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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 3G  コンシューマネットワーク
日時: 2013年7月10日(水) 17:05 - 19:05
部屋: 松
座長: 岡部 寿男 (京都大学)

3G-1 (時間: 17:05 - 17:25)
題名往復遅延時間を考慮した無線LANアクセスにおける複数Android端末間の通信制御ミドルウェア
著者*早川 愛 (お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科小口研究室), 山口 実靖 (工学院大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 779 - 786
KeywordAndroid, 無線LAN, RTT, 輻輳制御
Abstract近年,スマートフォンの高機能化が進むにつれて,多くの機能が実現されている. スマートフォンは小型コンピュータという位置付けではあるものの,膨大なデータ管理が必要なアプリケーションにおいては,リソース不足で処理しきれないため,クラウドサーバ上にそのデータを保持し,大容量通信を行うことで対処している. 従ってスマートフォンを利用する上ではこの通信性能が極めて重要であり,本研究では,特に低トラフィックでかつノイズの影響を受けやすい無線通信区間でのクライアント・サーバ間通信において,クライアント側からの発信のパケット転送制御に注目した. 本研究が注目する既存研究では,クライアント・サーバ間通信において,クライアント側からのパケット発信の際に,クライアントのアクセスポイント周りで,互いの通信状況を知らせ合うことにより,輻輳を回避し最適な通信環境を実現する制御を行うという方針の通信制御システムの開発が行われている. 本研究では,この通信制御システムの高機能化を目指した検討を行う. 具体的には各クライアント端末がサーバと通信を行う際の往復遅延時間に着目し,この値を参考にしながらアクセスポイント周りにおける無線通信の最適化を行う手法について,提案と評価を行う.

3G-2 (時間: 17:25 - 17:45)
題名異種規格無線LAN近接時の特性解析
著者*森内 彩加 (お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科), 村瀬 勉 (NEC), 小口 正人 (お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科)
Pagepp. 787 - 791
Keyword特性評価, QoS制御, モバイルルータ, 無線LAN, 実機実験
Abstract近年モバイルホットスポットやスマートフォンのテザリングが普及している.その結果,従来考えてこられなかった,アクセスポイント(AP)が移動する環境についても考慮する必要がある.そこで,移動可能なAPとノートPCやスマートフォンなどの個人の端末(本研究では,これらを併せて“WLANシステム”と呼ぶ)で大量のデータを送受信することが予想される.さらに,モバイル端末の普及や多様な通信端末の登場により,ヘテロジニアスな通信環境についても考慮することが必要不可欠である. モバイルWLANシステムの研究では,端末数やチャネル差に応じた,複数のWLANシステムの近接度に応じた特性評価が行われている.更に,異種WLAN混在時における評価として,IEEE802.11b(11b)とIEEE802.11g(11g)混在時の近接度に応じた特性評価が行われている.しかし,昨今利用が増加しているIEEE802.11n(11n)については,そういった検証が行われていない.さらに11nでは,11bや11gとは異なるフレームアグリゲーション等の特別な設定が可能であることから,これらの混在環境について評価する必要がある.そこで本稿では,11gと11nが混在した環境におけるWLAN間距離に応じた特性評価を行い,さらに,異種WLAN通信時における通信特性改善手法の提案を行った.

3G-3 (時間: 17:45 - 18:05)
題名センサアドホックネットワーク管理のための動作推定方式の検討
著者*寺島 美昭, 川島 佑毅, 河東 晴子, 平田 和史 (三菱電機(株)/情報技術総合研究所)
Pagepp. 792 - 797
Keywordネットワーク管理, センサアドホックネットワーク, トラフィック解析, 動作推定
Abstract近年、被災地に配置した複数のセンサが地形や温度変化等の観測情報を相互交換する事により、観測精度向上や,迅速な観測情報共有による正確な状況把握を実現するセンサアドホックネットワークが期待されている.被災地では劣悪な電波伝搬による狭帯域、帯域変動がある通信となる一方で、利用目的をセンサ情報共有通信に限定しているため、他のトラフィックの影響を考慮せずに、センサを意図的に配置して十分な帯域を確保する計画的な運用が可能である.本稿では通信状況を継続的に監視するセンサアドホックネットワーク運用の課題を分析し、各端末のトラフィック情報からネットワーク動作を推定するブラックボックス管理方式を報告する. 提案方式の実現性を確認するために、OLSR(Optimized Link State Routing)を用いたセンサアドホックネットワークを対象に、シミュレーションにて端末の発信情報を記録し、この情報を観測トラフィックに見立てて動作推定を試行した.この結果、検出した端末毎の2秒周期と5秒周期の制御用トラフィック動作とタイミングの比較から、経路検索を行うフラッティングとTC(Topology Control)パケットを特定し、また、OLSRの特徴であるMPR(MultiPoint Relay)の役割を果たす端末が推定できた.

3G-4 (時間: 18:05 - 18:25)
題名NTMobileによる一般端末向け遠隔DLNA通信システムの実装
著者*清水 皓平, 鈴木 秀和 (名城大学大学院理工学研究科), 内藤 克浩 (三重大学大学院工学研究科), 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 798 - 804
KeywordDLNA, 情報家電, マルチメディアシステム, 移動体通信
Abstract筆者らはIPv4ネットワークにおいて確実な通信接続性と移動透過性を同時に実現する通信アーキテクチャNTMobile(Network Traversal with Mobility)を拡張することにより,移動透過性を有した遠隔DLNA(Digital Living Network Alliance)通信システムを提案してきた.しかし,このシステムではDMP(Digital Media Player)にNTMobileを実装する必要があるため,DMPがLinuxカーネルを搭載した端末であることが前提になっている.そのため,iPhoneや市販のAndroidスマートフォンをはじめとする多くの一般端末では,システムを利用することができないという課題があった.本稿では,従来のシステムに対して,新たにNTMobileの機能を実装したモバイルルータを導入することにより,一般のDMPにおいても移動透過性を満たす遠隔DLNA通信を実現するシステムを提案する.

3G-5 (時間: 18:25 - 18:45)
題名遠隔地にあるBluetooth機器間のシームレス接続手法の実装
著者*津田 一磨, 鈴木 秀和, 旭 健作, 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 805 - 811
KeywordBluetoothデバイス, リモートアクセス, ホームネットワーク
AbstractBluetooth に代表される近距離無線技術の発達により,ホームオートメーションの普及が期待されている. 今後,宅内にある近距離無線通信機器を外出先から操作したいという要求が高まると考えられる. しかし,このような機器には通信可能範囲に制限があり,外出先から直接操作することができない. 我々は,Bluetooth 機器のハードウェアとソフトウェアの間で交換されるコマンド等をインターネット経由で転送することにより,遠隔地の Bluetooth 機器へ接続する手法を提案している. 提案手法により,ユーザは Bluetooth 機器の位置を意識することなく,一般のBluetooth アプリケーションを用いて近傍および遠隔地にある Bluetooth 機器とシームレスに接続することができる. 本稿では,提案手法の検証を行うため,Linuxカーネルへのモジュール実装を行った. これにより,Bluetoothのコマンド等をインターネット経由で転送できることを確認した.