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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 4B  車車間通信(1)
日時: 2011年7月7日(木) 8:00 - 9:40
部屋: トパーズ
座長: 重野 寛 (慶應義塾大学)

4B-1 (時間: 8:00 - 8:25)
題名VANETにおけるランダムネットワークコーディングを用いた特定エリア内情報配信システムのGNU Radio/USRP2を用いた実環境評価
著者*金原 辰典, 楠嶺 生宏 (静岡大学大学院工学研究科システム工学専攻), 石原 進 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 595 - 603
Keyword車々間アドホックネットワーク, 情報配信, GNU Radio, ネットワークコーディング, 位置依存情報
Abstract筆者らは車々間アドホックネットワーク(VANET)を利用した交通事故や渋滞などの特定位置に関する情報(位置依存情報)の配信手法として,R2D2V(RNC based Regional Data Distribution on VANET)を提案している.R2D2Vは,車両,あるいは路側の機器が生成した位置依存情報を,それが生成された時点で情報の生成位置の近傍(情報配信範囲)にいる全車両と,その後新たに情報配信範囲に入って来る車両に,短時間にかつ効率的に配布することを目的として設計されたRandom Network Coding(RNC)とOpportunisticなデータ配信を組み合わせたデータ配信手法である.R2D2Vは,シミュレーションによる性能評価により,情報配信範囲内への素早く確実な情報配信が可能であることが示されているものの,実環境での性能評価は行われていない.プロトコルの研究を進めてく上で,実環境での動作確認と性能評価は重要である.本稿では,R2D2VをLinuxOS上のプロトタイプとして実装し,ソフトウェア無線開発環境GNU Radioとその専用端末であるUSRP2(Universal Software Radio Peripheral 2)を用いた実環境での測定実験について述べる. 同実験により,R2D2VでRNCを利用することで,無線通信の通信エラーが起きやすい状況において,より高速な情報配信が可能であることを確認した.

4B-2 (時間: 8:25 - 8:50)
題名VANETにおけるランダムネットワークコーディングを利用した位置依存情報配信手法の時間・進行方向を考慮した改良
著者*楠嶺 生宏 (静岡大学大学院工学研究科システム工学専攻), 石原 進 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 604 - 612
Keyword車々間アドホックネットワーク, 情報配信, ネットワークコーディング, 位置依存情報, ITS
Abstract本稿では,突発的に発生した事故や渋滞に関連する情報(位置依存情報)を VANET (Vehicular Ad hoc NETworks) を用いて,情報生成位置の周辺エリアを走行する車両に対して,情報の有効期限の間配信するシステムについて議論する. 筆者らは,これまでにランダム線形ネットワークコーディングと Opportunistic 型データ配信を組み合わせた RNC based Regional Data Distribution on VANETs(R2D2V)を提案している. R2D2V では,車両密度が高い場合におけるデータの一斉配信によるパケット衝突や帯域浪費の問題に対して,ランダムネットワークコーディングの利用,車両速度に応じたビーコンパケットの送信間隔の動的変更,周辺車両密度によるデータの返信確率の動的変更の3つの技法を組み合わせることで,低トラフィックで確実なデータ配信を可能にする. しかし,R2D2V では情報有効領域内にいる車両に対して単純な Opportunistic 型配信よりも低遅延かつ確実なデータ配信が可能であるが,情報生成後に新たに有効領域に進入する車両(新規進入車両)に対しては期待したような迅速な情報配布が出来なかった. そこで本論文では,新規進入車両に対する迅速な情報配布を達成するために,車両の位置と進行方向,情報が生成されてからの経過時間を考慮した情報配布を行う R2D2V の改良手法を提案する. シミュレーションの結果,改良手法では車両密度が高いときにおいてR2D2V や 単純な Opportunistic 型配信よりもより低トラフィックで効率的にデータを配信できることを確認した.

4B-3 (時間: 8:50 - 9:15)
題名車々間通信における地図データの階層化を利用したデータ伝送手法の検討
著者*光川 真由 (同志社大学大学院工学研究科), 山田 達也, 島田 秀輝 (同志社大学理工学部), 佐藤 健哉 (同志社大学大学院工学研究科)
Pagepp. 613 - 619
Keyword車々間通信, ITS, データ伝送

4B-4 (時間: 9:15 - 9:40)
題名経路設定情報を利用した車車間メッセージルーティングプロトコルの性能解析
著者*木谷 友哉 (静岡大学)
Pagepp. 620 - 627
Keyword車車間通信, 数理モデル
Abstract車載カーナビゲーションシステムに設定された目的地情報や,普段の移動経路履歴などを用いることにより,各車両の移動予定経路を高精度で推定可能である. 本稿では,対象を2km四方程度の領域内としVANETのみを用いて任意のノード間の通信を行う際のメッセージルーティングプロトコルの考察を行う. 各車両の予測経路情報を利用して今後のどの時点でどのノード間が無線通信可能になるかを判断するためのノード接続性グラフを作成する方法,および,制御情報である各ノードの予定経路情報を領域内で早く共有するためのブルームフィルタを用いた領域内ノード位置推定法について述べる.