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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 2E  車々間通信とセキュリティ
日時: 2013年7月10日(水) 14:50 - 16:50
部屋: 銀鱗
座長: 屋代 智之 (千葉工業大学)

2E-1 (時間: 14:50 - 15:10)
題名車々間通信における周期的なビーコン送信電力増減による車両位置情報通知の信頼性向上
著者*岡本 圭右 (静岡大学大学院 工学研究科 数理システム工学専攻), 金原 辰典 (静岡大学大学院 工学研究科 システム工学専攻), 石原 進 (静岡大学大学院 工学研究科 数理システム工学専攻)
Pagepp. 375 - 382
Keyword安全運転支援, 送信電力制御, ITS, 車々間通信, ビーコン送信
Abstract周辺車両と協調し車両同士の衝突を回避する安全運転支援システムを車々間通信を用いて実現するために は,各車両が自身の位置,速度等を記載したビーコンパケット配信し,それを受信することによって互いの 位置を正確に把握することが重要となる.特に,近接する車両同士は衝突の危険性が高いため,高頻度に 高精度な位置情報が必要となる.本稿では,各車両が衝突リスクに応じて適切な頻度で周辺車両の位置情 報を把握することに重点を置き,一定周期でビーコン送信電力を増減させるビーコン送信電力動的変更手 法を提案する.本手法を用いることで,遠距離に位置する車両に関しては少ないものの十分な頻度でビー コンを到達させ,また,他通信への干渉を減少させる.一方,近距離に位置する車両には高頻度にビーコ ンを到達させることができると期待される.本稿では,提案手法を用いた場合のビーコン送受信間の距離 とビーコン受信率の関係をシミュレーションにより評価した.シミュレーション結果より,車両密度が高 い場合において,固定送信電力や動的送信電力制御手法の一つDCC を用いてビーコンを送信するより, 提案手法を用いた場合の受信率が高くなることを確認した.

2E-2 (時間: 15:10 - 15:30)
題名無線LANを利用した車車間無線ネットワークの検討
著者*松本 真紀子, 大西 亮吉, 吉岡 顕 (株式会社トヨタIT開発センター), 眞野 浩 (株式会社アライドテレシス開発センター)
Pagepp. 383 - 388
KeywordIEEE802.11ai, マルチホップ, 車車間通信
Abstract近年,自動車への無線LANの搭載が進められている.他の車両やホットスポットとすれ違う一瞬の機会を利用した通信を可能とし,車両同士の中継によって車両のセンシングしたデータを情報センタへ集めるための情報収集インフラの実現に向けて,本論文では無線LANを利用した車載通信システムを提案する.システムは2つの技術で構成されており,ひとつは無線LANアクセスポイント(AP)の仮想化,もう一つは無線LANの初期接続高速化である.仮想APにおいては,ESSID切替やIPアドレス割当を独自の手法で行うことにより,車車間無線ネットワークを構築する.無線LANの初期接続の高速化のために,認証やIPアドレス割当用のサーバをシステムに内包し,すれ違いの機会でのデータ送信を実現する.プロトタイプシステムを試作し,無線LAN APの仮想化によって車車間無線ネットワークが構成されることを確認した.また無線LANの初期接続高速化の評価のために,無線インタフェースの開放時間を変化させ,各開放時間内に転送される通常接続と高速接続のメッセージ数を測定した.その結果,通常接続は無線インタフェースの開放からメッセージ伝送開始まで5秒程度要するのに対して,高速接続は1秒目で既に伝送が開始されており,高速接続によってすれ違いの通信機会を効率的に利用できることを確認した.

2E-3 (時間: 15:30 - 15:50)
題名道路交通網上でパケット配送を実現する距離ベクトルルーティング
著者*阪口 紘生 (奈良先端科学技術大学院大学), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部), 柴田 直樹 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 389 - 397
Keyword高度交通システム(ITS), VANET, 経路制御プロトコル, プロトコル設計
Abstract近年,車社会の発展に向けて車同士が自律的にネットワークを構築するVANETに関する研究が盛んに行われている.VANETでは位置情報を利用しルーティングを行うジオメトリックルーティングが多く利用されるが,ジオメトリックルーティングでは通信を確立するために一定以上の車両密度が必要であり,車両密度の低い郊外での使用は難しい.しかし,広い範囲の道路での通信を実現するためには都市部であっても郊外であっても一様に動作するシームレスなルーティングプロトコルが望まれる.本研究では,車両密度に影響を受けずにパケットを配送するため,路上に設定された無線基地局間で車両を伝送媒体としてパケットを転送する新たなネットワーク形態を提案し,そのネットワーク上でルーティングを行う距離ベクトルルーティング手法を提案する.

2E-4 (時間: 15:50 - 16:10)
題名自動車システムのセキュリティ・セイフティポリシに基づくパケット破棄攻撃への対策
著者*加藤 平成, 井手口 哲夫, 奥田 隆史, 田 学軍 (愛知県立大学 大学院情報科学研究科)
Pagepp. 398 - 403
KeywordITS, 車車間通信, IVC, マルチホップ通信, セキュリティ
Abstract本稿では、自動車システムの内部と外部の情報の連携の安全性と信頼性を実現するために、これらの情報の連携を行う自動車システムに対して、セキュリティ・セイフティポリシを策定する。 また、ポリシの策定に関して、特に車車間通信を利用した自動車システムにおいて予測される脅威と、それらの対策方法を示し、車車間通信環境においては既存の方法では対策困難な脅威の一つであるパケット破棄攻撃に対する方策として、既存のwatchdogを用いて周辺ノードの中継監視する方式に、攻撃が疑われる車両に関して周辺の車両の監視記録に対して問い合わせを行う機能を追加することで、誤検出を抑え、パケット破棄を行う攻撃者を検出・特定できる方策を提案し、提案した手法に対し、シミュレーションを行い、検出率・誤検出率・オーバーヘッドといった項目を既存方法と比較する。

2E-5 (時間: 16:10 - 16:30)
題名高速道路における車々間通信システムへのIDベース暗号の適用とその評価
著者*レスアン ヒウ, 井手口 哲夫, 奥田 隆史, 田 学軍 (愛知県立大学情報科学研究科)
Pagepp. 404 - 409
Keyword車々間通信システム, IDベース暗号, 車々間認証