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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2010)シンポジウム

セッション 8F  MANETとモバイルアプリケーション
日時: 2010年7月9日(金) 10:20 - 12:25
部屋: 和風
座長: 峰野 博史 (静岡大学)

8F-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名MANETにおけるSIPサーバレスシステム
著者*下坂 知輝, 戸川 望, 柳澤 政生, 大附 辰夫 (早稲田大学大学院 基幹理工学研究科 情報理工学専攻)
Pagepp. 1919 - 1927
KeywordMANET, SIP, Ad-hoc Network, NGN
Abstract近年,携帯通信端末でも映像や音楽配信などのマルチメディア通信を利用する機会が増えてきている.しかし,無線通信インフラを利用するには基地局が必須である.そのため,アクセスポイントを必要とせず,全ての端末がルータ機能を持つMobile Ad-hoc Network (MANET)が近年注目されている.また,Voice over Internet Protocol(VoIP)に代表されるようなマルチメディア通信を行う前段階で,セッションを確立するためのプロトコルとしてSession Initiation Protocol(SIP)が利用されるようになってきている.しかし,MANET上でSIPを利用しようとするとSIPの動作が保証されないという問題がある.本稿では,MANETにおいてSIPの動作が保証されない問題を解決する,SIPサーバレスシステムの提案,およびシミュレーションによるシステムの評価を行った.このシステムは,SIPサーバ上で行うべき位置情報の更新をアドホックルーティングプロトコルの経路構築機能に委託することで,SIPサーバレスでMANET上でのSIPの動作を保証する手法である.シミュレーションによる評価によって,SIPサーバレスシステムによるMANET上でのSIP動作の保証と,既存手法に比べ制御パケットの削減できるシステムであることを確認した.

8F-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名コグニティブ無線をベースとした災害情報ネットワークにおけるMin-Max法を用いた拡張AHPによる経路選択
著者*内田 法彦 (岩手県立大学大学院ソフトウェア情報学研究科), 高畑 一夫 (埼玉工業大学人間社会学部), 柴田 義孝 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 1928 - 1938
Keywordcognitive network, wireless network, AODV, AHP
Abstract防災災害情報システムにおいて、無線ネットワークは速やかなネットワーク網の復旧が行えることから有効な手段である.しかしながら、単一の無線LAN通信などの場合、その物理特性などから距離などの制限があり、また災害直後から推移していくユーザ要求に応じたネットワーク構成の変化には対応できない.そこで、本稿では防災災害情報ネットワークにコグニティブ無線を導入した際の通信方式を提案する.提案方式では、拡張AHP方式によって、ユーザ要求に対して最適な無線リンクを選択し、Min-Max法を導入した拡張AODV方式により、最適な経路決定を行い実行する.またその有効性をシミュレーションによって検証した.

8F-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名様々なコンテキストを統一的に利用できるコンテキスト管理プラットフォームの開発
著者*篠原 昌子, 松倉 隆一, 角田 潤, 矢野 愛 (株式会社富士通研究所)
Pagepp. 1939 - 1945
Keywordコンテキスト, モバイル, プラットフォーム, センサ
Abstract本稿では様々なコンテキストを統一的に利用できるコンテキスト管理プラットフォームについて述べる.本プラットフォームは位置情報以外の様々なユーザの状況を組み合わせることで,ユーザのコンテキストの判定精度を向上させることが可能である.また,具体的なコンテキストとして同行者を取り上げ,本プラットフォームを利用した場合の判定精度の評価結果について報告する.

8F-4 (時間: 11:35 - 12:00)
題名子どもの防犯・安全のための携帯電話によるGPSと加速度センサを用いた交通モードのコンテキスト判別
著者*神崎 啓, 猪俣 敦夫, 藤川 和利 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学)
Pagepp. 1946 - 1953
Keywordモバイル, 行動認識, 加速度センサ, 位置情報, 子どもの安全
Abstract近年,子どもや高年齢者の防犯や安全確認のためにGPSやRFIDを用いた位置情報確認サービスが実用化されている.しかし,既存のサービスにおいては,ユーザの位置情報だけを確認できるだけで実際にユーザが危機的状況にいるのかを判別する事が出来ない.そこで本研究では,高機能化が進み,カメラやGPS,RFID,加速度センサなどのセンサデバイスが搭載されている携帯電話に注目する.具体的には,単一モバイル機器としてApple iPhoneを対象とし,位置情報と加速度センサから得られた変化を過去の行動からの遷移的状態として計測し,突発的な加速度の変化に対応し,各交通機関の特有の移動モデルの定義を行いバス,電車といった交通機関を正確に判別する手法を提案する.また,提案手法で判別したコンテキストと位置情報をもとに子どもの危機的状態の検知について評価するために実装したプロトタイプについて報告し,考察を与える.

8F-5 (時間: 12:00 - 12:25)
題名スマートフォンによる遠隔地間作業指示支援システムの実装とその評価
著者*阪本 敦哉, 鈴木 直義, 湯瀬 裕昭, 渡邉 貴之 (静岡県立大学大学院経営情報学研究科)
Pagepp. 1954 - 1961
Keyword遠隔教育, マルチメディアシステム, 電子会議, 応用・社会システム, 実世界指向インタフェース
Abstract著者らは,これまでにスマートフォンを用いた簡易な遠隔地間作業指示支援システムのプロトタイプを構築し,評価実験を実施済みである.その結果,プロトタイプシステムを用いた際に作業時間の短縮効果が確認できたため,システムが有効であるとの結果が得られた.しかしその一方で,両手をともなう作業が困難になる場面が見受けられるという問題点があった. 本論文では,プロトタイプシステムで顕在化した問題に対応するため,ライブ映像とスチル画像を切り替えて作業者に提示する機能を追加した改良型システム「SPRInT」について述べる.また,本システムを用いた場合の評価実験を実施し,システムの有効性を評価する.