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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 2B  マルチメディアシステム(2)
日時: 2010年7月7日(水) 15:05 - 17:10
部屋: 朝陽の間1
座長: 上原 稔 (東洋大学)

2B-1 (時間: 15:05 - 15:30)
題名Augmented Realityにおけるパズル式マーカの提案とARアプリケーションへの応用
著者月森 彩実, *宮崎 剛, 山本 富士男 (神奈川工科大学情報学部情報工学科)
Pagepp. 332 - 337
Keyword拡張現実, マーカ, ARアプリケーション, 3次元CG
Abstract近年,拡張現実(AR:Augmented Reality)に関する技術が注目されている. ARは現実世界の映像に仮想オブジェクトを合成表示させる技術であり,ARToolKit呼ばれるライブラリが公開されている. ARToolKitではマーカと呼ばれる画像パターンを映像中に認識するとその部分にオブジェクトを表示させる. 通常,1つのマーカに対し1つのオブジェクトを表示させるが,本研究ではマーカのパターンをパズル式にして組み替えられるようにし,多種のマーカを実現する``パズル式マーカ''を提案する. そして,このパズル式マーカを利用して室内に家具等を配置する際のレイアウトを支援するARアプリケーションを構築する. パズル式マーカで家具の材質や形状,色などの組み合わせを変更できるようにし,実際に部屋に家具を配置した場合の映像を作り出すことで,自分の部屋に応じた家具の選択を支援する.

2B-2 (時間: 15:30 - 15:55)
題名共感性コミュニケーションの実現に必要な要素の収集と検証
著者*根本 貴弘, 山内 正人, 遠峰 隆史, 杉浦 一徳 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 338 - 341
Keywordコミュニケーション技術, インタラクションデザイン, 臨場感通信, 感覚提示技術, クラウドコンピューティング
Abstract本論文では,インターネットを活用した,アマチュアモータースポーツ支援のための共感性コミュニケーションを実現し,レースの新しいエンタテインメントの可能性を議論する.共感性コミュニケーションとは,ドライバー,レース参加関係者,観戦者の3者間で実現される情報とコミュニケーションの共有環境によって実現される. ドライバーは,レース中に刻々と変化する状況を考慮しながら,レギュレーションの範囲内で柔軟喝安定した運転を行い上位入賞を目指す.レース参加関係者は,レースの状況,ドライバーの状況を把握しつつ,適切なレース進行に向けたコミュニケーションをドライバーと行い,戦略を共有する必要がある.一方既存のレース体系では,レース観戦者にとっては,レースの状況判断でしか,このような戦略を共有することは出来なかった. 本研究では共感性コミュニケーションを実現するために必要な情報の定義と選択,そして,それらをネットワークを用いることによって効果的に観戦者ならびに関係者と共有できる環境を構築する.

2B-3 (時間: 15:55 - 16:20)
題名極座標を用いた3DMIDIの実装と評価
著者*黒岩 謙 (東京工科大学大学院), 宮田 宙和 (慶応義塾大学大学院), 宇田 隆哉 (東京工科大学大学院)
Pagepp. 342 - 350
Keywordサラウンド, MIDI, 極座標, 3D
Abstract近年,DVDやBlu-rayの普及により,映画やその他のコンテンツが家庭でも5.1ch等のサラウンド環境で利用可能となった. また,現在,マルチメディアコンテンツの中で特に3Dを用いた映像,音声が注目を集めている. その中でも映像と音声を同時に体感できる3D映画の普及により,今後ますます3Dの普及率が上昇する事が期待されている. その結果,サラウンド環境で再生される事を前提とした音声ファイルの需要が高まり,様々な規格のサラウンド対応音声ファイルが作られた. しかし,従来から一般的に利用されていたMIDIはサラウンドに対応しておらず,依然としてモノラル環境のままであった. MIDIを用いたサラウンド楽曲の制作過程では,あらかじめ楽曲で用いる楽器の音をモノラルのMIDIで録音,用意しておき,最終的にミキサーを通して立体的な音を再現している. この方法では,サラウンド化された楽曲の部分的な音の取り直し,音色の変更をミキシングと同時には行えず,モノラルで楽器の音を用意し直さなければならない. つまり,MIDIを最初から用意し直すという事である. これでは,非常に手間と時間がかかってしまい,これがMIDIを用いたサラウンド楽曲を制作する上での大きな障害となり普及を妨げている. そこで筆者らは以前にMIDIをサラウンドに対応させ,ゲームのBGMや効果音として利用できるよう新たにサラウンド化に必要な情報を定義した. その際,既存のMIDI規格に従うよう情報ハイディング技術を用いて既存のMIDIイベントに対してサラウンド化に必要な情報を埋め込んだ. その後,2009年7月23日にMIDI Manufacturers Associationにてサラウンド再生に必要なパラメータが公開され,MIDIもサラウンド対応音声ファイルとなった. しかし,このパラメータは音源の位置が極座標で表現されていない. 音源がリスナーの周囲を旋回する動きの場合極座標表現であるほうが他の表現よりも有利であり,データサイズを節約できる. そこで,本稿では以前示したサラウンド化に必要な情報に改良を加え,パラメータを既存のMIDIファイルにSMFステガノグラフィを用いて埋め込み,実際にサラウンド環境で再生されるプレーヤーを用いて実際の音源の動きとの誤差を測定し,評価する.

2B-4 (時間: 16:20 - 16:45)
題名日本語の発話映像における初口形の検出方法提案
著者*宮崎 剛 (神奈川工科大学情報学部情報工学科), 中島 豊四郎 (椙山女学園大学文化情報学部文化情報学科)
Pagepp. 351 - 356
Keyword機械読唇, 聴覚障害者支援, 画像処理, 画像認識
Abstract情報処理技術を利用して読唇術を実現しようとする研究(“機械読唇”と呼ばれる)が進められている. 著者は,実際に読唇術の技能を身につけた読唇技能保持者が発話中の特徴的な口形に着目していることを受け,これまでにその特徴的な口形を計算機上で扱う方法や発話映像から終口形と呼ばれる口形を検出する方法を提案してきた. 本論文では,発話中に形成される初口形と呼ばれる口形の検出方法を提案する. これまでの提案では,発話映像から口形を検出する方法として特徴的口形をテンプレート画像としたテンプレートマッチングを採用してきたが,その際,初口形が形成されるときに,類似度データに特徴的な波形が表れることを確認した. そこで,ここではこの特徴を活かした初口形の検出方法を提案する.

2B-5 (時間: 16:45 - 17:10)
題名コンピュータスキルと時間的余裕を考慮したユーザインタフェースの検討
著者*稲永 真一 (福岡工業大学 情報通信工学専攻 杉田研究室), 杉田 薫, 横田 将生 (福岡工業大学)
Pagepp. 357 - 362
Keywordデジタルデバイト, 利用者の能力, レベル分け, ユーザインターフェースデザイン, 利用者の興味
Abstract近年、インターネットやWebの普及に伴い、コンピュータ上では様々な組み合わせのマルチメディア情報が利用されている。一方、その利用者は子供から老人まで広がり、利用者の能力や情報端末の性能、ネットワーク特性の違いからデジタルデバイドが重要な問題となってきている。本研究では、デジタルデバイドの解消のため、利用者の能力や環境の違いを前提としたマルチメディア情報の提供方法を目的している。利用者の操作スキルをレベルで分け、さらにパソコンの使用時間を考慮したメディアの分類を行い、メディアと情報端末の性能を選択し、利用者に最適なユーザインタフェースの提供する方法の検討を行ったので報告する