(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 4D  ネットワークシステム
日時: 2010年7月8日(木) 8:30 - 10:10
部屋: 如月
座長: 義久 智樹 (大阪大学)

4D-1 (時間: 8:30 - 8:55)
題名コンテキストアウェアIMEシステムの提案と実装
著者*荒川 豊 (九州大学大学院システム情報科学研究院), 末松 慎司 (九州大学大学院システム情報科学府), 田頭 茂明, 福田 晃 (九州大学大学院システム情報科学研究院)
Pagepp. 914 - 922
Keywordコンテキストアウェア, 日本語入力システム, マッシュアップ
Abstract本論文では,携帯端末における日本語入力を快適にすることを目的として,ユーザのコンテキストに応じて辞書データをダイナミックに更新する,コンテキストアウェア日本語入力支援システムの提案と実装について述べる.本論文では,代表的なコンテキストとしてユーザの現在位置に着目し,現在位置に基づいた動的な辞書作成手法,十分な応答速度を満たすシステムアーキテクチャ,Web検索ヒット数に基づくソート手法を提案する.提案システムをPCおよびAndroid端末上に実装し,被験者を用いた実験により有効性を示す.さらに,インターネット上の位置情報を含む文字列を分析し,位置情報と入力文字に相関があることを明らかにし,提案システムの有効性を示す.

4D-2 (時間: 8:55 - 9:20)
題名コンテクスト情報を用いたPC起動制御の一手法
著者*二村 和明, 郭 兆功, 伊藤 栄信, 矢崎 孝一, 中村 洋介, 山田 勇 ((株)富士通研究所)
Pagepp. 923 - 929
Keywordコンテクストアウェアネス, アクセス制御, 位置情報システム, セキュリティ, ユビキタス情報処理
AbstractPCでは、セキュリティ強化のため、BIOSパスワード、ハードディスクパスワード、OSのログインパスワードなど複数の認証が用意されている。しかし、全て設定するのは煩雑であり、特に個人のPCユーザは、パスワードを一切設定せずにPCを利用することも多い。このような状態のPC運用は、情報漏えいなどセキュリティのリスクが伴う。そこで、本報告ではPCのコンテクスト情報を利用することでユーザを煩わせることのない利便性向上を備えた方式について検討を行う。そしてPC起動時にPCの位置などのコンテクスト情報から起動するOSを切り替えや起動抑止を行う一つの制御手法を示すとともに、その実装・実験結果を報告する。

4D-3 (時間: 9:20 - 9:45)
題名携帯電話を利用したPersonal Network構築システム
著者*梅澤 猛, 中内 清秀, 井上 真杉 (情報通信研究機構), 松中 隆志, 蕨野 貴之, 岸 洋司 (KDDI研究所)
Pagepp. 930 - 937
Keywordパーソナルネットワーク, プライベートネットワーク, 仮想ネットワーク, 認証システム, セキュアネットワーク
Abstract情報共有機能は,ネットワークに対するユーザの普遍的要求の一つである.デジタルカメラの撮影データや会議資料の電子ファイルなど,デバイス間でのデータ転送は典型例である.現在市販されているノートPCの大多数は無線LAN機能を搭載し,携帯電話を含めた多くのデバイスがBluetooth他の無線通信機能を有しているなどデバイス間データ共有の条件は揃っているようにみえる.しかし,実際には操作手続きの煩雑さのため実際に既存通信機能を利用したデータ共有が行われることは非常にまれであり,仮に実行した場合もアクセス管理や安全なデータ転送など解決すべき課題は多い. 筆者らは,多様な接続環境(アクセスシステム,利用デバイス)においてユーザまたはユーザグループに閉じたセキュアな情報共有空間(PN: Personal Network)を動的に構築するためのユーザ主導型サービス構築プラットフォーム(USCP: User-driven Service Creation Platform)を提案している.USCPでは,複数のデバイスから構成され,ユーザが要求するサービスを提供可能な仮想環境を,簡易な操作でかつセキュアに構築することを目的とする.本稿では,これを元にして実装した,PNの試作システムについて述べる. 試作システムは,サーバPC,クライアントPC,携帯電話の3要素で構成される.ユーザは携帯電話のNFC(Near Field Communication)機能を利用して,クライアントPCとなるノートPCの認証手続きを行う.PN構築の際の共有鍵を携帯電話上で生成し,クライアントPCのIDと共にサーバPCへと携帯電話網を介してHTTP転送する.一方で,NFC機能によりクライアントPCへも鍵配布を行う.サーバPC上ではPNの生成・破棄などの状態管理が行われ,携帯電話により生成・配布された共有鍵を用いてクライアントPCとのセキュアな通信チャネルを確立する.サーバPCとクライアントPCの間では,PNで利用されるリソース情報が交換され,クライアントPC間のセキュアな通信チャネルとしてPNが構築される.実装したシステムの動作時の各シーケンスにおける所要時間を測定した結果について紹介し,考察を行う.

4D-4 (時間: 9:45 - 10:10)
題名通信アーキテクチャCGSCIPの管理運用評価
著者*村橋 孝謙 (名城大学大学院理工学研究科), 鈴木 秀和, 渡邊 晃 (名城大学理工学部)
Pagepp. 938 - 943
KeywordGSCIP, IPsec
Abstract企業などの組織においてネットワーク内部の端末に自由にアクセスすることを許可すると,内部関係者による情報漏洩などの問題が発生する可能性がある.通信グループを定義する方法は,この問題を軽減するのに有効である.通信グループを構築する既存技術としてIPsecがあるが,管理が煩雑になるという課題がある.我々は柔軟なグルーピングを実現する技術としてGSCIPを提案している.GSCIPではIPアドレスに依存しないグルーピングを実現でき,IPsecに比べ管理負荷が小さい.そこで特定のネットワーク構成を仮定し,IPsecとGSCIPの設定項目数を定量的に比較することによりGSCIPの有効性を確認する.