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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 3H  センサーネットワーク(2)
日時: 2010年7月7日(水) 17:20 - 18:35
部屋: 緑風の間2
座長: 斉藤 裕樹 (東京電機大学)

3G-1 (時間: 17:20 - 17:45)
題名階層化ドロネーオーバレイネットワークを用いた空間補間のためのセンサ観測値収集手法
著者*四之宮 潤 (大阪大学 大学院情報科学研究科), 寺西 裕一 (大阪大学 大学院情報科学研究科/独立行政法人情報通信研究機構), 春本 要 (大阪大学 大学院工学研究科), 竹内 亨 (独立行政法人 情報通信研究機構), 西尾 章治郎 (大阪大学 大学院情報科学研究科)
Pagepp. 761 - 768
KeywordP2P, センサネットワーク, 地理情報システム, 空間補間, 観測値分布
Abstract本研究では広域に大量かつ高密度でセンサが配置され,P2P ネットワークにより各 センサが相互接続されている環境において,センサから得られる観測値情報に対して, 指定した等値線幅で等値線図を取得するための効率的なデータ収集法を提案する.一 般に,離散的な観測点を持つセンサ情報の集合から指定領域の観測値分布を再現する には空間補間手法が用いられる.しかし,地理的に近いセンサ観測値は類似する可能 性があるため,対象領域に大量にセンサがある場合,空間補間のために全てのセンサ 観測値を収集することは冗長である.既存手法として,等値線付近のセンサ観測値の み収集する手法や,複数の密度で地理的に一様にセンサ観測値を収集する手法がある が,前者は特に等値線が密な領域で冗長となり,後者は収集するセンサ観測値が疎な 場合に特徴点を取りこぼしてしまう可能性,密な場合には冗長となる可能性があると いう問題がある.そこで,本研究では,冗長な情報を排除しつつ,少ないメッセージ数 で精度のよい等値線図を再現する方法として,階層化ドロネーオーバレイネットワー ク(HDOV) を拡張し,観測値を階層的に集約した上で,特徴点に存在するノードへ 検索メッセージを転送する観測値収集手法を提案する.シミュレーション評価の結果, いくつかの特徴点がある分布において,提案手法は指定詳細度が小さい場合にも区間 の誤差を3 以下に抑えられ,HDOV に対してセンサ観測値数を38%,メッセージ数 を56%に抑えられることが確認できた.

3G-2 (時間: 17:45 - 18:10)
題名有線/無線相互補完通信プロトコルの開発と評価
著者*栗山 央 (静岡大学創造科学技術大学院/自然科学系教育部自然科学専攻), 小幡 憲司, 澤田 尚志 (静岡大学大学院情報学研究科), 峰野 博史 (静岡大学情報学部), 水野 忠則 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 769 - 777
KeywordPLC, WSN, Overlay, Sensor network
Abstract近年、人的活動が消費するエネルギーを、センサネットワークを用いて可視化、最適化するための仕組みが注目されている。我々は、家屋やビルデイングにおけるエネルギーオートメーションシステム、Home / Building Energy Management System( HEMS/BEMS )に着目し、人々のライフスタイルに合わせて、高度なオートメーション制御を実現する、適応型HEMS/BEMS を提案する。 適合型HEMS/BEMS では、異なるベンダ間のセンサやアクチュエイターが、ヘテロジニアスなネットワークにおいて、相互通信可能である。また、センシングデータはマイニングされ、各人のライフスタイルに合わせて最適なオートメーション制御が実行される。 加えて、我々は適応型HEMS/BEMS に最適なセンサネットワークの形態を提案する。それは、無線と有線の二つの異なる通信メディアを相互補完的に利用し、互いの通信メディアを相互補完的に利用可能なセンサネットワークである。我々はこのようなセンサネットワークを、Mutually Complementary Overlay Sensor Network (MOSN) と呼ぶ。 MOSN では、有線メディアと無線メディアを相互補完的に利用することで、通信範囲を拡大することが可能であり、冗長性の確保に伴う通信頼性の向上、およびネットワークライフタイムの長期化を達成することができる。 我々は、MOSNを実現するために、いくつかの評価ボードを開発し、それらの評価ボードを用いて、実際に適応型HEMS/BEMS のプロトタイプ・センサネットワークおよびMOSNのプロトタイプ・センサネットワークを構築し、これを評価した。

3G-3 (時間: 18:10 - 18:35)
題名広域センサネットワーク活用システムのための信頼性確保アーキテクチャ
著者*山内 正人 (慶應義塾大学/NICT), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学/奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 778 - 782
Keywordセンサネットワーク, 信頼性, 分散処理, アーキテクチャ
Abstractセンサからデータを収集し、利活用するシステムが増えている。 しかし、利活用するためにはセンサの信頼性が重要となる場合がある。 本論文では、広域センサネットワークにおいて、リアルタイムでデータ異常の検知を行うための アーキテクチャの提案を行った。 提案では地理位置に基づいてデータを分散管理し、その上で多属性検索が可能な手法を適用した設計を行った。 その環境上で各ノードに筆者らが既に提案した信頼性確保システムを配置した。 提案アーキテクチャがリアルタイムでデータ異常の検知を行えることを確認するために、地理位置に基づいてデータを管理し、 信頼性確保システムを配置した場合と地理位置に関係なくデータを管理し、配置した場合の検知処理時間について計測を行った。 実験の結果提案アーキテクチャが局地的現象にも対応可能な時間間隔、密度で信頼性を確保してリアルタイムに情報収集を行えることを確認した。