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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 3E  センサネットワーク
日時: 2011年7月6日(水) 17:55 - 19:35
部屋: ルビー
座長: 新井 イスマイル (明石高専)

3E-1 (時間: 17:55 - 18:20)
題名無線センサノード群における協調データ処理プロセスの開発支援
著者*森 駿介, 梅津 高朗, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 466 - 482
Keywordワイヤレスセンサネットワーク, 分散モニタリング
Abstractスマートフォンに代表される近年のモバイル端末が持つ加速度センサやコンパス,GPS などの位置検出システムから得た情報を,複数の端末がローカルな協調によって集約や処理を行い,オンデマンドなサービスの提供に利用することなどが期待されている.そのようなデータ集約を行うための協調プロトコルの設計には,位置情報の取得やそれに応じた端末間の通信などをプログラムとして記述する必要があるが,それは一般に複雑となりやすい.そこで本研究では,データの取得タイミングや内容および処理内容を記述するだけで,このような協調型のデータ処理プログラムを,自動で導出する手法を提案する.提案手法では,端末の存在を隠蔽し,センシングする全ての領域のデータセンシングを集中型のプログラムの形で記述する.これに対し,個々の端末が自身の位置情報やセンシング情報をもとに,データ交換の相手やタイミングなどの動作を決定するような協調処理を実現する,センサ端末向けのイベントドリブン型プログラムを導出する.歩行者が多数存在する領域において,それらの端末から位置情報を集約して送信し,サーバ側で歩行者分布を検出するアプリケーションなどを設計例として示し,提案したアルゴリズムを用いて端末プログラムを導出できることを確認した.

3E-2 (時間: 18:20 - 18:45)
題名Sensing through Harvesting: センサとハーベスタの統合可能性に着目した無線センシング手法
著者*中島 直哉, 西本 寛, 川原 圭博, 浅見 徹 (東京大学 大学院情報理工学系研究科)
Pagepp. 483 - 492
Keywordセンシング, 無線センサネットワーク, エナジーハーベスティング, 低コスト, 実装評価
Abstract無線センサネットワークの実現において,管理面と製造面で低コストな無線センサノードが求められている.センサノードの管理面を考えるとエナジーハーベスティングを用いるのが有効であるが,付随する製造コストの増加が問題となる.そこで本稿では,無線センシングの新たなコンセプトとして``Sensing through Harvesting''を提案する.提案手法は,センシングとエナジーハーベスティングを統合することで,エナジーハーベスティングの利点を活かしながら,ノードの製造コストを抑えることが可能である.更に,提案手法をセンサノードプロトタイプとして実装することで低コスト性を証明し,センシングの精度に関して評価を行うことによって,その実用可能性を明らかにした.

3E-3 (時間: 18:45 - 19:10)
題名電力資源制約下におけるセンサ・タスク割当て
著者*鳥海 晋 (東京大学), 本位田 真一 (国立情報学研究所/東京大学)
Pagepp. 493 - 500
Keyword無線センサネットワーク, 割当て問題
Abstract複数のユーザが複数のタスクを投入することのできる共有型無線センサネットワーク(WSN)は敷設コストの面から見て有用である.しかし,WSNは資源制約が厳しく,どのタスクに対しどのセンサを割り当てるかは自明ではない.既存の研究において筆者らは各センサノードが,取得した環境情報をWSNのゲートウェイであるベースステーションに送る際にも電力を消費するモデルを提案した.本論文では,提案された問題について,仮にタスク情報をすべて事前に知っていたとしても最適解を与えることが困難なことを示した.また,オンラインにタスクが与えられるケースについて,タスク発生の分布を元に割当てを分散的に決定する手法を提案した.本手法は貪欲法を元にしており,センサは個々に現在の残余電力から閾値を定め,閾値より効率の良いタスクのみを選択的に実行する.タスクが分布に良く従えばタスク情報を事前に知っている際と性能が近くなることが期待される.また,ソフトウェアによるシミュレーション結果より,我々の提案した割当手法が有用であることを示す.

3E-4 (時間: 19:10 - 19:35)
題名無線センサネットワークの省電力化手法における取得精度向上のための空間的相関性に基づくスリープ制御について
著者*近藤 真也, 神崎 映光, 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 501 - 508
Keyword無線センサネットワーク, スリープ制御, 空間補間, 消費電力
Abstract本稿では,データの取得精度向上を目的として,筆者らが提案した無線センサネットワークの省電力化手法であるODAS/SS を拡張する.ODAS/SS は,通信量の削減とスリープ制御の統合により,各ノードの消費電力を均一に保ちつつ,ネットワーク全体の消費電力を削減している.本稿で提案する拡張手法では,ODAS/SS におけ るスリープ制御において,従来手法で考慮していたノードの位置および残余電力に加え,データ分布も考慮するように拡張し,起動するノードを決定する.これにより,データ分布に応じて適切な数のノードを起動させ,従来手法と比較して,データの取得精度を向上させる.