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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2011)シンポジウム

セッション 7H  組み込みOS
日時: 2011年7月8日(金) 8:30 - 9:45
部屋: アメジスト
座長: 太田 賢 (NTTドコモ)

7H-1 (時間: 8:30 - 8:55)
題名Android OS における演算性能とI/O性能の評価と解析
著者*服部 拓也, 新居 健一, 山口 実靖 (工学院大学)
Pagepp. 1399 - 1406
KeywordAndroid, スマートフォン, 性能評価, オペレーティングシステム, データベース
Abstract近年スマートフォンの普及によりAndroid OS が注目されている.Android OSのカーネルはLinuxカーネルをもとに作成されており,ユーザーアプリケーションはJava言語で構築されDalvik VM 上で動作する.本稿では,Android OS を搭載した携帯端末および計算機(PC)の性能と,Linuxを搭載した計算機の性能の調査を調査し,比較を行った.結果,現状では多くの例においてLinuxが性能において優れていることが確認された.また,Android カーネルのモニタリングシステムを提案,構築し,Androidシステムに対して適用した.結果,カーネル内部の処理時間の観察が可能であることが確認された.

7H-2 (時間: 8:55 - 9:20)
題名カーネルモニタを用いたAndroid端末の無線LAN通信性能の解析と性能向上のための一検討
著者*三木 香央理 (お茶の水女子大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1407 - 1414
KeywordAndroid, 組込み機器, スマートフォン, linuxカーネル, モバイル端末
Abstract近年,スマートフォン市場の成長に伴い,携帯端末で動作する組込み機器のソフトウェアプラットホームとして Google社開発のAndroidが注目されている. アプリケーション開発や柔軟な拡張性において注目度の高いAndroid携帯に対し, 本研究ではそのネットワークコンピューティング能力について評価する. Androidの様な組込み機器は,汎用のPCなどとはアーキテクチャが異なるため, インタフェースやリソースの問題から,通信などの動作時に,組込み機器の中でどのような事が 起こっているのか,正確に把握することは難しく,その通信動作を解析する事は興味深い. 本研究では,組込み機器において,カーネルの中の振舞を把握することができるカーネルモニタ ツールを開発し,Androidのトランスポート層においてこれを動作させた. これを用いて,組込み機器の通信時の内部動作を解析することが可能である事を示し,Androidの通信を評価た. さらに通信性能向上を目指し,TCPのソースコードに手を加えた.

7H-3 (時間: 9:20 - 9:45)
題名無線環境下におけるAndroid端末の通信制御ミドルウェア構築に向けた一検討
著者*平井 弘実, 三木 香央理 (お茶の水女子大学), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1415 - 1421
Keywordミドルウェア, 通信システム, 輻輳制御, Android, 組み込みデバイス
Abstract近年,携帯電話に代わる端末としてスマートフォンが爆発的に普及している.スマートフォンは移動端末であり,移動先や移動中において様々なアクセスポイントに接続して通信を行うため,一台のアクセスポイントを共有するスマートフォンが多い時,輻輳により通信性能の低下が頻繁に起きている. 本研究では,スマートフォンをより便利な端末にするために通信性能無線LAN 環境下において,実際に同一アクセスポイントの共有端末数を考慮した発信側のTCPパラメータ調節を行い,効率のよい高速無線通信の確立するミドルウェアの開発を目指している. 本稿では既存のシステムの課題を明らかにするため,転送量を様々な大きさに分割して通信実験を行い,通信スループットを測定した.そしてこの実験結果を元に,代表的なBlockSizeでパケット転送を行っているときのTCPの振舞を解析を行った結果,このBlockSizeを環境変えることにより,既存のTCPに手を加えずに,フロー制御を理想的な振舞をさせるようにできることがわかった. 今後は同一アクセスポイント共有ノード数を考慮して,トランスポート層の送り出すセグメント量を最適化するミドルウェアを開発し,より高性能な通信の確立を目指す.