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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 4B  交通情報配信
日時: 2013年7月11日(木) 8:45 - 10:25
部屋: 柏・ポプラ
座長: 安本 慶一 (奈良先端科学技術大学院大学)

4B-1 (時間: 8:45 - 9:05)
題名ソーシャルメディアを活用した公共交通機関利用に導くモバイルアプリケーション
著者*柴田 博彬, 伊藤 昌毅, 川村 尚生, 菅原 一孔 (鳥取大学大学院 工学研究科 情報エレクトロニクス専攻)
Pagepp. 880 - 886
Keywordソーシャルメディア, モバイルアプリケーション, 公共交通利用促進, 情報共有
Abstract路線バスや鉄道,飛行機といった公共交通機関利用における利便性の向上を目指して,利用を支援するためのシステムが数多く開発,運営されている.従来のシステムの特徴として,既に公共交通機関の利用を決定した者をターゲットとしており,その他の移動手段を決めかねている者や,元々は利用を意識すらしていなかった者に対しては無頓着であることが挙げられる.つまり,既存のユーザに対する利便性の提供は行えても,新規ユーザの積極的勧誘は実現されずにいる.しかし,公共交通機関の利用促進は都市部,地方部においてもそれぞれ環境汚染,地域交通の維持のために重要な課題である.そこで,本研究ではシステムを利用した公共交通機関の利用についてモデル化し,システムをモバイル端末上に実装しソーシャルメディアとリンクすることにより,より多くの人に公共交通機関を身近に感じてもらうこと及び,公共交通機関の利用促進を目指す.また,その検証方法についても述べる.

4B-2 (時間: 9:05 - 9:25)
題名輸送機関網へのデータオフローディングにおける遅延許容可能データのためのデータ配送スケジューリング
著者*樫原 茂 (奈良先端科学技術大学院大学), 高井 峰生 (UCLA/大阪大学), 金田 茂 (Space-Time Engineering, LLC)
Pagepp. 887 - 895
Keywordデータオフローディング, 輸送機関網, 大容量データ, 遅延, データ配送
Abstract本論文では、これまでに提案した輸送機関網を用いたデータオフローディングにおいて、遅延を許容可能な大容量データを要求された遅延時間内に配送するためのデータ配送スケジューリングを提案し評価する。輸送機関網へデータオフローディングするためのデータの蓄積・転送を行うデータポートにおいて、First-Come, First-Serve (FCFS)によりデータ配送を行った場合、ユーザの許容可能な遅延時間内に配送が完了できないデータが発生し、データオフローディングが十分に機能しない。そこで、輸送機関網へのデータオフローディングの通信性能を改善するために、本論文では、アップロードの通信フローを対象とし、許容可能遅延時間内にデータ配送を完了するためのデータ配送スケジューリングを提案する。シミュレーション実験より、データポートにデータ配送スケジューリングを導入することで、バスシステムを対象とした輸送機関網において、バスが運搬したすべてのデータが許容可能遅延時間内に配送が完了することを示した。

4B-3 (時間: 9:25 - 9:45)
題名VANETにおける類似位置指定情報要求の集約に基づく情報配信方法
著者*新美 雄也 (静岡大学 工学研究科 数理システム工学専攻), 中村 暢宏 (静岡大学 工学研究科 システム工学専攻), 石原 進 (静岡大学 大学院 工学研究科)
Pagepp. 896 - 903
KeywordITS, 車々間通信, 情報配信, 経路制御, DTN
Abstract車両間で事故や渋滞などの道路交通情報の共有を行いドライバーへ離れた場所の情報を提供し,運転の負担軽減のための運転支援技術の開発が進められている.筆者らは車載カメラの撮影画像をVANETを用い車両間通信で伝達しドライバーへ提示することで,任意の場所の様子を目視で確認するためのシステムを開発している.このシステムではドライバーがある位置を入力すると,システムは指定位置での撮影画像をVANET を通じて入手し,ドライバーへ提供する.この仕組みをオンデマンドで実現しようとすると,複数ユーザが同様の位置を指定した時,各要求に対して情報が返送される.結果同様の情報が多数配信され,通信資源を消費する.この問題の解決のため本論文では,位置をキーとした要求を集約し,その結果を利用し情報配信を行う手法であるDemand map ベースデータ配信手法を提案する.本手法では各車両は要求元から要求先に発生する情報の需要分布を把握し,これに基づき情報を配信する.要求の集約では実際の要求分布を反映する集約方法の設計が問題となるが,これに対し既存の集約手法であるsoft-state sketch を応用した手法の有効性を示す.

4B-4 (時間: 9:45 - 10:05)
題名無線センサネットワークを用いたバスロケーションシステムの開発
著者*畠 基成, 鈴木 秀和, 足達 元 (名城大学大学院理工学研究科), 北瀬 和之, 大森 昭嗣 (株式会社メイエレック), 松本 幸正, 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 904 - 910
Keywordセンサネットワーク, バスロケーションシステム, IEEE802.15.4
Abstract近年,バスの利便性向上のためのバスロケーションシステムに注目が集まっている.多くの既存システムではバス位置情報や運行情報の送信に携帯電話網を利用しているため,多くの通信コストがかかる.そのため,コミュニティバスにおいてはシステムの継続運用が困難である.そこで筆者らは,通信コストが不要な無線センサネットワークを利用したバスロケーションシステムを提案している.提案システムでは,バス,バス停,バス路線の道沿いにIEEE802.15.4 準拠のセンサノードを設置し,無線センサネットワークを構築する.本発表では,提案システムの試作開発の内容と,実際のコミュニティバス路線を用いた検証実験の結果について報告する.検証実験の結果,実環境に広域無線センサネットワークを構築することにより,携帯電話網を使用せずにバス位置情報の収集,及びバス停への接近情報の配信が可能であることを実証した.