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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 6H  Webアプリケーション
日時: 2012年7月5日(木) 15:25 - 17:30
部屋: 安宅の4
座長: 笹井 一人 (東北大学)

6H-1 (時間: 15:25 - 15:50)
題名位置情報付きツイートの時空間的局所性の解析によるローカルイベント検出手法
著者*杉谷 卓哉, 白川 真澄, 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学大学院 情報科学研究科マルチメディア工学専攻)
Pagepp. 1704 - 1711
KeywordTwitter, 位置情報, イベント検出, 時空間的局所性
Abstract日々情報化が進む現代社会において,リアルタイムに現在起こっているローカルイ ベントの発生状況を知りたいというニーズが高まっている.このような要求に対し,最 近では,Twitter を用いた研究に注目が集まっている.Twitter は,ツイートと呼ば れる短いメッセージの投稿と共有を行うソーシャル・ネットワーキング・サービスであ り,リアルタイム性の高いツイートが大量に投稿されている.このようなTwitter の 特徴を利用したローカルイベント検出の研究は数多く行われているが,大規模なロー カルイベントや特定の種類のローカルイベントに限定した手法であることが問題であっ た.そこで本稿では,ローカルイベントの発生に対して関連性の高い内容のツイート が時空間的に集中して投稿されることに着目し,大小様々なローカルイベントをリア ルタイムに検出するための手法を提案する.具体的には,クラスタリング技術を用い てツイートが集中している時間と場所をクラスタとして抽出した後,複数のツイート を含むクラスタに対して,特徴語の共起を検出することにより,ローカルイベントの 発生を検出する.また,特徴語の判定においても,時間的あるいは空間的な局所性を 利用する.2011 年10 月9 日の9 時から15 時までのツイートを対象としてローカル イベントを検出する実験を行い,提案手法の有効性を確認した.

6H-2 (時間: 15:50 - 16:15)
題名クライアントサーバ型PrinterSurfシステムの開発
著者*吉田 忍, 長嶋 呈馬, 齊藤 義仰, 村山 優子 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 1712 - 1716
Keywordプリンタ共有, PrinteSurf, クライアントサーバ
Abstract我々はこれまで,モバイル環境下であってもプリンタを容易に利用できるユビキタス印刷サービスPrinterSurf の実装を行ってきた.先行研究1) では,ドライバの有無にかかわらずネットワーク経由で小型端末からの印刷を実現した.しかし,P2P を用いて実装しているシステムの運用実験において,P2P を使用することに対して情報漏洩の不安やデータの送信経路の不透明性等から使用をためらうケースが存在した.また,JAVA で実装を行ったため,利用するためにはJAVA VM がインストールされている必要があり,新規にインストールが必要となる場合があった. 本論文では,サーバでデータを集中管理できるクライアントサーバ型でPrinterSurfを実装することにより,P2P を用いたシステムに対する不安感の解消を目指す.また,利用者がWeb インタフェースからシステムを利用することで,新規ソフトウェアのインストールを不要とする.これにより先行研究の問題点の解決を目指した.

6H-3 (時間: 16:15 - 16:40)
題名透過型プロキシを利用した自動Webスクラップ方式の提案
著者*西川 由明, 金友 大, 中島 一彰 (NEC 情報・ナレッジ研究所)
Pagepp. 1717 - 1721
KeywordWebスクラップ, プロキシ, http
Abstract本稿では、透過型プロキシを利用した自動Webスクラップ方式を提案し、スクラップされたWebページ閲覧時のページ遷移再現方式について報告する。提案する自動Webスクラップ方式の特徴は、ユーザが閲覧した全てのWebページを保管できることと、サムネイルを利用して視覚的に目的のWebページを探し出し閲覧できることである。自動Webスクラップ方式では、Webページを探し出すとき、サムネイル数が大量になると視覚的に探し出すのが困難になる課題があった。そこで、過去に行ったページ遷移を再現することで、容易に目的のWebページにたどり着くことを可能にするページ遷移再現方式を考案し、評価実験の結果、ページ遷移再現方式の有効性を確認した。

6H-4 (時間: 16:40 - 17:05)
題名フォルダ・プログラミングに対するフォルダI/FとテキストI/Fの比較評価
著者*赤間 浩樹, 山室 雅司 (日本電信電話 NTTソフトウェアイノベーションセンタ), 佐藤 哲司 (筑波大学 大学院 図書館情報メディア研究科)
Pagepp. 1722 - 1730
Keywordフォルダ・プログラミング環境, フォルダプログラム・コンパイラ, マルチメディア処理, マッシュアップ
Abstract近年,画像や映像などを対象とした様々なメディア処理部品がオープンソースとして提供されている.ライブラリやWebサービスAPIとして提供されているこれらの処理部品を使用して,大量データへの繰り返し適用や複数の部品を組合せた処理を実現するには,日常的にプログラミングを行わないPC利用者でも理解が容易なプログラミング環境を提供することが課題となっている.我々は,PCのデスクトップ上で広く普及しているフォルダ概念を拡張し,メディア処理部品を容易にマッシュアップできるプログラミング環境POLDERを提案している.POLDERでは,階層的なフォルダの構造を使うことで,処理の組合せや条件分岐などの制御構造を記述できる.本論文では,数十名の大学生を対象に行ったPOLDERに対するフォルダ・インタフェースとテキスト・インタフェースの利用実験結果を比較評価し,考察する.

6H-5 (時間: 17:05 - 17:30)
題名無線通信の状態に基づく入力データ品質変化時のライフログ解析アプリケーションの動作評価
著者*山下 暁香, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1731 - 1737
Keywordライフログ, 品質, 無線
Abstract近年のデータ収集技術とストレージの大容量化によって,ライフログの実現は以前と比べ格段に容易になった. これを受け,収集されたセンサデータに各種解析を施すことで,ユーザにとって有用な情報に変換するシステムであるライフログ解析アプリケーションが多数開発されてきた. しかし,これらのライフログ解析アプリケーションにおいて,入力データの品質については詳細に考慮されてこなかった. そこで,本稿では,動画データと加速度データを入力とし,人の行動の言語化を出力するライフログ解析アプリケーションにおいて,入力データの品質変化がこのアプリケーションの動作に与える影響を定量的に評価した. データの品質として,無線LANの通信時の品質に注目し,送信データのパケットロスが本アプリケーションに与える影響を評価した. 結果として,アプリケーションが一連のストリームの集合をまとめて処理する場合と,各ストリーム毎に処理する場合で,パケットロスによる影響が大きく異なる事がわかった.