまだ少なく,実践を通しての評価が必要になってくる.本論文では,民生用のハイビジョンカメラを利用したIP伝送システムによる立体視映像視聴環境の構築について述べる.さらに,提案システムと3DコンピュータグラフィックスによるVR環境を組み合わせた遠隔授業について紹介し,アンケートによる主観評価から,システムの有効性と今後の課題について述べる.

1B-3 (時間: 13:35 - 14:00)
題名創発を促すインターネットライブ動画放送システムの設計
著者*津田 侑 (京都大学 大学院情報学研究科), 森村 吉貴, 大平 健司, 森 幹彦, 上原 哲太郎, 喜多 一 (京都大学 学術情報メディアセンター)
Pagepp. 44 - 51
Keywordインターネットライブ放送, 消費者生成メディア, SNS, 電子透かし, 著作権保護
Abstractインターネット上で動画コンテンツを生放送する「インターネットライブ動画放送」に対する取り組みが活発になっている. この種のサービスには多数の視聴ユーザと放送ユーザが混在し, その間のコミュニケーションによって, 創造的な活動の活性化が見込まれる. さらにそこから, 今までにない利用方法や放送内容が産み出されるといった「創発的な現象」が引き起こされる可能性がある. 一方で, 著作権や肖像権を侵害する, 公序良俗に反する内容が含まれるなど問題ある放送がされうる. このような放送システムに動画コンテンツが流通する仕組みがなければ, インターネットを介して爆発的に伝播し, 流通の抑止が困難となる. そこで, 本研究ではさきに述べた問題を考慮した上で, 創発を促すインターネットライブ動画放送を設計する. 放送の不正利用を抑止するために, 動画コンテンツの暗号化, ユーザ管理, 運営者による視聴ユーザの追跡可能性の確保の仕組みを導入する. その上で, ユーザ間の協調活動を活性化させる仕組みを導入し, 創発的な現象の発生を促す. 評価実験は, 既存サービスの利用状況調査より利用の簡便性が重視される傾向にあったため, 構築したプロトタイプのユーザビリティを評価した. その結果, 本研究で挙げた不正利用防止の仕組みはユーザの利用の妨げになるため, これらをユーザに意識させない設計が必要であることがわかった.

1B-4 (時間: 14:00 - 14:25)
題名視聴者コメントを用いた紹介動画作成アルゴリズムの検討
著者*磯貝 佳輝, 齊藤 義仰, 村山 優子 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科)
Pagepp. 52 - 58
Keyword動画共有サービス, 動画紹介, 視聴者のコメント, シーン抽出アルゴリズム
Abstract動画投稿サービスでは膨大な量の動画が投稿されており,これらの中から短時間で興味のある動画を探すのは難しい.ニコニコ動画では『世界の新着動画』というサービスがおこなわれており,その日に投稿された動画の冒頭30秒を視聴し,アンケートにより視聴を続けるかを決定するシステムが存在する.しかし,冒頭からのみ内容を判断することはできない.当該サービスでは,動画に対してコメントを行うことが可能であり,コメントにはその時の再生時間が記録される.このコメント情報を時系列毎に分析することで各シーンの性質を推測可能となり,紹介動画の作成に利用可能であると考えられる.本研究ではコメントの量だけでなくコメントの内容に着目した紹介動画作成におけるシーン抽出の検討を行う.本稿では,紹介動画作成アルゴリズムを検討するにあたり,2種類のカテゴリに属する動画2種類ずつ,合計4種類の動画を用いて紹介動画に必要なシーンの調査を行った.また,紹介動画の性質について考察を行った結果について報告する.

1B-5 (時間: 14:25 - 14:50)
題名リアルタイム動画多画面視聴Webアプリケーション
著者*中野 裕太 (神奈川工科大学大学院工学研究科), 服部 明, 速水 治夫 (神奈川工科大学情報学部情報メディア学科)
Pagepp. 59 - 64
Keyword動画視聴支援, 動画多画面同時視聴, RIA, Silverlight, XAML
Abstract現在,オンライン上で対戦できるゲームが増えてきており,ライブストリーミング配信によるリアルタイム動画サービス(Justin.tv,Ustream.tv,PeerCast,livetube,ニコニコ生放送など)において,ゲームの実況プレイをしている配信をよくみかける.更に,オンライン上で複数人と対戦できるゲームの中には,各プレイヤーのプレイ画面を同時に視聴する方が面白いゲームがある.視聴者が動画を配信しているプレイヤーのプレイ画面を同時に視聴する方が面白いゲームの例をあげると,RTS(Real-time Strategy, リアルタイムストラテジー)ゲームや,オンライン麻雀などがある.しかし,複数のリアルタイム動画を同時に視聴する機能のあるリアルタイム動画サービスはなく,複数のリアルタイム動画を同時に視聴するには,Webブラウザを複数使用し視聴しなければならず,動画を再生しているWebブラウザを配置するのが面倒であったり,操作性が悪いなどの問題点がある.そこで,本研究では,1つのWebブラウザ上で,複数のリアルタイム動画を同時に視聴することのできるWebアプリケーションを作り,Webブラウザを複数使用し視聴するよりも便利なものにすることが目的である.