(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 7H  P2P(1)
日時: 2010年7月9日(金) 8:30 - 9:45
部屋: 緑風の間2
座長: 寺西 裕一 (大阪大学)

7H-1 (時間: 8:30 - 8:55)
題名ノードIDの動的再配置によるDHTの検索性能改善方式の提案
著者*嶋野 裕太, 佐藤 文明 (東邦大学大学院理学研究科情報科学専攻)
Pagepp. 1705 - 1712
KeywordP2P, 情報検索, 分散ハッシュテーブル, Chord, 動的再構成
Abstract現在P2Pの検索方式として分散ハッシュテーブル(DHT)を利用した手法が盛んに研究開発されている。DHTの一つであるChordは、ノードを論理的なリング構造に構成し、リング状に検索要求が転送される。効率的な検索をするためには、検索を始めてから結果が返ってくるまでの時間が短いほうがいい。しかし、Chordのオーバーレイネットワークは実ネットワークの状況を考慮せず構築されるため、無駄の多い検索が含まれる問題点がある。本研究では、Chordリングのノードの配置を動的に再配置し、実ネットワークの状況をオーバーレイネットワークに反映させることで、検索要求の転送時間を削減する方式の検討を行った。提案方式のシミュレーションを行い、検索要求の転送時間を削減することを示せた。今後の課題はさらなる効率化及びノードの再配置を行うことで増加したメッセージ数を削減することである.

7H-2 (時間: 8:55 - 9:20)
題名柔軟な経路表によるオーバレイネットワークのルーティング方式
著者*長尾 洋也, 首藤 一幸 (東京工業大学 大学院情報理工学研究科 数理・計算科学専攻)
Pagepp. 1713 - 1722
Keywordオーバレイネットワーク, DHTアルゴリズム, P2P
AbstractDHT アルゴリズムにおいて経路表を柔軟に管理する概念である柔軟な経路表を示す.この概念に基づいてDHT アルゴリズムを設計することで,従来のDHT アルゴリズムの利点を保ちつつ,高い拡張性が得られる.また,サーバサイドシステムのような数ノードから数百ノードの小さなネットワークから,Peer-to-Peer のような百万ノード超の大規模ネットワークまでに対して一貫して利用可能なDHT アルゴリズムを提供する.一方で,本手法はその拡張性により,分断されたネットワークやネットワーク近接性等を考慮するアルゴリズムの基礎となる.柔軟な経路表をChord に適用したアルゴリズムFRT-Chord を構成した.実験により,FRT-Chord がノード数の小さいネットワークにおいてゼロホップDHT を実現し,ノード数が大きいネットワークにおいてO(logN) の経路長を実現しているこ とを確認した.

7H-3 (時間: 9:20 - 9:45)
題名Chordネットワークにおけるシーケンシャルアクセスに最適な配列の配置
著者*福地 大輔 (東京大学,日本学術振興会特別研究員DC), 本位田 真一 (国立情報学研究所/東京大学)
Pagepp. 1723 - 1732
KeywordP2P, DHT, 配列
Abstractオーバーレイネットワークをアドレス付け可能なように構造化することにより,純粋なP2P環境において,データを効率良く一貫して管理することができる.しかし,このアドレッサブルネットワーク上へのデータ配置は,通常のメモリ上へのデータ配置とは異なる.ピア間で負荷を分散するため,データを散らさなければならない.データセット内での連続アクセスを効率良く行うため,ネットワークの振舞いに合わせてデータセットを配置しなければならない.本論文では,これらを満たす配列の配置規則を提案する.これは最適なシーケンシャルアクセスを実現する最初の手法である.本手法は,既存の配列の配置規則と同様に,代表的なアドレッサブルネットワークであるChordネットワークに対応する.データの分散性,要素から要素への連続アクセスの性能等は既存手法と同等である.この結果は,いくつかの仮定と近似の下,理論的に導かれる.