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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 5F  電子署名/認証(1)
日時: 2010年7月8日(木) 10:20 - 11:35
部屋: 和風
座長: 佐々木 良一 (東京電機大学)

5F-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名RFIDタグ内部データ改竄検出手法と低コスト化の提案
著者*山中 一哉 (東京工科大学大学院), 江原 正規, 宇田 隆哉 (東京工科大学)
Pagepp. 1237 - 1245
KeywordRFID, デジタル署名, 証明書, トレーサビリティ
Abstract近年,国際的にユビキタス社会への関心と需要が高まっている. ユビキタスコンピューティングを構成する技術のひとつに非接触型ICタグがあげられる. 非接触型ICタグを使うことによって得られる利点の一つとして,トレーサビリティの向上が挙げられる. 一例を挙げると,商品の製造者がそれぞれの商品にRFIDタグを取り付け,そのタグ内部の記憶領域の中に製造者や賞味期限等を記録しておく.消費者や流通経路上の業者は,リーダを用いてこれらの情報を読み取る事により,商品についての情報を確認することができる.しかし,ICタグは常時読み書き可能な状態で利用されていることが多く, 流通経路上に不正な業者がいる場合,ICタグ内のデータを自分の都合の良いデータに書き換えてしまうことがある.また,扱う商品の数に比例して編集の手間が掛かることも,管理側へのコスト的な負担となる. 本稿では, RFIDタグ内のデータの正当性を検証できる手法を提案する. そして,データを編集及び追記した者を特定できるようにして問題があった際の責任の所在を明らかにできるようにする. さらに商品の数に編集の手間が比例する問題も,管理方法を工夫することで解決する.

5F-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名即時送信できる配達証明付き電子メール
著者*西浦 翔平, 白石 善明 (名古屋工業大学), 土井 洋 (情報セキュリティ大学院大学), 毛利 公美 (岐阜大学), 福田 洋治 (愛知教育大学), 岩田 彰 (名古屋工業大学)
Pagepp. 1246 - 1252
Keyword配達証明付き電子メール, 即時送信, IDベース暗号
Abstract電子メールで公平な取引を行うためには配達証明の機能が必要である.受領書によってメールが受信者に届いたことを証明する配達証明付き電子メールが考えられている.本研究では,仲介人を用いた公平な取引を実現する配達証明付き電子メールに注目する.PKI(Public Key Infrastructure)に基づく配達証明付き電子メールシステムが提案されている.PKIを用いる場合,送信者がメール送信を行う前に,受信者は認証局,送信者は受信者との予備通信が必要となり,その利用は容易ではない.本稿では,IDベース暗号を用いた即時送信できる配達証明付き電子メールの一方式を提案する.

5F-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名携帯電話を用いた本人認証と電子商取引システムの実装と評価
著者*黒岩 謙, 宇田 隆哉 (東京工科大学大学院)
Pagepp. 1253 - 1261
Keyword携帯電話, デジタルフォレンジック, 電子商取引, ヒステリシス署名
Abstract近年,オンラインショッピングやインターネットバンキングなど,金銭の授受を伴う契約をオンラインで電子的に行えるサービスが増加してきている. このようなサービスの多くは,Webブラウザの画面表示や電子メールの送信といった,電子データをもって取引の完了を通知しており,従来の取引のように注文書や請求に応じる署名などが紙面として残らない. 電子データは誰でも作成や変更が容易に行えるため,取引に関する問題が発生すると,電子データの記録で取引内容を証明することは困難である. 電子商取引の利用者は年々増加しており,それに伴いトラブルも増加している事から,電子商取引におけるデジタルフォレンジックの整備が必要ではないかと考えた. そこで,筆者らは,電子商取引においてユーザとサービス提供者が取引の記録に対してお互いに電子署名を施し,お互いに保存する事でデジタルフォレンジックを実現できるのではないかと考え,その手法について提案を行ってきた. 本稿では,以前に筆者らが提案した方式を見直し,ログの保全方式やログの構造を明確化し,電子商取引において有用なシステムが構築出来るか検証した. 今回,実装システムの単体の処理速度を測定し,実在する電子商取引サイトに対して実装システムを適用したと仮定した上で,システムが行う処理がユーザからのリクエストに遅延無く応答可能であるか,実装システム単体での処理速度を踏まえた上で検証を行った. 検証の結果より,システムの処理速度が実在する電子商取引サイトに対して適応した場合であっても処理は滞りなく行われる事から,提案方式及び,実装システムの有用性が確認できたので報告する.