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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 4H  ライフログ
日時: 2012年7月5日(木) 8:15 - 9:55
部屋: 安宅の4
座長: 由井薗 隆也 (北陸先端科学技術大学院大学)

4H-1 (時間: 8:15 - 8:40)
題名センサデータと操作履歴を用いたナレッジワーク向けライフログ活用アプリケーション
著者*岡本 昌之, 長 健太 ((株)東芝 研究開発センター)
Pagepp. 1085 - 1092
Keywordナレッジワーク, ライフログ, 可視化, トピック推定
Abstract本論文では,ナレッジワーカーの活動履歴振り返りや作業ファイルの再利用を支援するためのライフログ活用アプリケーションを提案する. 本アプリケーションは端末のセンサ情報,操作履歴,利用文書からのライフログイベント生成,LDAとC-valueによるトピック推定を考慮したキーワード抽出により,タグとトピックが付与されたナレッジワークライフログを自動的に生成する.生成されたライフログを用いることで,タイムライン表示による活動履歴振り返りやファイル再利用,カレンダー・グラフ表示によるトピック単位による活動履歴の俯瞰が容易となる. 4名の被験者によるアプリケーションの利用評価を通じ,提案方式によるキーワード抽出がアノテーションやトピックの見出しとして有効であることを確認するとともに,詳細な活動時間の把握に関する課題を確認した.

4H-2 (時間: 8:40 - 9:05)
題名社会活動の写像化を目的とした簡単入力インタフェースの実現
著者*村瀬 結衣 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科), 遠峰 隆史 (慶應義塾大学KMD研究所), 杉浦 一徳 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 1093 - 1100
Keywordインタラクションデザイン, ネットワーク, 行動記録, コミュニケーションデザイン, アプリケーション
Abstract社会活動をリアルタイムでネットワーク上に同期可能なインタフェース,簡単入力 インタフェ−スを実現する.簡単入力インタフェースは,実世界の人物の活動を,そ のままネットワーク上に再現する実世界インターネット透過環境の構築を目的とする. 人物の活動が虚偽ではなくネットワーク上で再現され,どこからでも接続可能にな ると,サーバではなく人物でつながるインターネットが実現され,インターネットの置 き換えが起こる.インターネットで人物の活動や経験に接続することで,コンピュー タ操作が隠蔽され,人物の活動を入力として遠隔コミュニケーションを行うことがで きる.実世界での社会活動をネットワーク上に再現するためには,入力の簡単さ,リ アルタイムさが不可欠である.そのため本論文では,簡単でリアルタイムな入力イン タフェース,簡単入力インタフェースの設計と,簡単入力インタフェースの実現とし て,ワンタッチで情報入力を行う,携帯用バックチャーム型インタフェースCocots を制作した.

4H-3 (時間: 9:05 - 9:30)
題名高齢者のための簡易栄養管理システムにおける食事記録方法の検討
著者*川島 基子, 吉野 孝 (和歌山大学), 江上 いすず (名古屋文理大学), 岡本 和士, 藤原 奈佳子 (愛知県立大学), 石川 豊美 (名古屋文理大学), 紀平 為子 (関西医療大学), 入江 真行 (和歌山県立医科大学)
Pagepp. 1101 - 1109
KeywordWEBサービス, ネットワークサービス, 高齢者, 栄養管理
Abstract現在,日本は超高齢社会であり,高齢者の健康維持のためには食生活の把握と改善が不可欠である.そこで,スレート型PCを用いて高齢者のための簡易栄養管理システムを開発した.本システムは高齢者自身が継続して利用可能な簡便さの実現を設計方針としており,2つの特徴がある.1つめは,食事内容を大まかに記録することである.本システム内には,170種類の料理や栄養剤があらかじめ用意されている.ユーザはこれらの中から料理を選択し,大まかな摂取量を入力して食事の記録を行う.2つめは,記録した内容に対するフィードバックが即時に得られることである.これには,栄養摂取状況が適切であるかを示した表と,食生活改善のためのアドバイスとなるメッセージの2種類がある.本システムの課題は,あらかじめ用意された170種類の料理に含まれない料理を記録する方法である.これまで,本システムでは,記録したい料理が選択肢になかった場合は類似の料理を代わりに記録するようユーザに依頼してきた.しかし,高齢者2名に協力を依頼した試用実験で,類似の料理を代わりに記録すると,その記録内容に不満が生じ,食事の記録に対するフィードバックへの信頼性が低くなるという問題点が挙げられた.そこで,選択肢にない料理を新規登録する機能をシステムに付加した.本稿では,高齢者2名に協力を依頼し,試用実験と同程度の期間行った実験について述べる.新規登録機能により,食事の記録に対する不満が解消され,フィードバックに対する信頼性が大きく向上した.その結果,約1週間の実験期間中に被験者らの食生活に影響を与え,改善させることが出来た.

4H-4 (時間: 9:30 - 9:55)
題名大規模人間行動センシングコーパスHASC2012corpusの概要とその応用
著者*河口 信夫, 渡辺 穂高, 楊 天輝, 小川 延宏, 岩崎 陽平, 梶 克彦 (名古屋大学大学院工学研究科), 寺田 努, 村尾 和哉 (神戸大学大学院工学研究科), 羽田 久一 (東京工科大学メディア学部), 井上 創造 (九州工業大学大学院工学研究院), 川原 圭博 (東京大学大学院情報理工学系研究科), 角 康之 (公立はこだて未来大学システム情報科学部), 西尾 信彦 (立命館大学総合理工学院・情報理工学部)
Pagepp. 1110 - 1116
KeywordHASC, 行動センシング, 行動コーパス, 行動信号処理, 加速度センサ
Abstract人間行動の理解は,情報システムの究極の目標の一つである. 我々は装着型センサを用いた人間行動の大規模コーパスの構築を 行うために,HASC Challengeを2010年,2011年と開催した. これらの成果として,HASC2011corpus(被験者数116, 行動データ数4898), HASC2012corpus(被験者数136, 行動データ数7668)を構築した. 本稿では,HASC2012corpusの概要と,新たな実環境データの 応用について述べる.