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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 6G  分散処理
日時: 2010年7月8日(木) 15:10 - 16:50
部屋: 緑風の間1
座長: 田上 敦士 (KDDI研究所)

6G-1 (時間: 15:10 - 15:35)
題名異種端末混在環境における端末の性能を考慮したオブジェクト複製手法
著者*山本 佑樹, 植田 亘 (立命館大学大学院 理工学研究科), 高田 秀志 (立命館大学 情報理工学部)
Pagepp. 1459 - 1466
Keyword分散オブジェクト, モバイルネットワーク, P2P, グループウェア
Abstractリアルタイムな協調作業を支援するシステムを構築するためには,端末間でのネットワークの通信やデータの共有などを考慮する必要がある.そこで,我々はこうしたシステムを構築するためのフレームワークを開発している.近年,スマートフォンなどのさまざまな種類の端末が普及し,これらの端末も協調作業に利用できるようになることが,今後より必要になっていくと考えられる.しかし,さまざまな種類の端末間で動作する協調作業支援システムを構築するとき,異種端末間の性能差や環境の違いなどを考慮しなければならない.本稿では,性能の低い端末上で行われる処理を削減することで,異種端末間の性能の差異を吸収する手法を提案する.本手法の有効性を検証する実験を行った結果,処理の遅延が減少し,スムーズな協調作業ができることが示された.

6G-2 (時間: 15:35 - 16:00)
題名内部統制のための複数のログ収集に関する提案
著者*友野 敬大 (東洋大学大学院工学研究科情報システム専攻), 上原 稔, 島田 裕次 (東洋大学総合情報学部総合情報学科)
Pagepp. 1467 - 1473
Keyword内部統制, ログ管理, ログ統合
Abstract近年,米国企業に留まらず,日本企業でも不祥事が多発し,内部統制の必要性が急速に高まっている.中でも,ログ監査は重要であり,これが適切に行われていない内部統制システムは,脆弱なものになる.また,ログには最終防衛的な意味に加えて企業改善につながる情報が多く含まれている.したがって,ログの的確な活用は,企業において有益である.しかし,ログ監査のためのシステム導入や管理・運用のコストは決して安価ではなく,ログのデータ量に比例してコストがかかる.ログを用いて内部統制を実現するためには,より長期的な保存と多くの種類のログが必要となる.我々は,VLSDを用いた低コストかつ半永久的にログを保存可能なシステムを開発した.しかし,長期間保存する際,スキーマが変更される可能性を考慮しなければならない.そこで,本研究では,複数種類あるログをYAMLによって統一することで,スキーマの変更にオンデマンドに対応できるログを提案する.また,独自のカラムを持つログについても考慮して,データベースとの比較および検討を行う.

6G-3 (時間: 16:00 - 16:25)
題名分散型メタバースサーバにおけるレスポンスに関する評価
著者*松原 麻佑, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1474 - 1479
Keywordメタバース, OpenSim, 分散型サーバ
Abstract将来的な普及が期待されている「メタバース」は,電子データとして構築された仮想3次元空間に,インターネットを通じて接続し利用する新しいサービスである. このメタバースサービスの高機能化と高性能化のために,サーバの負荷とレスポンスという観点から評価を行う. 本研究では,オープンソースソフトウェアとして提供されており,ユーザが所持するマシンにインストールしてサービスを提供可能な分散型メタバースサーバであるOpenSimシステムを用いて評価を行う. すなわち,メタバース実行時のサーバ側の実測評価に焦点を当てる.

6G-4 (時間: 16:25 - 16:50)
題名個人情報の安全な利活用に向けた分散型認証法の提案
著者*半井 明大, 中山 誠也 (東北大学大学院情報科学研究科/東北大学電気通信研究所), 武田 敦志 (東北学院大学教養学部情報科学科/東北大学大学院情報科学研究科), 北形 元 (東北大学電気通信研究所/東北大学大学院情報科学研究科), 橋本 和夫 (東北大学大学院情報科学研究科), 白鳥 則郎 (東北大学電気通信研究所/東北大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 1480 - 1485
Keyword個人情報活用, オーバーレイネットワーク, パーソナライズドサービス, 分散認証
Abstract本稿では,次世代のユビキタス情報社会における高度なユビキタスサービスの実現のために, 安全な個人情報の利活用に向けた分散型認証法を提案している. 次世代ユビキタス情報社会においては,ユーザの個人情報を積極的に利活用した様々なサービスの登場が予想され, ユーザの個人情報を安全に管理,利用する仕組みが必要不可欠となってくる. 本提案では,公開鍵認証に基づいたオーバレイ認証ネットワークを用いて, 分散型でかつ安全な個人情報の登録と利用を可能にしており,ユーザのプライベートな情報を用いた高度なユビキタスサービスの実現の一助となると考えられる. また本稿では,提案に基づいたプロトタイプの実装を行い,提案の効果を確認している.