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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 1D  宇宙通信
日時: 2011年7月6日(水) 13:55 - 14:45
部屋: パール
座長: 野一色 裕人 (KDDI研究所)

1D-1 (時間: 13:55 - 14:20)
題名TCP-Cherry: 宇宙通信のための新しい輻輳制御方式
著者*内海 哲史 (鶴岡工業高等専門学校/制御情報工学科), 横山 徹也 (鶴岡工業高等専門学校/専攻科機械電気システム工学専攻), S. M. Salim Zabir (フランステレコム株式会社)
Pagepp. 58 - 61
KeywordTCP, 輻輳制御, 宇宙通信, 衛星インターネット
Abstract本論文では,宇宙通信のための新しいTCP 輻輳制御方式であるTCP-Cherryについて述べる.TCP-Cherryは,サプリメントセグメントと呼ばれる,低優先度セグメントを用いる.サプリメントセグメントは,従来のセグメントでまだ送信していないデータを持つと同時に,ネットワークの利用可能な容量を測定する.新しい輻輳制御アルゴリズムであるFast-Foward StartとFirst-Aid Recoveryは,サプリメントセグメントを用いる.TCP-Cherryの独自の特徴は,サプリメントセグメントによる重複した送信によるオーバーヘッドを最小化するところにある.シミュレーションに よる結果,TCP-Cherryは,既存の輻輳制御方式と比べ,最大で150%以上高い性能を示した.

1D-2 (時間: 14:20 - 14:45)
題名TCP-Cherry+: 継続的なエラーが発生する衛星IPネットワークのためのTCP-Cherryの改良
著者*内海 哲史 (鶴岡工業高等専門学校/制御情報工学科), 冨樫 洸 (鶴岡工業高等専門学校/専攻科機械電気システム工学専攻), S. M. Salim Zabir (フランステレコム株式会社)
Pagepp. 62 - 68
KeywordTCP, 輻輳制御, 衛星インターネット
Abstract有線ネットワークと異なる特性をもつ衛星IPネットワークにおけるTCPの改良技術として,TCP-Cherryが提案されている.TCP-Cherryではリンクエラー率の高い衛星ネットワークの輻輳制御のアルゴリズムとしてFast-Forward Start,First-Aid Recoveryを持つ.これらのアルゴリズムではサプリメントセグメントと呼ばれる低優先度セグメントを用いた.これによってデータを送りながら、利用可能なリンク容量を素早く把握することができ,従来のTCP 輻輳制御に比べウインドウサイズを素早く最適なサイズに調整できることを可能とした.しかし,シャドーイングが発生する都市環境下でTCP-Cherryを用いてモバイル衛星通信を行った場合は,なお性能低下が起こる.そこで本論文では,シャドーイング発生する環境下においても活用できる新たな通信方式TCP-Cherry+の提案を行う.また,本提案方式による性能向上を示すために,TCP-CherryとTCP-Cherry+をシミュレータ上に実装し評価する.