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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 7G  ネットワークシステム1
日時: 2012年7月6日(金) 8:30 - 10:35
部屋: 黒百合の1
座長: 太田 賢 (NTTドコモ)

7G-1 (時間: 8:30 - 8:55)
題名無線LANメッシュネットワークにおけるバッファ制御を中継アクセスポイントに適用した輻輳制御方式
著者*小松 洵, 阪田 史郎, 小室 信喜 (千葉大学大学院融合科学研究科), 塩田 茂雄 (千葉大学大学院工学研究科), 村瀬 勉 (NECシステムプラットフォーム研究所)
Pagepp. 1967 - 1972
Keywordメッシュネットワーク, 輻輳制御, バッファ制御
Abstract無線LANのアクセスポイント(AP)をメッシュ状に構成する,無線LANメッシュネットワークの普及が期待されている.無線LANメッシュネットワークにおいて,複数のトラフィックを中継するメッシュポイント(MP)は,送信機会が相対的に減少するためバッファあふれが発生しやすい.本稿では,MACフレーム受信機会制御(ROC)を端末(STA)に対して適用することでMPでの輻輳を抑制し,スループットを向上させる方式を提案する.また,MPにおいてバッファ制御を行うことにより低遅延,高配信率を実現する.シミュレーションにより,提案方式の有効性を示す.

7G-2 (時間: 8:55 - 9:20)
題名アドホックネットワークにおけるストロングビジートーンの導入とバックオフアルゴリズム修正の検討と評価
著者*伊藤 智洋, 旭 健作, 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科情報工学専攻)
Pagepp. 1973 - 1980
Keywordアドホックネットワーク, ビジートーン, バックオフ
Abstractアドホックネットワークの隠れ端末問題を解決するために、IEEE802.11ではRTS/CTS方式が採用されている。 しかし、RTS/CTS自体がパケットであるため、トラフィック負荷が増加するにつれRTS、CTとデータの衝突が発生しやすい。本稿では、単一周波数の信号からなるビジートーンの電波到達範囲を拡大させたストロングビジートーン(Strong Busy Tone)と呼ぶ特殊な制御信号を用い、周辺端末を制御することで隠れ端末同士の同時通信を防止し、スループットの低下を防止する。さらにCSMA/CAのバックオフアルゴリズムを修正することにより衝突回数を減少させる方法について提案する。

7G-3 (時間: 9:20 - 9:45)
題名指向性アンテナを用いたアドホックネットワークにおけるEnd-to-Endフロー優先制御方式
著者*海津 悠輝, 小室 信喜, 阪田 史郎, 馬 ジン (千葉大学大学院融合科学研究科)
Pagepp. 1981 - 1985
Keyword指向性アンテナ, アドホックネットワーク, 優先制御
Abstract無線通信端末が数多く社会に普及しつつあり,現在の主要な通信方法である無指向性通信では空間利用効率に限界がある.そのため,近年では電波干渉を低減させ,空間利用効率を向上させる指向性通信が注目されている.指向性MACプロトコルとして,OPDMAC(Opportunistic Directional MAC)が提案されている.このMACプロトコルは,フレーム送信を失敗した際に,同じ宛先に対して再送処理を行わず,他の端末を宛先とするフレームを先に処理する.無駄な待ち時間を減らして空間利用効率を高め,ネットワーク特性を向上させる.また,近年では動画や音声といった,マルチメディア通信等のサービスの品質(QoS:Quality of Service)が重要視されるようになっているが,OPDMACは優先と非優先の区別をしていない.本稿では,OPDMACを基に優先と非優先の区別を付加することによって,優先フローのスループットを高める優先制御方式を提案する.シミュレーション評価により,提案方式が有効であることを示す.

7G-4 (時間: 9:45 - 10:10)
題名点滅光を利用した指向性無線通信システムのための点滅光源検出手法の基礎評価
著者*石川 晃平 (静岡大学工学部システム工学科), 石原 進 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 1986 - 1994
Keyword無線LAN, 点滅光源, 位置検出, 画像認識, スマートアンテナ
Abstract無線通信資源の有効活用の為,電波の指向性を動的に変更する事が出来るスマートアンテナの利用が注目されている.スマートアンテナを利用した通信では,あらかじめ通信相手の位置を同期しておく事で移動体との通信が可能となる.位置の同期には,自分の位置情報をビーコンで送信する,ビーム旋回によって通信相手の探索を行うといった手法が挙げられるが,これらの手法では位置情報の同期に電波を使用しており干渉の原因となる恐れがある.そこで筆者らは,視覚的情報による端末検出を用いた指向性無線通信システムFLiSA(Flashing Lights and Smart Antenna assisted mobile communication)を提案している.FLiSAでは点滅光源を通信端末に付加し,カメラで撮影した動画像から点滅光源を検出して通信端末の位置を特定する.本手法では,撮影画像を分割した領域毎の代表値における時間軸上の変化のスペクトルを解析する事で,光源が存在する領域を特定する.本稿では,改良手法として,領域分割手法の改善,スペクトル特徴に基づいた誤検出の排除,背景差分処理を利用した光源の輝度値変化の特徴の明確化と計算量の減少方法を提案し,実際にカメラで撮影した動画を用いてその性能を評価した.実験結果から,基本手法と比較して,光源が存在しない領域での誤検出が減少し,光源の検出精度の向上が確認できた.また,太陽光の影響が特に強い事が確認できた.

7G-5 (時間: 10:10 - 10:35)
題名マルチホーム端末における高速ファイル転送方式の提案
著者*高橋 大斗 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 中村 嘉隆, 白石 陽, 高橋 修 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
Pagepp. 1995 - 2001
Keywordファイル転送, アドホック通信, 並列転送, マルチホーム
Abstractモバイル端末の高性能化に伴い,扱うファイルのサイズは肥大化し続けている.本研究では,アドホック無線通信によるファイル転送を高速化することで,制約が少なく処理が速い,つまりモバイル端末間での手軽なファイル交換手法として活用できると考える.ファイル転送高速化の手法として,本研究ではCMTとGridFTP-APTという2つの技術に注目した.マルチホームを有効活用するCMTと,帯域を有効活用するGridFTP-APTは非常に親和性が高いと考えられるためである.本研究ではこれらの技術を組み合わせ,マルチホーム端末同士のアドホック無線通信における,高速なファイル転送方式を提案する.また,アドホック無線通信というある種限定された環境下において,CMTとGridFTP-APTという2つの技術の有効性を,実機を用いた実験より評価する.