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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 2A  統一テーマセッション-参加型センシング
日時: 2013年7月10日(水) 14:50 - 16:50
部屋: ハルニレ・アカシア
座長: 中澤 仁 (慶應義塾大学)

2A-1 (時間: 14:50 - 15:30)
題名(招待講演) ユーザ参加型都市環境センシングとその課題
著者*瀬崎 薫 (東京大学空間情報科学研究センター)
Pagepp. 238 - 239
Keywordユーザ参加型センシング, センサネットワーク, プライバシー保護, 都市環境

2A-2 (時間: 15:30 - 15:50)
題名参加型センシングにおけるセンシング誤差を考慮したサンプリングレート制御手法
著者倉沢 央, *佐藤 浩史, 山本 淳, 川崎 仁史, 中村 元紀 (日本電信電話株式会社 NTT未来ねっと研究所), 松村 一 (NTTアドバンステクノロジ株式会社), 山下 靖貴, 鈴木 誠, 森川 博之 (東京大学)
Pagepp. 240 - 248
Keyword参加型センシング, サンプリングレート制御, 誤差
Abstractユーザ参加型センシングは,ユーザが集う時空間領域において必要以上に測定値が集まってトラフィックが大きくなってしまうことや,測定の誤差や多様なセンサの混在によって個々の測定値の信頼性が低いことが懸念される.測定値の信頼性を考慮せずにトラフィック抑制を行うと,誤差が大きく精度の低い移動型センサノードの影響によって,測定結果が不正確になりうる問題があった.これに対して,我々は,センサデータの収集トラフィックを抑制しつつ,時空間領域における測定値の母平均の信頼区間幅を狭めて測定結果の信頼性を確保する,サンプリングレート制御手法を提案する.提案手法は,時空間領域における測定値の信頼区間幅を基準に分布の推定に十分なセンサデータの量を算出し,すべての移動型センサノードに均一な低いサンプリングレートを設定して,集めるセンサデータの量を削減する.実験では,収集対象の移動型センサノードを間引く手法よりも,誤差の影響を抑えられることを確認した.また,測定値の信頼区間幅を指定した大きさ以下にする条件下で,常に一定のサンプリングレートで収集するよりも9分の1にまでトラフィックを抑制できることを確認した.

2A-3 (時間: 15:50 - 16:10)
題名モバイル端末を用いたユーザ参加型環境センシングにおける誤計測地点の検知・修正手法
著者*重田 航平 (東京電機大学未来科学部情報メディア学科), 青木 俊介, 劉 広文 (東京大学生産技術研究所), 岩井 将行 (東京電機大学未来科学部情報メディア学科), 瀬崎 薫 (東京大学生産技術研究所)
Pagepp. 249 - 256
Keyword騒音センシング, 誤計測検知, モバイル端末, ユーザ参加型センシング, ヒューマンエラー
Abstract我々は広域の地域騒音計測を行うため,世田谷区全域という範囲で,実際にユーザ参加型騒音センシングの実装,運用に当たり,総計2,700箇所の目標地点を設けた.エリアを60のクラスタに分け,のべ40人の調査員に分担し4日間に渡る調査を行った.その際調査員には、目標該当地点にてモバイル端末を使い主観的に周辺環境の調査を行った.調査する内容は騒音とその発生源,及び調査員の主観的判断に基づく3段階評価の臭気調査,さらに同時に自動で明るさや気圧、平均騒音レベルなども計測した.更にポイントごとの計測に加えて,その区間すべてのGPSの記録および連続的な自動データの習得による記録も行った.しかしながら,計測地点の間違いが発生しないため特別なソフトウエアを準備したにも関わらず,今回のセンシングを行った結果,調査前には想定できなかった問題が発生した.見かけ,想定以上に高頻度で目標地点の計測を欠損している場合や,調査するポイントを冗長に計測してしまうなどの多く種類の人為的なミスが発生した.本研究では人為的なミスを分類する.さらに実計測点と目標計測点との距離、計測時間の時間的な間隔,同一計測回数などを考慮した多次元の評価ベクトルを構築し,各計測レコードの「疑わしさ」の資料を定義し誤計測のデータの地点を取り除く手法について説明と評価を述べる.

2A-4 (時間: 16:10 - 16:30)
題名参加型センシングにおける協調制御機構の設計
著者*尾崎 凌介 (青山学院大学理工学研究科理工学専攻), 小川 亮二 (青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科), Niwat Thepvilojanapong (三重大学工学部情報工学科), Teemu Leppänen (Department of Computer Science and Engineering, University of Oulu), 狐崎 直文, 戸辺 義人 (青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科)
Pagepp. 257 - 263
Keywordスマートフォン, 参加型, センシング
Abstract多彩なセンサを内蔵するスマートフォンの普及が近年進んできている.これらのセンサを用いてデータを取得し,サーバに送信する参加型センシングの試みが広がりつつある.しかし,参加型センシングでは全体の調停がないため取得データに過不足が生じ,加えてデータの重複は過剰な消費電力につながる.そこで,本研究では参加者全体の省電力化を達成するために,周囲のクライアントの数に応じてデータ取得・送信間隔を動的に変更する参加型センシングにおける協調制御機構CSSP (Cooperative Sensor-data Stream Protocol)を提案する.CSSPにおいて,サーバがサーバ・クライアント間の全てのセッションを管理し,それぞれのクライアントのデータ取得・送信間隔を決定する.CSSPクライアントは送信間隔の情報を受け取り,通知された送信間隔を元にデータを送信する.CSSPメッセージはHTTP階層の上に実装し、クライアントソフトウェアはAndroidアプリケーションとして実装した。実験において,CSSPを用いることによって参加クライアント同士の協調,参加クライアント一人あたりのバッテリ消費レートの減少,全体としての省電力化を行えることが明らかとなった.