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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 1C  コンシューマ・デバイス
日時: 2012年7月4日(水) 12:45 - 14:50
部屋: 長流の1
座長: 齊藤 義仰 (岩手県立大学)

1C-1 (時間: 12:45 - 13:10)
題名Androidアプリケーションの起動性能解析システムとその評価
著者*永田 恭輔, 山口 実靖 (工学院大学大学院 電気電子工学専攻)
Pagepp. 83 - 90
KeywordモバイルOS, 仮想計算機, Android, アプリケーション起動性能
AbstractAndroidはスマートフォン、タブレットPC、音楽プレイヤーなど、様々なデバイスで採用されており、その世界シェアは年々増加している。しかしながら、Androidは未だ発展途上であり、Androidの性能は十分ではないと言える。Androidアプリケーションの起動時間は、ユーザーにとって重要な性能の一つであるが、その解析環境は整っておらず、性能について詳しく議論することができない。研究ではアプリケーションの起動性能に焦点を当て、詳細な分析を可能にすることを目的とする。本論文では、アプリケーション起動に関連のある処理に要した時間を記録する為に、Androidのソースコードに修正を加え、アプリケーション起動手順の詳細な調査を可能にするシステムを提案する。提案手法を実装し実際にアプリケーションの起動解析に用いたところ、アプリケーション起動において多くの時間を要する処理の発見、考察などが可能であることが確認され、提案手法が有効であることが確認された。

1C-2 (時間: 13:10 - 13:35)
題名Android端末におけるデータベースアクセス性能の解析と考察
著者*服部 拓也, 山口 実靖 (工学院大学大学院 電気・電子工学専攻)
Pagepp. 91 - 96
KeywordAndroid OS, 組み込みOS, モバイル
Abstract近年のスマートフォンの普及により,Android OSが注目を集めているが,性能評価や動作解析の報告は数少ない.我々はこれまでに,x86プロセッサを搭載した同一計算機上において,Android OSおよびLinux OSの基本的な性能評価を行ってきており,Android OSがLinux OSよりも低い性能を示すことを確認している.その中でも,SQLiteを用いたデータベースファイルへのInsert処理の性能に大きな差があることがわかっている. 本稿では,Android OSにおけるI/O処理時の動作を俯瞰的に調査し,SQLiteによるInsert処理時の性能低下の原因を考察できる解析システムを紹介する.そしてAndroid OSを搭載した携帯端末に適用し,Insert処理実行時のアプリケーション,データベース管理システム,カーネルの動作の解析を行う.

1C-3 (時間: 13:35 - 14:00)
題名PLC/RF相互補完通信における環境変化に追従可能なDODAGルーティングメトリクスの研究
著者*遊佐 直樹 (静岡大学大学院自然科学系教育部), 澤田 尚志 (静岡大学情報学研究科/日本電気株式会社), 栗山 央 (静岡大学大学院自然科学系教育部), 光岡 正隆 (アドソル日進株式会社), 峰野 博史 (静岡大学情報学研究科)
Pagepp. 97 - 104
Keywordルーティング, センサネットワーク, RPL
Abstract我々は有線通信と無線通信を組み合わせたMCCPを提案してきた.MCCPではルーティング処理にDODAGルーティングを用いることでデータ収集率の向上を図っている.しかし,急峻な環境変化に対しDODAGの更新が間に合わず,データ収集率の低下を招いている.そのため,DODAGが通信環境の変化に追従可能であれば,通信到達率の向上すると考える.本研究では,通信環境の変化を検出,反映させるLLD(Link Leap/sLump Detection)を提案する.結果として,最適な経路が時間ごとに切り替わるような環境でのデータの収集率が,従来では60\%弱であったが,LLDでは90\%まで向上させることができた.本提案方式を用いることで,センサーネットワーク等でのデータ収集率を飛躍的に向上させることが可能である.