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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 8E  応用システム
日時: 2012年7月6日(金) 10:45 - 12:50
部屋: 剣梅鉢の2
座長: 須山 敬之 (NTT)

8E-1 (時間: 10:45 - 11:10)
題名無線センサネットワークを利用した斜面崩壊検知システムおよびシミュレータ
著者*岩井 将行 (東京大学生産技術研究所), 岡田 謙吾 (株式会社リプロ), 石澤 友浩, 酒井 直樹 (独立行政法人防災科学技術研究所 観測・予測研究領域 水・土砂防災研究ユニット), 瀬崎 薫 (東京大学生産技術研究所)
Pagepp. 2153 - 2160
Keywordセンサネットワーク, 降雨実験施設, 斜面崩壊検知, WSN, 土中水分量
Abstract被害の深刻化が進む斜面災害対策として斜面環境モニタリングシステムを構築する場合,丘陵に安価なセンサノードを大量に配備することで,従来の精密で高価なセンサ機器を設置するものに比べ,簡易かつ広域のモニタリングを低コストで実現できる. 本論文では無線センサ杭の実験を大型降雨実験施設で行い,その結果を基に,最適なモニタリングを実現するために災害リスクの評価として斜面災害の予測に有効な地盤中の含有水分量を時間降雨量から評価する手法を提案し,それをエリアリスクと定義した.そして得られたリスクを指標として,通信レート・センシングレートを動的に変化させることで,省電力化をシミュレータ上で達成した. シミュレーションの結果からは,選択しうる複数のモニタリングポリシに相性があり,示されるパフォーマンスが違うことが確認できた.

8E-2 (時間: 11:10 - 11:35)
題名METsエネルギー換算法に基づく生活活動時の消費カロリー計測手法
著者*松林 静輝 (公立はこだて未来大学 高橋修研究室), 中村 嘉隆, 白石 陽, 高橋 修 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 2161 - 2169
Keyword状態推定, 行動推定, コンテキストアウェアネス, 加速度センサ, スマートフォン
Abstract現在,日本人の死因のうち最も大きな要因を占めるのは生活習慣病である[1].生活習慣病の予防のためには,摂取カロリーと消費カロリーのバランスを取ることが重要である.近年,摂取カロリーについては多くの食べ物に記載されるようになり,簡単に知ることができるようになったが,消費カロリーは簡単に把握することができない.そこで,簡単に消費カロリーを計算するための手法が求められている.活動の種類によって,それぞれの強度と継続時間などから簡単に消費カロリーを計算する手法として,METsエネルギー換算法[4]が知られている.この手法を用いることで,どのような行動をどれだけ続けたかがわかれば消費カロリーを求めることができる.消費カロリーの中でも,スポーツなど特別な運動以外の歩行状態や着座状態など,生活活動は一日の行動の多くを占めるため,一日の消費カロリーを大きく左右すると考えられている[2].従って生活活動の状態を判定できれば,消費カロリーを高精度に計算することが可能となる.しかし,生活活動を検出するためには継続的に計測を行う必要がある. 一方,スマートフォンなど携帯端末の発達に伴い,様々な事象を高精度に計測できるセンサが多数搭載されるようになってきている.これらセンサの中には加速度センサのように動作を検出し,データ系列として記録できるものも多い.またこれらの端末は常時身につけて行動する傾向があるため,日常動作を記録するために都合が良い.このような携帯端末に搭載されているセンサを用いて行動を推定[3],消費カロリーを計算する手法[5][6]もいくつか存在する.階段などの路面状況や移動スピードなどによっても消費カロリーは大きく変化するが,これらまで推定して,高精度な消費カロリーを計算しているような手法は見当たらない.また,現在ほとんどのスマートフォンには,加速度センサが搭載されているため日常計測器として有力なデバイスとして注目されている. そこで本研究では.一日の行動のうち特に生活活動時の消費カロリーを高精度に求めるため,スマートフォン上の加速度センサを用いて,生活活動のより細かな状態推定および消費カロリーの計算を行う手法を提案する.

8E-3 (時間: 11:35 - 12:00)
題名着衣ライフログを活用したファッションコーディネートサービスシステム構成法
著者*山田 貴子, 高見 一正 (創価大学 大学院 工学研究科 情報システム工学専攻)
Pagepp. 2170 - 2176
Keywordライフログ, ファッションコーディネート, レコメンドサービス
AbstractAR(Augument Reality)技術によるヒューマンインタフェースの高度化とユビキタス環境の定着によりライフログに着目した生活支援サービス構成法の研究が進んでいる.本稿では,日々のファッションコーディネートを支援するため,服装の画像情報,着衣回数,カテゴリ,着心地及び外出先の情報(場所,気温,天候,風速)からなる要素で着衣ライフログを構成し,その日の環境情報に適合した服装をレコメンドするシステムとしてIntelligent Mirror (IM)を提案する.また,ユーザ要求と着衣ライフログとの類似度を判定する式を定義し,レコメンドアルゴリズムを明確化した.IMを試作し,80日分のログを収集して,有効性を評価した.

8E-4 (時間: 12:00 - 12:25)
題名女子力測定のための情報処理システムに関する一考察
著者*徳山 眞実, 廣井 慧, 山内 正人, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 2177 - 2181
Keyword女子力, 感性情報処理
Abstract昔から「もっと可愛くなれる!」「より美しくなれる!」等といった曖昧な言葉を用いて効果を謳った商品の販売が行われている.しかし,消費者にとっては分かり辛い指標であり,効果についての誤解を生む場合もある.そこで,このような曖昧な言葉を数値化してやることで,具体的な効果を示す事ができ購買意欲をあげることが出来ると考えられる.本研究ではこのような曖昧な言葉の構成要素を明らかにし,言葉の重み付けを行い数値化するシステムを構築することを目的とする.本稿では,消費者にとっては分かり辛い指標である,曖昧な言葉を数値化する感性情報化システムの提案を行い,数値化する際必要な構成要素の抽出過程を考察した.また,構成要素を重み付けする必要性にと数値化に必要な手順ついて述べた.そして実際に「女子力」という言葉を例にあげ,構成要素の抽出過程を考察するためメディアでの扱われ方,言葉とともに使われている言葉の解析とアンケートによる意識調査を行った. その結果,メディアでの扱われ方や言葉の解析からは外面的,客観的なキーワードを抽出することができ,アンケートによって行った意識調査からは主観的,内面的な判断基準を抽出出来ることが分かった.